調剤薬局事務になるには?資格の種類や独学での取得方法について解説

2022.11.15 調剤薬局事務

医療系の仕事の一つに、調剤薬局事務という職種があります。保険薬局で事務的な役割を果たすのが調剤薬局事務の主な仕事ですが、どのようにしたらなることができるのでしょうか。
こちらの記事では調剤薬局事務の仕事内容、資格の種類や独学での取得方法などについてお伝えします。

調剤薬局事務ってどんな仕事?

まず、調剤を行う薬局のことを「調剤薬局」と呼んでいることが多くありますが、調剤薬局の法律上の正式名称は「保険薬局」です。医師から処方された薬を薬剤師が調剤し、その薬と適切な服薬方法に関する情報を提供する場所であり、病院やクリニックの近くに併設されていることが多い医療施設です。

調剤薬局事務は、その名の通り保険薬局で事務的な仕事をする人のことをいいます。実際には事務仕事だけではなく、受付や会計、患者さん対応など幅広い仕事を担います。

一見、医療事務や薬剤師と区別がつきにくいかもしれません。共通する点も多いですが、医療事務は病院やクリニックなどの医療機関が主な職場であるのに対し、調剤薬局事務の職場は薬局です。また、薬剤師は薬の調合ができますが、調剤薬局事務は調合をすることはできません。

調剤薬局事務の仕事内容について

調剤薬局事務はどのような仕事を行うのか、具体的にみていきましょう。

窓口での受付

薬の処方を受けた患者さんが来局した際の受付対応を行います。患者さんから処方箋、保険証、お薬手帳などを預かり、薬を提供するための準備が主な目的です。
初めて来局された患者さんの場合は、問診票や基本情報の記入を促し、これまでの病歴や既往アレルギーの有無などを確認します。また、受付では患者さんや医療機関からの電話相談などが来ることもありますが、その応対も調剤薬局事務の仕事です。

レセコン入力

レセプト(調剤報酬明細書)作成をするためにレセコン(レセプトコンピューター)に患者情報や処方内容の入力を行います。氏名や生年月日はもちろん、薬の種類や分量など誤入力がないよう正確に作業をしなければなりません。手入力ではなく、バーコードやQRコードを読み込むだけで済むものが増えてきていますが、最終チェックは必ず行います。

会計

薬剤師によって調合された薬を患者さんに渡し、会計を行います。計算はパソコンで自動に行われることが多いため、比較的スムーズにできますが、現金の受け渡しにミスがないよう、細心の注意を払わなければなりません。また、明細書の渡し忘れにも要注意です。最近ではカード払いが可能な保険薬局も増えているため、カードリーダーの操作なども求められます。

レセプト業務

調剤薬局事務は、医療事務のようにレセプト業務も行います。患者さんは保険証を提示することで、薬にかかる費用の1~3割だけの支払いで済むようになっており、残りは、国民健康保険や社会保険などの保険者が負担して後から支払われるシステムとなっています。その費用を受けるための業務がレセプト業務で、保険薬局が報酬を得るために欠かせない仕事です。
毎月、月末から月初にかけて患者さん一人ひとりの1ヶ月分の調剤報酬明細書作成、点検、請求作業を行うため、レセプト時期は多少忙しくなるでしょう。

薬剤師の補助

薬の調剤や服薬指導は薬剤師しか行えませんが、補助的な仕事を任されることはあります。薬剤師の指導のもと、薬の分量を揃えたり、薬の数を数えたりすることが主なので、薬に関する簡単な知識が求められることもあるでしょう。

医薬品の発注

在庫が少なくなってきた医薬品を発注し、補充するのも調剤薬局事務の仕事です。患者さんに渡す際に在庫切れとならないように、こまめにチェックをしておく必要があります。
また、納品後は発注した内容と合っているか、数に相違はないかなどを点検し、薬剤師にも確認を取ります。忙しい時期や在庫状況によっては、頻回に発注作業を行うこともあります。

>調剤薬局事務・薬剤師・登録販売者の違いとは?

