介護の仕事が向いている人は?仕事内容や必要な資格、給料事情を解説

2023.08.31 介護事務

【医療事務のパイオニアソラスト監修】介護職は「身体介護」「生活介助」を通して利用者さんの生活の手伝いをすることが主な仕事ですが、その内容は多岐にわたります。
また、介護業界でキャリアアップするためには資格の取得も欠かせません。


この記事では介護業界で働きたい人に向けて、具体的な仕事内容や必要な資格、お給料事情について解説します。

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介護職の具体的な仕事内容

介護職の仕事内容は、大きく分けて「身体介護」と「生活援助」があります。

ここからはそれぞれについて解説していきます。

身体介護

身体介護とは、利用者の身体に直接触れる介護サービスのことを指します。

例えば、食事や更衣・入浴・排せつの介助などがあります。床ずれ予防のために体位を変えることなども身体介護のひとつです。

基本的に、介護職員初任者研修以上の資格がなければ身体介護を行うことができません。

介護福祉士や介護福祉士実務者研修などの特別な研修を受けると、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアも行うことができます。

生活援助

生活援助では、日常生活を送るうえで必要な家事を行うのが困難な場合にサポートをします。掃除・洗濯・食事の準備、生活必需品の買い物、レクリエーションの実施、薬の受け取りなどがあります。

介護に携わるスタッフの誰でも行えますが、未経験の場合は資格を取っておくことをおすすめします。

介護職の勤務先とその特徴

介護職には以下のような勤務先があります。

・特別養護老人ホーム
・デイサービス(通所介護)
・訪問介護

それぞれの特徴について解説していきます。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、高齢者が24時間生活できる公的な施設です。自宅での生活が困難な要介護3以上の高齢者が入所しています。

身体介護を中心に、必要な医療ケアも行います。要介護度が高いため専門的な介護スタッフや看護師が在籍していて、緊急時の対応ができることも必要です。24時間利用者をサポートするため、場合によっては夜勤もあるでしょう。

民間の場合は、「介護付き有料老人ホーム」という形で運営されています。

デイサービス(通所介護)

デイサービス(通所介護)は、高齢者が日中に利用する施設です。

身体介護やレクリエーションの実施などの他に、利用者の毎日の送迎も業務に追加されます。日中の介護が中心となるため、基本的に夜勤は発生しません。

訪問介護

訪問介護とは、利用者の自宅に赴き身体介護や生活援助などを行う介護スタイルのことです。

訪問介護を行う介護スタッフはホームヘルパーと呼ばれ、訪問介護事業所に所属します。

利用者のライフスタイルや状況に合わせて個別にケアプランが作成され、それに基づいて介護を行います。

介護の仕事は無資格でもできる?必要な資格を紹介

介護の仕事は無資格でもできますが、無資格でできるのは生活援助のみです。

資格がないと身体介護をはじめとするさまざまな業務ができないので、業務の幅が狭まってしまいます。

介護のプロフェッショナルとしてさまざまな介護業務に携わるためにも、事前に資格をとっておいたほうがいいでしょう。

ここからは、就職のときに有利になるおすすめの資格を紹介していきます。

介護職員初任者研修(旧:ホームヘルパー2級)

介護職員初任者研修は介護福祉士を目指す人の入門資格です。

この資格をとることで利用者の自宅で生活援助(掃除、洗濯、買い物など)、身体介護(着替えや食事の介助など)、通院介助などの訪問介護を行うことができます。

仕事内容や資格取得方法は、以下の記事でくわしく解説しているので読んでみてみください。

あわせて読みたい記事:介護職員初任者研修とは?資格取得の方法やメリットについて解説

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は初任者研修の上位資格です。

この資格をとることで、たんの吸引や経管栄養などの一部の医療的ケアができるようになり、訪問介護事業所で配置が必須になっている「サービス提供責任者」になることができたりします。

メリットや資格取得方法は、以下の記事でくわしく解説しているので読んでみてみください。

あわせて読みたい記事:実務者研修とは?研修内容や初任者研修との違い、メリットについて解説

介護福祉士

介護福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法によって認められた介護職唯一の国家資格です。介護福祉士になると、給与や待遇面が良くなることが多く、サービス提供責任者など職業選択の幅が広がるので取得することでキャリアアップも見込めます。

試験の詳細や資格取得方法は、以下の記事でくわしく解説しているので読んでみてみください。

あわせて読みたい記事:介護福祉士を目指す!資格の取り方や試験の詳細、合格率について徹底解説

ケアマネジャー(介護支援専門員)

ケアマネジャーは国家資格ではありませんが、介護福祉士と並ぶ介護に携わる職種の中での最上位資格です。要介護度や利用者の希望に応じて一人ひとりに合った介護サービスを考えるケアプランを作成するのが主な仕事です。

ケアマネジャーについては、以下の記事でくわしく解説しています。

あわせて読みたい記事:ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?仕事内容や給料、必要な資格について

介護事務管理士®

介護事務は、要介護者への介護は行いませんが、介護報酬業務と窓口対応が主な内容です。介護施設と利用者をつなぎ合わせる大切な仕事です。介護事務はケアマネジャーのサポートを任される場合もあります。

介護事務管理士®の資格取得を通して、介護事務として働く上で必須となる介護報酬請求業務(レセプト作成・点検)や、受付窓口業務などの知識が身につきます。

介護事務の仕事についてもっと詳しく知りたい方や、一日の流れを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

あわせて読みたい記事:介護事務の仕事内容や1日のスケジュールを解説!給料や必要なスキルも紹介

介護職の平均給料を仕事・資格別に紹介

介護職の平均給料を仕事・資格別にまとめてみました。

特別養護老人ホームデイサービス訪問介護
初任者研修335,480円272,610円310,920円
実務者研修322,640円268,280円317,010円
介護福祉士360,120円289,470円326,570円
ケアマネジャー412,720円320,830円362,550円
資格なし292,710円242,560円有資格者のみ勤務
参考:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果|厚生労働省
常勤者の平均月給非常勤者の平均月給
介護事務307,960円178,870円
参考:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果|厚生労働省

夜勤が発生する特別養護老人ホームや訪問介護ではその分、給料も高いです。

また、資格を持っている方が給料が高く、上位資格になるほど上がっていることが多いのがわかります。資格をとるメリットは大きいです。

まずは初任者研修や実務者研修で資格を得ることがキャリアアップの一歩になるでしょう。

介護職に向いている人は?

介護職に向いている人の特徴を挙げてみました。

相手の立場に立って物事が考えられる人

介護は相手のニーズや気持ちを理解する必要があります。

利用者が感じる不安や痛みを理解して質の高いサポートをできる人が向いています。

社会や福祉に貢献したいと感じる人

介護職は利用者の介護を直接行うことで社会に貢献します。

これらの業務に使命感を持って働ける人材が長期間にわたって仕事を続けられます。

人から感謝されることに喜びを感じる人

介護職で一番やりがいを感じる瞬間は、利用者や家族から感謝の言葉をかけられたときです。

感謝されることに喜びを感じる人であれば、モチベーションも維持でき、仕事の達成感も味わえるでしょう。

将来性のある業界で働きたい人

高齢化が進む中、介護業界の需要はますます高まっています。

スキルや経験を積むことで、キャリアアップや専門性の向上が期待できます。

まとめ:介護職はやりがいと将来性がある仕事

介護の仕事は体力も必要で大変な仕事ではありますが、日本はこれから高齢化がさらに進みます。

社会に絶対必要な存在なので職は安定しており、やりがいを感じながら働くことができるでしょう。将来性もあるので長く続けてキャリアを築いていける仕事といえます。