福祉のお仕事って何がある?やりがいのある福祉関連の仕事や必要な資格まとめ
2023.07.31 介護事務
【医療事務のパイオニアソラスト監修】福祉の仕事というと介護福祉士や保育士、カウンセラーなどが思い浮かぶと思いますが、具体的にどんな職種があるかご存じですか?
福祉の仕事は、人を助け支えるやりがいのある仕事として知られていますが、人手不足の業界でもあり常に求人がでている仕事でもあります。
そのため、安定した仕事といえ、就職や転職を考えている人で人と関わる仕事や、人の役に立ちたいと思っている人におすすめしたい業種です。
この記事では、福祉関連の仕事や必要な資格について紹介していきます。
福祉のお仕事ってどんなイメージ?
「福祉」とは「公的扶助やサービスを通して、国民の安心や生活の安定を支えること」です。
福祉には、高齢者や障がい者が円滑に社会生活を営むことができるようにサービスを提供する「社会福祉」や、児童の健全育成や子育てを支援する「児童福祉」などがあります。
福祉の仕事にはさまざまな職種がありますが、すべて共通して「人を支える、手助けしてサポートする仕事」です。
福祉の仕事に従事するメリット・デメリット
福祉の仕事に従事することは、幸せについて考え、人の役に立つことです。
高齢者や子どもなどさまざまな人々と接し、幸せで自立した生活を送れるように支援することが求められます。
福祉の仕事に従事するメリットやデメリットについて詳しくみていきましょう。
【メリット①】仕事をしていてありがとうと直接感謝の気持ちが届く
直接言われる「ありがとう」の感謝の気持ち、これは何にも代え難いメリットです。
福祉の仕事をしていてよかったことについて同僚と話すと、必ずこのメリットがあがります。
【メリット②】人の助けになることでやりがいが感じられる
「人の助けになることでやりがいを感じられる」というメリットもあります。
福祉の仕事に就いた方はこのようにやりがいを感じています。
福祉は直接援助職であることから、高齢者や子ども、周りのご家族などと直接会話したり、対面でケアしたりすることの多い仕事です。
人の喜ぶ笑顔や、助かったという安心の声、ありがとうという感謝の気持ちを活力にして福祉の仕事を続けている人が多くいます。
【デメリット】人手不足が深刻なのでハードワークが課せられる可能性も
やりがいの感じられる福祉の仕事ですが、深刻な人手不足が問題視されています。
実際に業務内容が多岐に渡り、苦労する声も聞こえます。
そのため、自分が福祉の仕事についた時に「人手不足によりハードワークが課せられるのではないか?」という心配をされる方も多いのではないでしょうか。
そんな人手不足を解消するために、日本では海外から看護師や介護福祉士候補者を受け入れる動きが進んでいます。
それをEPAルートといいます。EPAとは経済連携協定のことで、国同士の経済活動の連携強化を目的とした協定です。インドネシアやフィリピン、ベトナムといった国が参加しています。
外国人と協力して働いていくことで、ハードワークを分散していけるようになるでしょう。
福祉の仕事に向いている人はどんな人?
福祉の仕事に向いている人は、ひたむきで、相手の喜びのためにコツコツと努力を積み重ねられる人です。
人の日常、長い人生に伴走することが多い仕事のため、すぐに結果が目に見えてわかる仕事ではありません。
とはいえ「助かった」「居てくれてよかった」「ありがとう」そんな優しい言葉をもらえることの多い仕事です。
人のために頑張れる人に向いています。
責任感がありサポートをするのが好きな人
人と深く関わる仕事なので責任感があり、サポートをするのが好きな人におすすめです。
仕事とはいえ、事務処理的な業務は少なく、人の気持ちを汲んで支えることをメインとした仕事です。
人の役に立つことで喜びを感じるタイプの方には、ぜひおすすめしたいです!
