調剤薬局事務・薬剤師・登録販売者の違いとは?

2022.02.20 調剤薬局事務

薬局やドラッグストアなどで活躍している職業には、調剤薬局事務、薬剤師、登録販売者といったものがあります。一見してはっきりと違いは分かりませんが、それぞれ仕事内容や資格取得の難易度などに違いがあります。この記事では、調剤薬局事務・薬剤師・登録販売者の違いについて解説します。

調剤薬局事務とは?

調剤薬局事務は、その名の通り保険薬局での事務の仕事を行う人のことをいいます。未経験者でも働くことができ、必ずしも資格を必要としません。主な仕事内容として、以下のものが挙げられます。

患者さんの応対

保険薬局の受付に在中して、来局した患者さんの応対をします。患者さんから処方箋や保険証、お薬手帳などを受け取ったり、患者さんへ問診票の記入をお願いしたりすることが具体的な仕事内容です。また、保険証の情報や処方箋の有効期限 のチェック、患者情報入力も行うので、見落としがないよう注意しなければなりません。
保険薬局にかかってくる電話の応対も調剤薬局事務の仕事です。病院やクリニックなどの医療機関の医療事務と同じように、調剤薬局事務は薬局の顔です。そのため、明るく丁寧な対応が求められます。

レセプト作成・点検

レセプト(調剤報酬明細書)を作成するため、処方箋の内容や必要事項を、レセコン(レセプトコンピューター)に入力します。レセプト業務は、医療事務の仕事というイメージがあるかもしれませんが、調剤薬局事務にとっても重要な仕事内容です。レセプトは毎月10日までに提出しなければならないため、作成・点検する月末月初時期は忙しくなる可能性もあります。

会計業務

患者さんの薬代の負担額を計算し、請求を行います。薬代はレセコンへの入力作業時に自動的に計算されるため、会計業務はそこまで難しいものではないでしょう。

薬剤師のサポート

薬剤師のように直接調剤を行うことはできませんが、補助的な仕事を任されることはあるでしょう。医薬品の棚入れや一包化された薬剤の数量チェック、ピッキング作業などが具体的な仕事内容です。  

薬剤師とは?

薬剤師は、医薬品全般において幅広い知識を有している薬の専門家です。薬剤師の資格は国家資格であり、大学の薬学部にて6年制薬学課程を修了することで受験資格を得ることができます。薬剤師の仕事内容はさまざまですが、保険薬局における主な仕事内容には以下のものが挙げられます。

調剤

医師の処方箋に従って、薬を調合することを調剤といいます。医師が指示した処方がその患者さんの症状に適しているものか、ほかの薬との飲み合わせはどうかなどの確認も行います。

服薬指導

服薬指導とは、患者さんに薬を出す際に薬の効能や飲み方、注意点などを説明することです。患者さんが不安に思っていることや疑問点などを聞き出すことも必要であるため、コミュニケーション能力も大切です。

薬歴の管理

患者さんが服用した薬の記録をお薬手帳から照合して、副作用はないか、適切な薬が処方されているかなどを判断します。患者さん一人ひとりの調剤録が保管されているので、その管理も必要となります。  

登録販売者とは?

登録販売者はドラッグストアや薬局にて、風邪薬や鎮痛剤など一般用医薬品(※1)を販売することのできる資格を有した人をいいます。登録販売者は2009年の改正薬事法によって誕生した資格で、薬剤師が不在でも一般用医薬品の販売が可能です。登録販売者は、年に1回実施される試験に合格することで資格を取得できます。実務経験は必要なく、必須科目などもないため、誰でも受験することができます。登録販売者の主な仕事内容について見ていきましょう。

(※1)一般用医薬品とは
医師による処方箋がなくても、購入することのできる医薬品のこと

医薬品の販売・接客

登録販売者の仕事内容は、医薬品の販売がメインです。接客や薬の相談といった応対をすることもあるため、購入者の目線に立って適切な医薬品を提案することが求められます。ただし医薬品の販売といっても、登録販売者が扱えるのは一般用医薬品のうち、「第二類医薬品」と「第三類医薬品」(※2)に分類されているもののみとなっています。