調剤薬局事務に向いている人

調剤薬局事務は医療系の仕事であるため、ある程度求められる能力もあるでしょう。調剤薬局事務に向いているのはどのような人なのか、具体的にみていきましょう。

接客が好きな人

調剤薬局事務は、薬の処方を受けた患者さんやそのご家族と直接関わります。受付で問診をしたり、悩みの相談を受けたりするため、接客スキルが必要です。
また来局する人の年齢は、子どもから高齢者まで幅広く、さまざまな人の対応をしなければなりません。なかには具合が悪かったり、待ち時間が長くイライラしていたりする方もいるかもしれません。
そのため、単純な接客スキルだけではなく、医療的な接客スキルも求められます。さまざまな人に対し、相手のことを考え、思いやりを持って接することのできる人が調剤薬局事務に向いているといえるでしょう。

几帳面で正確な仕事ができる人

調剤薬局事務には、医療点数や薬の入力、会計業務などの正確な作業が求められます。
そのため、丁寧に仕事に向き合える几帳面な人のほうが、調剤薬局事務に向いているといえます。また、患者さんを長く待たせないように、正確かつスピーディーに対応する能力も必要とされるでしょう。そのため、大雑把でマイペースな人は、苦戦することがあるかもしれません。

コミュニケーション能力が高い人

保険薬局では、患者さんだけではなく、薬剤師や近隣病院とも連携を取って仕事をしなければなりません。そのため、他者と円滑なコミュニケーションを取れる人のほうが調剤薬局事務に向いているといえます。
保険薬局は患者さんの健康を大きく左右する薬を扱う場所です。もし、連携不足でミスが生じれば、大きな問題になってしまうことも考えられます。そのため、患者さんだけでなく、薬局内スタッフとのコミュニケーションも重要です。

調剤薬局事務になるメリット

ライフスタイルに合わせて働ける

保険薬局は、全国各地に存在しており、環境が変わっても仕事を見つけやすいのが特徴です。また、調剤薬局事務は正社員だけではなく、派遣社員、パートとしての求人募集もあります。子育てや家事などで忙しい人でも、時間に無理なく働くことが可能です。また、必ずしも資格を必要としないので、誰でも挑戦しやすいのがメリットに挙げられるでしょう。

薬に関する専門知識が得られる

調剤薬局事務の仕事は、薬剤師のサポートをしたり、医薬品を発注したりします。最初は覚えるのが大変かもしれませんが、薬に関する専門知識が自然と身につくため、仕事だけではなく、自分の生活に役立てることができるでしょう。

復職しやすい

調剤薬局事務は、専門知識が求められる仕事です。そのため、一度出産や子育てなどで仕事から離れたとしても、働いていた経験があれば復職しやすい傾向があります。特に調剤薬局事務に関する資格を持っていれば再就職する際に優遇されることも多く、子育てが落ち着いた方にとっても働きやすい仕事であるといえるでしょう。

安定している

保険薬局のような医療業界は、ほかのサービス業と比べて景気や季節などの影響を受けにくく、仕事が安定しているのが特徴です。さらに日本では高齢化が進んでいることから、薬を必要とする患者さんは増加していくことが予想されています。そのため、調剤薬局事務は長期的に働きやすい仕事であるといえるでしょう。

>【もっと詳しく】調剤薬局事務とは?仕事内容や向いている人の特徴などについて解説

調剤薬局事務の仕事をするには資格が必要?

調剤薬局事務として働くために、特別な資格は必ずしも必要ではありません。未経験、無資格でも調剤薬局事務として仕事を始める人はたくさんいます。
しかし、調剤薬局事務に関する資格を持っていれば、自信を持って仕事ができるのはもちろん、就職や転職の際にも有利です。職場によっては、資格取得者は優遇され、給料アップにつながることもあります。事前に資格取得してから職場を探す人もいますが、就職をして実際に働きながら資格取得を目指すというのも悪くないでしょう。

独学でも調剤薬局事務の資格は取得可能?