相手の気持ちを考え気配りができる人
人によって必要としている支援や、優先順位は異なります。
提案するサービスや、支援内容をあらかじめこちらで準備していたとしても、押し付けない・傾聴することが大切です。
飲み会で空きそうなグラスにすぐに気づけるタイプや、人の話をきくことが好き、人の喜ぶ姿が嬉しいと思える人におすすめの仕事です。
コミュニケーション能力が高い人
明るく元気で、コミュニケーション能力の高い人に向いているのが、福祉のお仕事です。
施設入居中の高齢者の方から「職員の〇〇さんは挨拶が元気よくて、こちらの気持ちも明るくなるの」「〇〇さんと話すといつも笑顔だから、元気をもらうんだ」「あの人は話をよく聞いてくれてね」と伺うことがあります。
コミュニケーション能力が高いと、支援を受ける側の満足度が高まります。
福祉関連の仕事は何がある?おすすめの職種と必要な資格を紹介
福祉関連の仕事
- ● 保育士
- ● 介護福祉士
- ● ケアマネージャー(介護支援専門員)
- ● ホームヘルパー(訪問介護員)
- ● 生活支援員
- ● 就労支援員
- ● 心理カウンセラー(臨床心理士)
- ● 社会福祉士
- ● 生活相談員
福祉には多くの職種があり、複数の福祉従事者が国民の生活を支えています。
おすすめの職種とそれぞれに必要な資格について、ご紹介します。
保育士
保育士の仕事は専門的な知識と技術を持って、保育に携わる仕事です。
◼️業務内容
・未就学児の保育
・保護者に対する保育に関する指導
・児童相談所や保健所、児童委員との連携
◼️必要な資格
保育士になるためには、国家資格が必要ですが、社会人でも資格取得を目指すことができます。資格取得の方法は2種類あります。
・指定保育士養成施設(2〜4年制の大学、短大、専門学校)を卒業
・保育士試験に合格(試験は年に2回実施)
◼️職場
・保育園や幼稚園
・ベビーシッター(保育場所は児童の自宅や子育て支援センター、園の送迎経路など)
保育士資格を持たずに、すぐに保育の仕事をしたい方には「保育補助」という仕事がおすすめです。
その名の通り「保育士の補助」をする仕事です。
担任を持たず、児童を見守ることや散歩同行、行事の準備やレクリエーションの制作物の作成などが主な業務です。
参考:ハローミライの保育士(厚生労働省)
介護福祉士
介護福祉士の仕事は、おもに高齢者の自宅や施設で高齢者の生活サポートをおこないます。
◼️業務内容
・生活介助
・身体介助
日常に必要な買い物、洗濯、掃除や食事の準備など、おもに家事サポートを行う業務を生活介助といいます。訪問介護といって、自宅に訪問しておこなうことの多い業務です。
身体介助とは、利用者の身体の状況に合わせて生活動作をサポートするイメージです。着替えや食事、入浴や排泄、ベッドから車椅子への移乗介助などの業務があります。介護施設でおこなうことの多い業務ですが、施設によって内容や職員の分担はさまざまです。
◼️必要な資格
「介護福祉士」という国家試験に合格することで、介護福祉士として働けます。
資格取得の受験要件は、4つのパターンがあります。
・養成施設(福祉系専門学校や大学卒業)ルート
・実務経験ルート
・福祉系高校ルート
・経済連携協定(EPA)ルート
また、業務の範囲は狭まるものの、無資格でも「介護職員」として介護現場で働くことができます。
・介護職員初任者研修
・介護福祉士実務者研修
などは誰でも受けることができる研修です。
初任者研修を受けていることで、一人で身体介助をおこなえます。
◼️職場
・利用者の自宅(訪問介護事務所に所属)
・社会福祉施設
・社会福祉法人 など
※ 介護福祉士資格取得について、詳しくはこちら「介護福祉士を目指す!資格の取り方や試験の詳細、合格率について徹底解説」をご覧ください。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
介護支援専門員はケアマネージャーと呼ばれていて、高齢者や障がい者本人やその家族を支えます。
◼️業務内容
・介護を必要としている利用者のケアプラン作成
・給付管理票の作成
・介護認定の申請サポート
・利用者やご家族からの相談・連絡対応
・利用者と介護施設などの関係機関との連携、調整業務
◼️必要な資格
ケアマネージャーとして働くためには、試験の合格と研修の修了が必要です。
介護支援専門員実務研修受講試験に合格したあとに、介護支援専門員実務研修を修了しなければなりません。試験の受験要件は介護福祉資格と5年以上の実務経験です。
◼️職場
・施設ケアマネ(介護施設の施設ケアマネージャー)
・居宅ケアマネ(居宅介護支援事業所で居宅のケアマネージャー)
・地域包括支援センター
・介護用品レンタルの会社
ケアマネージャーになる方法を、より詳しく知りたい方はこちら「ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?仕事内容や給料、必要な資格について」をチェックしてください。
ホームヘルパー(訪問介護員)
ホームヘルパーは、介護を必要とされている高齢者の自宅に訪問し、生活を援助するために訪問介護をおこないます。
◼️業務内容
・入浴介助
・排泄介助
・掃除
・洗濯
・買い物
・食事の準備 など
◼️必要な資格
