医療事務の面接でしておくべき逆質問とは?押さえておきたいポイントについて解説

2022.12.02 医療事務

就職の面接では、最後に「何か質問はありますか」「ほかに聞いておきたいことはありますか」といったことを聞かれることが多いかと思います。それに対して、応募者が採用側に何か質問をすることを逆質問といいます。医療事務の面接においても逆質問をする機会は多く、どう質問するかによって、採用側に与える印象も大きく変わります。この記事では、医療事務の面接における逆質問のポイントについて解説します。

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医療事務の面接で逆質問を促す意図

医療事務に限らず、面接において採用側が逆質問を促すことは多いのですが、その理由はなぜなのでしょうか。まずは面接で逆質問を促す意図について見ていきましょう。

就職したいと思う気持ちの強さを確認する

採用側は、応募者がほかにも就職先を模索している、もしくはしていたであろうと考えています。そのため、ここに就職したいという気持ちがどのくらいあるのかを確認する目的で、逆質問を促してくることがあります。
内容にもよりますが、逆質問を積極的にしてくる人ほど、就職したい気持ちが強いという印象を与えやすいため、応募者の意欲を判断するひとつの材料となるのです。

コミュニケーション能力を把握する

面接では、採用側が一方的に質問をすることがほとんどです。しかし、それだけでは応募者のコミュニケーション能力を図るには不十分かもしれません。そのため、応募者の自発性やコミュニケーション能力がどのくらいあるのかを確認するためにも、逆質問を促すことがあるでしょう。

施設に対する疑問点や不安点を確認する

応募者が施設に対して何かわからないことはないか、不安に思っていることはないかについて確認するために、逆質問が促されることもあります。知りたい情報は得られたのか、説明不足な点はないかなど、採用側が最終確認をする意味合いです。

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逆質問に対して「何もない」と答えるのはアリ?

逆質問を促されたとしても、質問したいことがその場で思い浮かばないこともあるでしょう。その場合、正直に「何もない」と答えてもよいものなのでしょうか。
先程も挙げましたが、採用側は応募者の気持ちやコミュニケーション能力を把握するために逆質問を促すことがあります。それを考えると、「何もない」と答えるのは、採用側にあまりよい印象を与えません。面接を受けて、この施設で働きたいと思うのであれば、積極的に逆質問をすることが望ましいでしょう。面接に臨む前に、あらかじめいくつかの質問を準備しておくとよいでしょう。
しかし、急に言われても質問が浮かばないこともあるかと思います。その時は「先程、丁寧に説明していただけたので、質問したかったことは解決できました。大丈夫です」といったような返答をすると、質問がなくてもあまり悪い印象を与えないで済むでしょう。

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医療事務の面接における逆質問のポイント

実際に逆質問をする際にはどのようなことを意識すればよいのでしょうか。逆質問のポイントについてみていきましょう。

やる気や就職したいという熱意を伝える

逆質問で重要なことは、この施設で働きたいという熱意を伝えることです。もし、これまでの面接を通して、自分の気持ちが思うようにアピールできなかったとしても、最後の逆質問で挽回することは可能です。自分が実際に働くことを想定した質問をして、熱意を伝えるように意識するとよいでしょう。

相手の立場に合った逆質問をする

面接官となる人の立場は、院長、理事長、事務長、人事部、現場の社員など、施設によってさまざまです。そのため、相手に合わせた逆質問をする必要があります。
例えば、院長や理事長に実際の医療事務現場の状況についての質問をしても、適切な回答を得られるとは限りません。また、福利厚生の詳細を現場の社員に質問をしても、逆に困らせてしまうこともあるかもしれません。逆質問をする際は、相手の役職や立場に合わせた内容を選択することが望ましいでしょう。

就職後の不満をなくすための逆質問をする

面接を受けて、この施設で働きたいと思っても、実際に働いてみたら「思っていた内容と違った」というような不満が生じることもあります。そのようなことを防ぐためにも、自分が譲れない部分やこだわりたい部分についての逆質問をしておくようにしましょう。残業の有無、休み、具体的な仕事内容など、自分が働く上で不安に思っている情報を入職前にしっかりと聞き出すことが重要です。もし自分の条件に合わないのであれば、辞退することも選択肢のひとつです。

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逆質問の例文集

では、逆質問の具体的な例を見ていきましょう。

・貴院での1日における仕事の流れを、大まかにでも教えていただけますか。

出勤してから、退勤するまでの流れを把握しておくと自分が働く時のイメージがしやすいです。

・1日に何名くらいの患者さんが来院されますか。

施設の来院患者数を知ると、どのくらい忙しいのかを大まかにイメージすることができます。

・医療事務のスタッフは何名在籍していますか。

医療機関の規模にもよりますが、医療事務スタッフの人数が多ければ仕事を分担できるので、1人あたりの負担は少ない傾向にあるでしょう。逆に人数が少なければ忙しい可能性もありますが、その分色々な仕事を覚えることができるでしょう。

