ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?仕事内容や給料、必要な資格について

ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?仕事内容や給料、必要な資格について

2023.05.29 介護事務

【医療事務のパイオニアソラスト監修】ケアマネジャーとは、2000年の介護保険制度開始とともに誕生した、介護のスペシャリストです。介護保険サービスを利用する人々のために最適なケアプランを作成し、その実現を目指す役割があります。
介護を必要とする方、そのご家族、医療機関、自治体などと連携し、円滑なサービスの提供をマネージメントするお仕事です。

この記事では、ケアマネジャーの仕事内容や給料、必要な資格などについて詳しく解説します。介護業界でキャリアアップを目指している人はぜひ最後まで読んでみてくださいね!

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ケアマネジャー(介護支援専門員)とは

ケアマネジャーは、介護を必要とする方が介護保険サービスを円滑に利用できるようにサポートをする介護のスペシャリストです。2000年の介護保険制度の開始によって誕生しました。ケアマネジャーの資格は介護福祉士と並び、介護に携わる職種のうち最上位資格となっています。

正式名称は「介護支援専門員」です。「ケアマネ」や「ケアマネージャー」と呼ばれることが多いですが、「ケアマネジャー」が正しい呼び方です。

ケアマネジャー(介護支援専門員)になるには?必要な資格はある?

ケアマネジャー(介護支援専門員)になるためには、まずは通称「ケアマネ試験」と呼ばれる「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があります。

ケアマネ試験には受験資格があり、受験するためにはその条件を満たすことが必要です。
その後、実習を修了し、ケアマネジャーとして自治体に申請・登録することでケアマネジャーとして勤務することができるようになります。

あわせて読みたい記事:ケアマネ試験は難しい?試験内容や合格率、合格するためのコツを解説

無資格・未経験からケアマネになる場合

無資格・未経験からケアマネになる場合、以下の2つの条件を満たす必要があります。

①特定の国家資格を保有している人

介護福祉士や医師、看護師、栄養士など、主に医療や福祉に関わる国家資格をもち、それらの国家資格に基づく業務に5年以上かつ、900日以上の日数携わっていることが求められます。

②介護施設などで相談援助業務などに従事している人

介護施設で生活相談員や相談支援専門員などに従事していて、その期間が5年以上かつ、900日以上の日数携わっていることが求められます。

参考:令和5年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験(東京都福祉保健財団HP)

まずは、初任者研修や実務者研修を経て介護福祉士の資格をとることをおすすめします。

あわせて読みたい記事:介護職員初任者研修とは?資格取得の方法やメリットについて解説

介護福祉士の資格を持っている場合

介護福祉士の資格をすでに持っている場合は、介護福祉士として5年以上かつ、900日以上の実務を行った経験があれば、「実務経験証明書」を職場から発行してもらうことで、ケアマネ試験に申し込みすることができます。

厚生労働省の統計によると、令和4年実施のケアマネ試験合格者のうち59%が介護福祉士から受験していました。多くの人が介護福祉士からのキャリアアップとしてケアマネジャーに挑戦されているようです。

あわせて読みたい記事:介護福祉士を目指す!資格の取り方や試験の詳細、合格率について徹底解説

ケアマネジャー(介護支援専門員)のお仕事について

ここからは、ケアマネジャー(介護支援専門員)のお仕事について代表的な4つの業務内容を解説していきます。

ケアマネの仕事内容

■ケアプランの作成

ケアプランの作成はケアマネジャーのメインの仕事です。

要介護度や利用者の希望などを面談を通じて理解し、利用者一人ひとりに合わせて介護サービスを提供する事業者や介護サービスの内容を考えます。ケアプランに沿って介護サービスを受けた高齢者の生活の質が格段によくなることもあり、重要な役割を担っています。

■モニタリング

ケアプランを作成したら、ケアプラン通りにうまくいっているかどうかを定期的に確認する必要があります。これをモニタリングといいます。

施設によってモニタリングの頻度は異なりますが、状況に合わせて適切な見直しを行い、常に利用者やご家族にベストなサービスを提供できるように考えるのもケアマネの大切な仕事です。

■要介護認定の申請代行

ケアマネジャーは、介護サービスを利用する高齢者やご家族の代わりに自治体へ要介護認定の申請を行うことができます。

■相談対応

利用者だけでなく、ご家族の相談対応も行います。介護に関する日々の悩みから、介護にかかる費用の相談などもケアマネジャーが受けつけます。

ケアマネの働き方

居宅ケアマネジャー施設ケアマネジャー
対象自宅介護施設介護
担当人数35人まで100人まで

ケアマネには大きく2つの種類の働き方があります。「居宅ケアマネジャー」と「施設ケアマネジャー」です。

居宅ケアマネジャーは、居宅介護支援事業所に所属し、自宅で介護を受ける人を対象として業務を担当します。担当件数は35人までとなっています。

施設ケアマネジャーは、介護施設などに勤務してそこで100人までのケアプランを担当できます。

さらに、ケアマネジャーの最上資格として「主任ケアマネジャー」があり、ケアマネジャーをまとめ役としてケアマネジャーの育成なども担当しています。
主任ケアマネジャーになるためには、受講資格を満たし主任介護支援専門員研修を修了する必要があります。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の給料(年収・月給)

厚生労働省の資料によると、令和3年のケアマネジャー(介護支援専門員)の月収は常勤で約35万円、非常勤で約23万円と発表されています。(※1)
また、大手求人サイトでは、年収が約346万円と、他の介護に関する職種の中で最も高くなっています。(※2)

参考(※1):令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果 厚生労働省老健局老人保健課
参考(※2):求人ボックス.com|ケアマネージャーの年収・時給

ケアマネジャーのやりがいとメリット

ケアマネジャーの資格を取ると多くのメリットがあります。大きく3つのメリットをご紹介します。

■給料が上がる

先述した通り、ケアマネジャーの平均月収は353,560円と、フルタイムの介護職員の平均月収と比べてなんと約4万円も多くなります。

■利用者や家族の役に立てる

ケアマネジャーが適切なケアプランをたてて利用者の様子を見守り続けることで、利用者の要介護度を低くしたり、ご家族の負担を減らすことができたりします。利用者やご家族の役にたてていることを実感し、感謝の気持ちを向けられることでやりがいも持てるでしょう。

■就職・転職に有利

ケアマネジャーの資格をとると、豊富な専門知識と経験を持っていることがアピールでき、好条件の職場へ就職・転職がしやすくなります。

ケアマネジャーに向いている人

ケアマネジャーは、利用者やそのご家族はもちろん、介護サービス事業者やヘルパー、医師などの他の職種とも関わりも深いです。

それぞれの相手に合わせた対応ができるような高いコミュニケーション能力を持った人におすすめです。

また、ケアプラン作成や役所への書類提出など、スムーズにミスなく事務作業を行えることも大切です。

まとめ:ケアマネ試験に合格してキャリアアップを目指そう

豊富な専門知識と経験を兼ね備えた介護のスペシャリストとして、ケアマネジャー(介護支援専門員)は今後ますます需要が高まる職種になると予想されています。
ケアマネジャーになるメリットは大きく、ぜひケアマネ試験に合格してキャリアアップを目指してみてください。

まだ基礎資格をとってない人には、介護福祉士の資格を取得することがおすすめです。