資格は必要ありません。とはいえ、1人で利用者宅を訪れて介護することが多いため、介護の知識やスキルは必要です。身体介護の準備として、介護職員初任者研修を受けるよう勧める職場がほとんどです。
◼️職場
・介護は利用者の自宅
・事務業務は所属の訪問介護事業所
あわせて読みたい記事:訪問介護とは?サービスの内容や利用方法、働く場合の資格について
生活支援員
高齢者や障がいがある方の生活をサポートすることが、生活支援員の仕事です。
◼️業務内容
・食事、入浴、排泄などのサポート
・生活習慣が身に付くような支援
・生活に関する相談
・事務作業のサポート など
◼️必要な資格
必須の資格はありません。しかし持っていると採用されやすい資格はこちらの3点です。
・介護福祉士
・社会福祉士
・精神保健福祉士
◼️職場
・就労継続支援事業所
・就労移行支援事業所
・老人ホーム
・グループホーム など
就労支援員
就労支援員は、障がいなどにより「就職したいけれど、なかなか職場が見つからない方」の就職を支援する仕事です。
◼️業務内容
・利用者が仕事に求める条件、適性の確認
・利用者の職場探し(職場見学の依頼などの支援を含む)
・就労に役立つスキル獲得のためのサポート
・ハローワークや実習先との連携
・入職支援
・入職後の定着支援(長期的に働けるようサポート)
◼️必要な資格
必須の資格はありませんが、役立つ資格はいくつかあります。
・社会福祉士
・児童指導員任用資格
・社会福祉主事任用資格 など
◼️職場
・就労支援事業所
・障がい者福祉施設
・福祉事業所
・児童福祉施設 など
心理カウンセラー(臨床心理士)
臨床心理士とは、臨床心理学に基づき、カウンセリングを通して心の問題に向き合う専門家です。
心理カウンセラーや産業カウンセラー、スクールカウンセラー、心理相談員など呼び名は勤務先によってさまざまです。
◼️業務内容
日本臨床心理士資格認定協会によると、臨床心理士の専門業務は4つと言われています。
・心理アセスメント(臨床心理査定)
・臨床心理面接
・臨床心理的地域活動
・調査・研究活動
心理テストや行動観察などを通して、課題や援助方法を考えます。
その後、心理療法を用いて相談者の問題の克服や苦痛軽減を目指していく仕事です。
災害や事件・事故の被害者に対する心のケアや、研究活動として事例の内容を検証していくことも大切な業務です。
◼️必要な資格
臨床心理士資格が必要です。受験要件としては、指定大学院または専門職大学院の修了が必要になります。
◼️職場
・病院、保健所
・児童相談所、児童福祉施設
・障がい者の通所・入所施設
・高齢者施設
・女性支援機関(DV被害者などが対象)
・幼稚園や小中学校、高校
・企業
・家庭裁判所、少年院 など
求人情報を見ると非常勤の募集が多く、複数の職場を掛け持ちして勤務されている方が多い印象です。
社会福祉士
社会福祉士はソーシャルワーカーと呼ばれています。メインの仕事内容は相談業務や支援サービスです。身体的・精神的な障がいがあり、生活に支障がある方をサポートします。
◼️業務内容
・相談援助業務(生活、介護、医療関係、生活保護、児童福祉などについて)
・支援サービスの紹介、手続き
・関連機関との連携 など
◼️必要な資格
国家資格である「社会福祉士」の資格が必要です。
相談援助実務4年、一般養成施設に1年通うことで、受験資格を得られます。
ほかにも、受験要件は図のように12パターン用意されています。
◼️職場
・社会福祉協議会
・介護施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設など)
・医療機関(病院、クリニックなど)
・地域包括支援センター
・福祉関係(児童相談所、児童自立支援施設、母子生活支援施設、福祉事務所など)
・障がい者施設 など
介護施設で働く場合は、介護業務をおこなうこともあります。
生活相談員
生活相談員は介護施設と利用者との、かけ橋になる仕事です。
◼️業務内容
・介護施設への入退所手続き
・利用者やご家族からの相談対応
・施設や地域との連絡、調整業務
・介護職員、ケアマネージャーのサポート など
◼️必要な資格
都道府県によって、生活相談員になる要件は異なります。
社会福祉士などの資格を求められることもあるため、自治体のホームページなどを確認しましょう。
◼️職場
デイサービス、ショートステイ、老人ホームなどの介護施設
施設ごとにメインの業務内容は異なります。
入職前に入居者の介護度や施設の介護方針などを確認することで、ご自身に合った職場を見つけられるでしょう。
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「介護事務管理士」は、1965年、日本で初めて医療事務の資格試験を始めた技能認定振興協会(JSMA)による認定資格です。
ここで説明した福祉のお仕事の他に、福祉の仕事を支える大切な役割として介護事務管理士があります。
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まとめ:社会に貢献でき人を助ける福祉の仕事はやりがいを感じて働ける
福祉の仕事は目の前の人を助けるだけでなく、社会に貢献できるお仕事です。
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