・働いているスタッフは何時頃出勤されていますか。

施設によっては始業時間前に掃除をしたり、朝礼を行ったりしている場合もあります。ほかのスタッフの出勤時間と大きく変動しないためにも、事前に確認するとよいでしょう。

・電子カルテを導入されていますか。

多くの施設では電子カルテを導入しており、最低限のパソコンスキルが求められます。もし、パソコンが苦手であれば事前に練習をしておく必要があるでしょう。

・医療事務として貴院で働くために、何か必要なスキルはありますか。

医療事務の経験がない場合でも、これから頑張っていくという意欲を示すことができる逆質問といえます。

・「患者様に寄り添った医療」という貴院のコンセプトに大変共感いたしました。実際、仕事をする中で特に意識している点などございましたら教えていただけますと幸いです。

先方の理念についてしっかりと調べてきた様子が伺え、ここで働きたいという意欲が伝わる逆質問です。

・医療現場はチームワークが大切であると思っており、もし働くことができたら私自身も早く溶け込んでいきたいと思っております。こちらの医療事務さんが働いている現場の雰囲気はどのような感じか教えていただけますか。

できるだけ早く職場になじんで貢献したいという意欲をアピールできる逆質問です。

・出産や子育てを経ても、貴院で長く働くことは可能でしょうか。また、そのような形で働かれている人はいらっしゃいますか。

特に女性は妊娠や出産などにより、ライフスタイルが大きく変わることが多い傾向にあります。自分がそのような環境になる可能性がある場合、入職後のギャップが生じないように事前に聞いておいたほうがよいかもしれません。

・医療事務は時期によって忙しいこともあると伺っていますが、皆さん残業はどのくらいされているのでしょうか。

入職した後に、「思っていたよりも残業が多くて大変だった」というようなギャップを生じさせないように、残業についても聞いておいたほうがよいでしょう。ただし、残業をしたくないというような態度を取ると、採用側にマイナスなイメージを持たれてしまうこともあるため、注意が必要です。

医療事務の面接で避けるべき逆質問

逆質問はなるべくしたほうがよいですが、内容によっては悪い印象を与えてしまうこともあります。医療事務の面接で避けるべき逆質問についてみていきましょう。

・調べれば簡単にわかる質問

施設の理念や診療科目など、パンフレットやホームページを調べれば簡単にわかるような質問は避けるようにしましょう。公にされている情報について質問をしてしまうと、採用する側に「何も調べてきていない」「興味がない」という印象を与え、マイナスに捉われてしまいます。しかし、事前に得られる情報の中でも、もっと詳細を知りたい、もう一度確認したいという場合もあるかと思います。その場合は、「ホームページで○○と見たのですが…」、「パンフレットにはこう書かれていたのですが…」と前置きをして質問をすると、事前に調べた上で質問をしているという印象を与えることができます。

・一度説明を受けた内容の質問

説明会や面接の際に、すでに説明を受けた内容を再度質問するようなことは避けましょう。すでに説明をしたのにも関わらず同じことを聞いてしまうと「話を全然聞いていない」という印象を与え、採用の可否にも大きく響いてしまう可能性があります。

・待遇面に関しての直接的な質問

給料や賞与、退職金などは重要な部分なので把握をしておきたいものです。多くの施設では、面接時に仕事内容・勤務部署・給与・福利厚生などの説明があるかと思います。詳細な説明がなかった場合、面接で直接的な金額を聞くことは避けましょう。お金の質問をしてしまうと「お金が1番大切なのか」「自分の都合ばかりを優先しそう」というような印象を与えてしまうことがあります。特に賞与や退職金は、仕事の貢献度や働いた期間によっても左右されることが多く、面接の時点で質問すると、逆に失礼に当たってしまうこともあるでしょう。あらかじめ求人票や、紹介会社を利用する場合はエージェントに確認しておきましょう。

医療事務における面接のマナーについて

医療事務の面接では、よい印象を与えるためにもマナーを守って臨むことが大切です。面接を成功させるために必要な面接に対するマナーと、身だしなみの基本マナーについても紹介します。

面接前におけるマナー

面接では、指定時間の5分前までには到着しておくようにしましょう。どうしても遅刻してしまう場合は、すぐに電話をかけて到着時間を伝え、謝罪をするのがマナーです。逆に、あまりに早く着きすぎるのも先方に迷惑をかけてしまうため、注意しましょう。
施設に着いたら、受付で自分の名前と面接に来た旨を伝え、案内されるのを待ちます。この時からすでに態度はチェックされているので、気を緩めないようにしましょう。

面接の最中におけるマナー

面接中は相手の目を見て、はっきりとした受け答えをするように意識しましょう。目線を反らしていたり、声が小さかったりするとマイナスな印象を与えてしまいます。
話す際は、普段よりもゆっくり、はっきりと話すようにすると、落ち着いた印象を与えることができます。面接終了時は、自分のために時間を割いてくださった面接官へお礼を伝えるようにしましょう。部屋から退出するまでチェックされていると考え、ドアを出る前にも一度面接官のほうを向き、一礼をするとよい印象を与えます。

面接は身だしなみも大切

面接では態度だけでなく、身だしなみも重要です。特に医療機関では清潔感が求められるため、それに相応しい身だしなみを意識するようにしましょう。

  • スーツやシャツにシワ・シミなどがないかチェックする
  • 髪の毛の寝ぐせやフケに注意する。女性の場合、長い髪はひとつに結ぶ。男性の場合、耳にかからないようなスッキリとした髪型に整える
  • 靴やカバンは古びたものは避け、汚れていないかチェックする
  • 女性のメイクは、ナチュラルで健康的、かつ清潔感があることを意識する
  • 医療機関では体調のすぐれない患者さんの対応にあたるため香水などは避ける

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まとめ

医療事務の面接でしておくべき逆質問のポイントについて、例文を挙げて紹介しました。面接での印象は、採用の合否に大きく左右します。自分が働きたいという気持ちをしっかりと伝えられるよう、事前に対策を練って面接に臨むようにしましょう。