訪問介護とは?サービスの内容や利用方法、働く場合の資格について

訪問介護とは?サービスの内容や利用方法、働く場合の資格について

2023.06.05 介護事務

【医療事務のパイオニアソラスト監修】介護が必要な方の自宅を訪問し、介護サービスを提供する訪問介護。訪問介護をする人のことを訪問介護員(ホームヘルパー)と呼びます。
この記事では訪問介護について、サービスの内容や利用方法、訪問介護員として働く場合に必要な資格ややりがいなどを解説します。

ソラスト教育サービス
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image13-2.png

訪問介護(ホームヘルプ)とは

訪問介護(ホームヘルプ)とは、訪問介護員(ホームヘルパー)などが介護や支援が必要な利用者の自宅を訪問し、利用者ができる限り自立した生活を送れるように、食事・排せつ、入浴などの身体介護や掃除や買い物などの生活援助といった身の回りの生活のサポートを行うことです。

訪問介護ではケアプランに沿って、一人ひとりに合わせた介護サービスが提供されています。

訪問介護(ホームヘルプ)のサービス内容について

訪問介護では、大きく3種類の介護サービスがあります。

身体介護

身体介護では、利用者の身体に直接触れて介護サービスを行います。例えば、食事や更衣・入浴・排せつの介助などがあり、床ずれ予防のために体位を変えるなども身体介護のひとつです。特別な研修を受けた訪問介護者であれば、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアも行うことができます。

生活援助

生活援助では、日常生活を送るうえで必要な家事を行うのが困難な場合にサポートをします。掃除、洗濯、調理、生活必需品の買い物、薬の受け取りなどがあります。

通院介助

訪問介護の利用者が自宅から病院へ通院する際に乗車・移送・降車の介助を行います。

通院先での手続きの手伝いや移動の介助も必要に応じて行われます。

訪問介護の費用は?自己負担額について

〈訪問介護にかかる費用の目安〉

サービスの内容時間・回数利用者負担1割(1回につき)
身体介護20分未満165円
身体介護20分以上30分未満248円
身体介護30分以上1時間未満394円
身体介護1時間以上1時間半未満575円
生活援助20分以上45分未満181円
生活援助45分以上223円
通院介助1回98円
参考:どんなサービスがあるの? – 訪問介護(ホームヘルプ)|厚生労働省

訪問介護にかかる費用は、基本的には利用者負担額は1割となっており、受けるサービスの内容と利用時間によって料金が異なります。

訪問介護を受けられる対象者

訪問介護を受けられる対象者は、自力での生活が困難な要介護1〜5の認定を受けた方です。
また、日常生活の一部で介護が必要な場合は要支援1・2の認定を受け、「介護予防訪問介護」という形でサービスを利用できます。

訪問介護で受けられないサービスはある?

訪問介護は、家事代行ではありません。利用者にとって困難なことを介助・サポートするサービスです。

利用者以外の家族のために同じようなサービスを行ったり、ペットの世話や大掃除などの日常生活に必要な範囲を超えるサービスを行ったりすることはできません。
また、訪問介護サービスにおいて、直接医療行為を行うことはできません。しかし法律が改正され、目薬をさす・体温を測るといったような専門的な知識を必要としない「医療的ケア」の範囲に関しては行うことができるようになっています。

参考:医政発第 0726005 号 平成17年7月26日 各都道府県知事 殿 厚生労働省医政局長(公印省略)

訪問介護を受けるまでの流れ

ここからは訪問介護を受けるまでの流れを解説します。

参考:サービス利用までの流れ | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」

①要介護認定の申請

介護保険によるサービスを受けるためには、介護の必要度を判断する要介護認定の申請が必要になります。市区町村の担当窓口に申請します。介護保険被保険者証が必要です。

②認定

自治体の調査員や主治医の意見書を元に、要介護度が判定された後、被保険者へ要介護認定が通知されます。

③介護(介護予防)サービス計画書の作成

要介護1以上の場合は、ケアマネジャーが選任され、ケアプランと呼ばれる介護サービス計画書が作成されます。要支援1・2の場合は、介護予防サービス計画書が地域包括支援センターにて作成されます。

④介護サービス利用の開始

ケアプラン等に基づいた介護サービスが行われます。

あわせて読みたい記事:ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?仕事内容や給料、必要な資格について

訪問介護員(ホームヘルパー)になるには?必要な資格はある?

訪問介護員(ホームヘルパー)になるには資格が必要です。

ここでは3つの資格をご紹介します。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修とは、訪問介護を行うために最低限必要な入門資格です。130時間の研修を受講することで、食事・更衣・入浴介助などの専門的サポートに関する知識とスキルを身につけます。

あわせて読みたい記事:介護職員初任者研修とは?資格取得の方法やメリットについて解説

実務者研修

実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格です。より専門的な知識とスキルを身に着けることができます。

あわせて読みたい記事:実務者研修とは?研修内容や初任者研修との違い、メリットについて解説

介護福祉士

介護福祉士は、ケアマネジャーと並んで介護における最上位資格です。介護の資格の中でも社会福祉士及び介護福祉士法によって認められた唯一の国家資格です。介護福祉士には受験資格があります。

あわせて読みたい記事:介護福祉士を目指す!資格の取り方や試験の詳細、合格率について徹底解説

訪問介護員(ホームへルパー)の給料

訪問介護員(ホームヘルパー)の給料について、厚生労働省が発表した資料によると、訪問介護事業所で働く場合、 フルタイムで月給314,590円、パートタイムで201,120円でした。

参考 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果 厚生労働省老健局老人保健課147ページ 

さらに、どの資格を持っているかによって差が出ています。

資格があれば携わる業務の幅が広がるだけでなく、資格手当などによって収入をアップさせることができます。

資格名平均月収
介護福祉士321,350円
社会福祉士368,570円
介護支援専門員333,480円
実務者研修315,360円
介護職員初任者研修309,060円
保有資格なし286,390円

参考 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果 厚生労働省老健局老人保健課 182ページ

訪問介護で働くやりがいや大変さについて

訪問介護は、基本的には利用者の自宅に赴き、1対1で介護サービスを行います。
職場での同僚とのしがらみにとらわれず、のびのびと業務をこなせるのがメリットと言えるでしょう。その分、デメリットとして緊急時に一人で対応しなければならなかったり、移動が負担になってしまったりと大変なこともあります。

臨機応変な対応が求められますが、責任感が強い方にとっては、利用者との距離が近く密接なコミュニケーションができる訪問介護はやりがいのある仕事だといえます。
働く事業所によって、日中だけの勤務であったり夜勤があったりと条件が異なりますので、事前にきちんと調べておくことも大切です。

まとめ:訪問介護は介護を通じて利用者と向き合うやりがいのある仕事

訪問介護は、介護を通じて利用者と深いコミュニケーションがとれ、一人ひとりにしっかりと向き合うことができるやりがいのある仕事です。

訪問介護員(ホームヘルパー)になるための資格をとって、介護の世界で求められる人材になりましょう!

まずは、介護職員初任者研修や実務者研修からチャレンジしてみるのがおすすめです。