結論からいうと、調剤薬局事務の資格は独学でも取得可能です。調剤薬局事務は医療系の資格なので、学校に通わないと取得できないようなイメージがあるかもしれませんが、勉強方法次第では独学でも取得可能です。
ただし、注意が必要なのは、調剤薬局事務には独学で取得できる資格と取得できない資格があることです。後述しますが、調剤薬局事務に関連する資格はいくつか種類があり、自分が取得したい資格が通学を必須条件としていれば、独学での取得は不可能です。また実務経験を求められる資格もあり、その場合も独学だけでは取得できません。
独学で調剤薬局事務の資格取得を目指す場合は、どの資格を取得するか、どのように勉強を進めていくかを事前に調べておくことが重要です。
独学以外の資格取得方法としては通学と通信講座という選択肢があります。

通学

通学は調剤薬局事務の資格講座を開催しているスクールなどに通って取得を目指す方法です。指定された期間内に授業が組まれており、講師の直接指導のもと、学びを進めていきます。
わからない点や不安な点は、授業で講師に直接聞くことができるため、独学が苦手な人にとっては大きなメリットになるでしょう。しかし、通学の場合は時間と場所が定められているので、自分の予定を合わせる必要があります。また、独学と比べると費用が高い点も考慮する必要があるでしょう。

通信講座

通信講座は、自宅でインターネットや送られてきたテキストなどを用いて資格取得を目指す方法です。自分の好きな時間を使って効率よく勉強を進めていくことができるのが通信講座のメリットです。勉強を進めていくなかで生じた疑問点に関しては、メールなどで質問をすることも可能です。
また、通学と比べると費用がおさえられるため、多くの人が利用している資格取得方法です。
しかし、通信講座の場合は自分で上手く時間を調整して進めていかなければなりません。勉強が進むスピードも自分次第になるため、ある程度の自己管理能力が求められます。

独学で調剤薬局事務の資格を取得するメリット・デメリット

調剤薬局事務の資格は独学でも取得可能なものがあります。通学、通信講座の特徴について前述しましたが、独学にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

メリット

コストをおさえられる
独学の一番のメリットは、コストをおさえられるということでしょう。勉強に必要なものは参考書やテキストのみなので、その分の費用しかかかりません。種類にもよりますが、通学や通信講座では数万円~数十万円の費用がかかってしまうこともあるため、独学に比べるとかなりの出費になります。あまりお金をかけたくない人にとっては、独学が最も向いているといえるでしょう。

隙間時間を使って学習できる
独学は、隙間時間を使って自分のペースで学習を進めることが可能です。通勤時間、早朝、家事を終えた後など、空いている時間を有効に使えるので、時間の制約を受けません。一方、通学では決められた時間に、指定された場所へ移動しなければならないため、スケジュールを調整しなければなりません。家事や仕事などで忙しい人にとっても独学は有効な勉強方法になるでしょう。

気軽に挑戦できる
独学はコストもかからず、申し込み手続きもないため、気軽に挑戦できることもメリットです。
通学や通信講座では、金額も高く、事前準備も必要になるため、少々ハードルが高く感じる人が多いかもしれません。一方、独学は最低限の費用と時間があれば十分なので、気軽に挑戦することが可能なのです。

デメリット

疑問点を自分で解決しなければならない
独学は教えてくれる人がいないので、わからないことがあっても全て自分で解決しなければなりません。特に調剤薬局事務のように、医療や投薬は専門用語が多いため、初めは苦労する人も少なくないでしょう。その点、通学では講師に直接質問することができますし、通信講座ではメールなどで解決することが可能です。

モチベーションを保ちにくい
通学では、決められた時間に授業が組まれており、決められたスケジュールで学習をしなければなりません。また、ほかの受講者と一緒に学んで刺激を受けることが、モチベーションにもなるでしょう。
しかし、独学は自分一人でスケジュールを立て、継続して学んでいかなければなりません。学習するもしないも、自分の気分次第で変わってきます。気持ちが強い人なら問題ないですが、そうでない人はモチベーションを保つことが一番の課題になることもあるでしょう。

