登録販売者とは?仕事内容や資格取得方法、調剤薬局事務との違いなどを徹底解説

登録販売者とは?仕事内容や資格取得方法、調剤薬局事務との違いなどを徹底解説

2023.05.22 調剤薬局事務

【医療事務のパイオニアソラスト監修】登録販売者とは、薬局やドラッグストアなどで一般​医薬品の販売や、薬の使い方のアドバイスができる医薬品の専門家です。職場によっては、登録販売者の資格を持ちながら調剤薬局事務の仕事を兼務している人もいますし、キャリアアップのために両方の資格取得を目指す人もいます。

この記事では、登録販売者になるために必要な資格や、登録販売者の仕事内容・給料、調剤薬局事務や薬剤師との違いもあわせて解説していきます。
これから登録販売者や調剤薬局事務を目指す方、転職を検討している方は必見です。

薬剤師とは異なる薬の専門家として活躍しましょう!

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登録販売者とは?

登録販売者とは?

登録販売者とは、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどで一般用医薬品(第2類、第3類のかぜ薬や整腸剤など)を販売することができる薬のエキスパートです。

2009年の改正薬事法により、国が認めたこの公的な専門資格を持つことで、登録販売者として働くことができるようになりました。

どんな薬を選んだらいいかお困りのお客様のために、薬の成分や効能・副作用などについて正しくお伝えする重要な役割を担っています。

登録販売者と薬剤師の違い

登録販売者と薬剤師の違い

薬を扱う仕事として「薬剤師」がありますが、登録販売者と薬剤師は、主に取り扱う薬の種類に違いがあります。

登録販売者は一般用医薬品の第2類と第3類の医薬品のみを販売できるのに対して、薬剤師は第1類(安全性上特に注意を要する成分を含むもの)の販売ができます。

また薬剤師は医療用医薬品の調剤を行うことができます。

このように扱う薬の制限はありますが、一般用医薬品の第2類と第3類医薬品が占める割合は全体の9割以上であり、登録販売者で十分に対応できるので、薬剤師不足が叫ばれる中、そのニーズは高まってきています。

登録販売者と調剤薬局事務の違い

調剤薬局事務の主な仕事内容は、医療事務と同じく窓口業務や処方箋から調剤報酬を計算する会計業務やレセプト業務です。
調剤薬局事務の資格では、残念ながらお客様に薬の説明などをすることはできません。

そのため、調剤薬局事務の仕事をしながら、登録販売者の資格を持っている人も多く、両方の資格を持っておくと、キャリアアップや就職の機会に恵まれるでしょう。

調剤薬局事務についてもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみてください!

あわせて読みたい記事:調剤薬局事務ってどんな仕事?必要な資格や仕事内容を徹底解説

登録販売者の仕事内容・一日の流れ

登録販売者の仕事内容・一日の流れ

登録販売者の就業時間は基本的に勤め先の営業時間によって異なります。

ドラッグストアやコンビニエンスストアであれば夜間まであいているところが多いので朝番や遅番といったシフト制になることもあるでしょう。

お客様の薬の相談の他に、レジや品出し、在庫発注などの業務も発生します。

かぜや花粉のシーズンに季節商品のブースをつくるなど、薬の知識をいかした売り場づくりも仕事の一つです。

一般用医薬品(第2類・第3類)の販売

登録販売者が取り扱える薬の種類は一般用医薬品第2類と第3類です。

一般的なかぜ薬や解熱鎮痛剤、ビタミン剤など9割以上の一般用医薬品を販売することができます。

お薬のアドバイスを行う接客

たくさん医薬品の種類がある中で、購入に迷っていたり、専門用語が並ぶ難しい説明書きに困っているお客様の疑問に答えたり、お薬を選ぶアドバイスを行います。

お客様に感謝されることもあり、登録販売者の一番のやりがいになる部分です。

レジ打ちや品出しなど基本的な店舗業務

接客以外にも、レジ打ちや足りなくなった商品の補充、期限切れの商品がないか点検するなど、基本的な店舗業務も行います。

登録販売者の給料事情(年収・月給・時給)

登録販売者の給料
参考:求人ボックス 給料ナビ

大手求人サイトによると、登録販売者の平均年収は317万円となっており、月給で26万円、初任給は21万円程度が相場のようです。
登録販売者の資格を持っていることで、時給が上がり別途資格手当がつく場合もあります。