(※2)医薬品の区分
・第一類医薬品
一般用医薬品としての使用経験が少なく、副作用などで安全性上、特に注意を要する成分を含むもの。薬剤師は販売可能だが、登録販売者は販売できない。
・第二類医薬品
副作用などで安全性上、注意を要するもので、まれに入院相当以上の健康被害が生じる可能性がある成分を含むもの。薬剤師、登録販売者ともに販売可能。
・第三類医薬品
日常生活に支障があるほどではないが、身体に不調が表れる恐れのあるもの。薬剤師、登録販売者ともに販売可能。  

医療事務と調剤薬局事務の違いは?

医療事務と調剤薬局事務は、両者とも医療における事務作業が主な仕事内容であり、共通する点も多くあります。
医療事務が活躍する場所は、主に病院やクリニックが挙げられ、調剤薬局事務の場合は主に保険調剤薬局やドラッグストアなどが挙げられます。
両者ともに、受付や会計、レセプト業務、患者応対などを行いますが、調剤薬局事務の場合は医薬品の発注や検品を行うこともあり、薬に関する知識が求められる場合もあります。

医療事務、調剤薬局事務ともに未経験者や無資格者でも働くことができます。しかし、どちらも資格があったほうが、就職や転職には有利になる可能性があります。

調剤薬局事務として働くためのおすすめの資格

調剤薬局事務に関連する資格は、民間資格としていくつか種類がありますが、取得方法や難易度は資格試験によって異なります。ここからは、調剤薬局事務として働くためのおすすめの資格について紹介します。

調剤事務管理士®

調剤事務管理士®は、技能認定振興協会(JSMA)が主催している資格試験です。受付業務・処方箋の取り扱い・調剤録管理業務・会計・レセプトのスキルを証明するものです。受験資格は特にないため、誰でも受験することができます。試験は学科と実技があり、学科は法規、調剤報酬の請求事務、薬の基本的な知識について出題され、選択式の問題となっています。実技ではレセプトの点検と作成に関する問題が出題されます。

調剤事務実務士®

調剤事務実務士®は、特定非営利活動法人医療福祉情報実務能力協会が主催している資格試験です。調剤報酬請求事務に求められる一定の能力を有することが証明されます。受験資格は特に指定はありませんが、教育指定校及び団体受験が必須となっています。
試験内容は学科と実技があり、学科は薬学、医療保険制度、点数算定、接遇マナーの知識などが問われます。実技は処方箋からレセプトを作成する問題が出題されます。

医療保険調剤報酬事務士

医療保険調剤報酬事務士は、医療保険学院が主催している資格試験です。①調剤報酬の理解②医療保険制度や医薬品についての知識③レセプトの知識を証明する資格です。受験資格は、医療保険学院が行う調剤報酬事務教育講座を受講し、中間テストに合格した人が対象となります。試験は学科と実技があり、学科は医療保険制度と保険請求業務に関する内容、実技はレセプト業務となっています。

調剤報酬請求事務専門士

調剤報酬請求事務専門士は、一般社団法人専門士検定協会が主催している資格試験です。調剤報酬改定等に対応した的確な算定と患者説明のスキルを証明する資格です。1級から3級までの階級に分けられており、いずれも受験資格は設定されていないため、誰でも受験することができます。試験内容は、全級共通科目として学科(選択式30問)と実技問題(選択式で処方箋からレセプトの設問箇所点数を求める)が出題されます。3級は全級共通科目のみですが、2級と1級は全級共通科目に加えて追加問題が出題されます。2級の追加問題は学科の応用20問、1級の追加問題は学科の応用20問と実技(手書きのレセプト問題)です。

まとめ

調剤薬局事務、薬剤師、登録販売者の違いについて解説しました。それぞれ仕事内容や資格取得の難易度に違いがありますが、いずれも薬に携わる専門職です。なかでも調剤薬局事務は、必ずしも資格を必要とはせず誰でも働くことのできる職種です。これから医療業界で働いてみようと考えている方は、調剤薬局事務に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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