自分でテキストや参考書を選ばないといけない
調剤薬局事務に関するテキストや参考書はいくつもあります。そのため、初めて挑戦する場合、どれを選んだらよいのか迷う人も多いのではないでしょうか。通学や通信講座では、最新の情報に沿ったテキストや参考書が手元に届くため、自分で選ぶ必要はありません。

調剤薬局事務に関する資格の種類

調剤薬局事務に関する資格にはいくつか種類があります。主なものを紹介しますのでぜひ参考にしてください。

調剤事務管理士®

調剤事務管理士®は、技能認定振興協会(JSMA)が認定する民間資格です。取得することで、保険薬局における受付や会計、レセプトなどの業務をスムーズに行うスキルを有している証明になります。
受験資格は特に設けられてないため、誰でも受験することが可能です。
試験は、学科と実技から構成されています。学科試験はマークシート形式で10問となっており、法規(医療保険制度、調剤報酬の請求についての知識)、調剤報酬請求事務(調剤報酬点数の算定、調剤報酬明細書の作成、薬剤用語についての知識)について出題されます。 実技試験は、レセプトの作成が2問、マークシート形式で出題されます。

>調剤事務管理士®について(技能認定振興協会公式サイト)

調剤薬局事務検定試験

調剤薬局事務検定試験は、日本医療事務協会が認定する民間資格です。取得することで、保険薬局における請求事務業務の基本的な知識と技術を有していることの証明になります。

受験資格は
・日本医療事務協会が認定する団体の講座を受講した者
・受験申請をした高校、専門学校、短期大学、大学等
・受験申請をした一般受験申込者
となっています。

試験内容は、学科試験と実技試験から構成されています。学科試験では調剤報酬算定に関わる基礎知識、実技試験では調剤報酬の算定及び調剤報酬明細書作成から出題されます。

医療保険調剤報酬事務士

医療保険調剤報酬事務士は、医療保険学院が実施している民間資格です。取得することで調剤報酬の仕組みを十分に理解し、医療保険制度や医薬品に関する知識を持ち、正確に調剤報酬を算定・請求できるスキルを持っていることの証明になります。受験資格は、医療保険学院の調剤報酬事務教育講座で行われる中間テストに合格した人となっており、少々ハードルが高いかも知れません。

調剤情報実務能力認定試験

調剤情報実務能力認定試験は、特定非営利活動法人医療福祉情報実務能力協会が主催している民間資格です。資格を取得することで、調剤報酬請求業務の仕事で求められる一定の能力を有していることの証明になります。
受験資格は問われないため、誰でも受験をすることが可能です。
試験内容は、学科試験と明細書作成試験から構成されています。学科試験では、薬学の知識、医療保険制度、点数算定、接遇マナーが出題範囲で、計20問出題されます。明細書作成試験では、一般、後期、小児、在宅、特定疾患のいずれか3つの処方箋から調剤報酬明細書等を作成します。

>調剤薬局事務の4つの資格をソラストが解説

おすすめは技能認定振興協会(JSMA)の調剤事務管理士®技能試験

前述したように、調剤薬局事務の資格には多くの種類があり、どれを取得したらよいのか迷ってしまう人も多いでしょう。これから独学で調剤薬局事務の資格を目指す人におすすめなのが技能認定振興協会(JSMA)の「調剤事務管理士®技能認定試験」です。
調剤事務管理士®は、主に保険薬局において、受付や会計、レセプトなどの業務をスムーズに対応できるスキルを有している証明になります。
また、主催している技能認定振興協会(JSMA)は、日本で初めて医療事務の技能を認定した資格試験団体であり、医療や介護業界で抜群の認知度を誇っています。毎月開催されている在宅での受験が可能であり、仕事や家事で忙しい人にとっても比較的受験しやすいのも特徴です。

>調剤事務管理士®について(技能認定振興協会公式サイト)

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