働く場所によっても給料の差があるため、事前に求人募集要項を確認しておきましょう。

登録販売者の職場

調剤薬局・ドラッグストア・スーパー・コンビニエンスストアなどの店舗や、製薬会社の営業など薬の知識をいかせる場所に就職できます。

登録販売者が働ける職場は、自宅の周りにもたくさんあるでしょう。幅広い職場があるので、選択肢が広がります。

登録販売者になるには?手順を4ステップで解説

登録販売者になるための手順4ステップ

登録販売者になるための手順を4ステップで解説します。

ステップ1:登録販売者試験を受験する

登録販売者になるためには、登録販売者試験を受験し合格する必要があります。

この試験は都道府県別に年1回以上実施されていて、試験日や受験料はそれぞれ異なりますが、厚生労働省が定める出題範囲(※)、出題数(120問)は全国共通です。
(※)厚生労働省が定める「試験問題の作成に関する手引き」を基本とします。

実務経験や年齢などの受験資格はないため、どなたでも受験が可能です。

詳しくは『○○(都道府県名)登録販売者試験』と検索してみると各都道府県の公式案内ページが表示されます。合格率や過去問が掲載されているのでチェックしてみてください。

ステップ2:合格したら販売従事登録をする

登録販売者試験に合格しただけでは、登録販売者として仕事をすることができません。
合格後は、勤め先がある都道府県へ『販売従事登録』を行う必要があります。
提出の際には、販売従事登録申請書、登録販売者の合格通知書、戸籍謄本等、登録手数料が必要です。
登録手数料の金額は約7000円〜10000円と、都道府県によって異なりますので金額は事前にチェックしてください。

また、今まで提出していた医師の診断書(精神の機能の障がいに関するもの)は、令和3年8月1日から必須ではなくなりました。該当者のみ診断書を提出することになります。

ステップ3:実務従事証明書を申請する

販売従事登録後は店頭で働くことができますが、一人で売り場に立つことはできません。
通算2年以上の実務経験をした上で、そのことを証明する『実務従事証明書』を申請することが必要です。
その2年間は研修として要件を満たす他の薬剤師や登録販売者の資格を持つ人と一緒に働きます。

同じ店舗で月80時間以上、2年以上働いた後に、実務従事証明書の申請が可能です。
販売従事登録と同様に都道府県に申請をします。

ステップ4:登録販売者としてひとり立ち!

『実務従事証明書』を発行してもらうと晴れて一人前の登録販売者として活躍することができます。
登録販売者は、薬剤師に続く医薬品販売の専門家として、多様なニーズを持つお客様に適切なアドバイスを提供する重要なポジションです。

お客様からの信頼が得られることでやりがいを感じると共に、年齢や場所を気にせずに働くことができます。

登録販売者になるメリット

登録販売者になるメリット

ここからは登録販売者になるメリットについて解説します。

全国どこでも柔軟に働ける

登録販売者は、これまでに紹介した通り、薬局・ドラッグストア・コンビニエンスストア・スーパーなどさまざまな場所で働くことができます。
その店舗数はかなり多いため、自分に合った場所で仕事を見つけやすいでしょう。

一度取得すれば一生ものの資格ですので、転職・引っ越し・子育てからの復帰などでも活かせる資格です。

国の資格で就職に有利

登録販売者は国家資格ではありませんが、国が認めた公的な資格(※)です。

登録販売者の資格を取らないと、登録時販売者として働くことはできません。
資格を取ることで、自信を持ってアピールすれば就職の際も有利になるでしょう。

(※)国の資格制度一覧|総務省

キャリアアップができる

資格を持っていることで5000円〜10000円の資格手当をもらえたり、昇給できたりすることもあります。

また、実務従事証明書を手に入れ、更に経験を積むことができれば、店長になり、店長からエリアマネージャーになったり、自分で独立して薬を取り扱う店を開業したりできます。

さまざまなチャンスができて、キャリアアップすることが可能です。

家族の健康を守る知識がつく

登録販売者の試験に合格するためには、医薬品の基礎知識から、人体の働きと医薬品などさまざまな医学に関する知識を学ぶ必要があります。

仕事のために勉強するのはもちろんですが、そこで得た知識は自分の家族の健康を守るものにもなるでしょう。

まとめ:将来性のある登録販売者!薬の専門家として活躍しよう

まとめ:将来性のある登録販売者!薬の専門家として活躍しよう

高齢化が進み、セルフメディケーション税制などが導入されて新しい社会に変化してしていく中で、登録販売者は将来より一層求められる人材です。
多忙な薬剤師に代わって、登録販売者が市販薬の接客を担当してサポートできますし、調剤薬局事務の資格を取得しておくことで採用に有利に働くこともあります。

悩みや疑問に医薬品の確実な情報をお伝えし、お客様に感謝されるような薬の専門家として活躍しましょう!

販売登録者とあわせて、調剤薬局事務資格の同時取得がおすすめです!