医療事務に欠かせないレセプト業務とは?

2021.10.30 医療事務

医療事務の業務のなかでも、欠かすことのできないレセプト業務。医療事務の経験がない場合、知らない人も多いのではないでしょうか。レセプト業務とはどのような仕事なのか、なぜ重要なのか、レセプト業務のスキルアップにオススメの資格・試験について紹介します。

レセプトとは?

レセプトとは診療報酬明細書のことをいい、被保険者である患者が、医療機関で保険治療を受けた際にかかった費用の内訳を記入した明細書のことです。そのレセプトをまとめて、組合健保や協会けんぽ、市区町村の国民健康保険などの保険者に請求して、医療機関の収入源である診療報酬を得る作業を、レセプト業務といいます。つまり、医療機関が収入を得るためには欠かすことのできない重要な業務なのです

診療報酬の仕組み

日本では、国民皆保険制度と呼ばれる公的な医療保険制度が設けられています。医療施設で医療行為を受ける場合は通常、健康保険組合や共済組合、市町村などが発行した「保険証」を受付に提出します。診療後に窓口で患者さんが支払う金額は、実際の診療報酬の最大3割となっており、残りの7割は、患者さんが加入している保険者から受け取る仕組みとなっています。この残り7割の医療費を請求する仕事がレセプト業務であり、医療機関の収入に関わる非常に重要な業務なのです。  

レセプト業務の流れについて

レセプト業務の流れについてみていきましょう。

1.診察情報の入力

レセプトは「レセコン(レセプトコンピューター)」と呼ばれるコンピューターで作成します。レセコンには主に、診察内容の入力、保険点数の自動計算、記入データの点検などの機能が備わっており、診療ごとの治療や検査などの項目を入力すると、診療報酬点数が自動的に入力されます。
外来患者さんの場合は、診療を受けた日ごとに入力作業を行いますが、入院患者さんの場合は月に数回分けて入力するのが一般的なようです。

2.レセプトの作成(出力)

レセコンに入力された1ヶ月分の診療報酬を点検、確認をしてレセプトを作成します。必要な項目の入力をすれば、レセコンが自動的に診療報酬額を計算して、患者さん一人一人のレセプトを作成してくれます。大きな病院では膨大な数の患者さんを抱えていますが、自動的に作成してくれるので、それほど手間がかからずにレセプトを作成することができるでしょう。

3.作成されたレセプトの点検

レセプト業務の中でも、最も重要となるのがレセプトの点検作業です。レセコンが自動的に計算してくれるとはいっても、入力は人間による手作業であるため、入力ミスも考えられます。また、疾患名と診療行為、処方された薬との適合性など、レセコンでは判別できない部分も存在します。このように、レセコンに入力された内容がすべて正確であるとは限らないため、医療事務が自分の目で点検する必要があるのです。
レセプト業務の肝ともいえるこの点検作業を正確に行うためには、医療事務としての正しい知識と、ミスを発見する厳しい目が必要となるでしょう。

4.医師への確認作業の依頼

レセプトに記載されている疾患名と診療行為、処方された薬などに誤りがある場合は、医師に確認を依頼し、正しい情報に訂正してもらい修正を行います。また必要があれば、添付資料の作成なども医師に依頼します。
レセプトの記載内容に不備がある場合は、診療報酬の減額や返戻にも繋がるため、医師と連携を取って正確なレセプトを作成することが重要です。

5.審査支払機関へレセプトを提出する

レセプトの点検作業が済んだら、レセプトと診療報酬請求書を審査支払機関へ提出します。プリントアウトした紙媒体で提出する方法と、電子レセプトをデータで送付する方法があります。
提出されたレセプトは、審査支払機関にて綿密な確認作業が行われます。もし、レセプトの内容に誤りがあったり、不備があったりした場合は返戻され、再精査をして改めて提出をしなければなりません。

初心者でもレセプト業務は大丈夫?

これまで紹介してきた通り、レセプト業務は施設の収入に関わる重要な業務であるため、医療事務の経験が少ない人は、不安に思うことも多いのではないでしょうか。確かに、正確性が求められるため、全くの無知では業務をこなせません。ですが、未経験者には通常、就職先の上司や先輩が指導を行ってくれるので、経験を積んで慣れていけば、スムーズにレセプト業務をこなせるようになっていくでしょう。医療事務にとってレセプト業務は重要な仕事の一つなので、しっかりと学んで知識と経験を積み、なるべく早期に業務の内容・流れを覚えられるようにすることが大切です。

レセプト業務のスキルアップにオススメの資格・試験

レセプト業務の知識を身につけるためには、民間団体が認定する医療事務の資格を取得することもオススメです。医療事務の資格・試験の内容は、診療報酬請求の知識が中心となっているものがほとんどなので、取得をしておけばレセプト業務のスキルアップにもつながるでしょう。医療事務の資格・試験にはいろいろな種類がありますが、レセプト業務に活かすことのできる主な資格・試験を紹介していきます。 (2021年9月時点の情報です)

診療報酬請求事務能力認定試験

厚生労働省が認定して設立された団体である、公益財団法人日本医療保険事務協会主催の資格試験です。合格率が約30%と、医療事務の中でも最難関ともいわれる資格となっています。試験内容は学科20問、実技2問で出題され、年に2回試験が開催されます。この資格を取得することで、診療報酬請求事務に関する知識や技術が十分に備わっていることが証明できます。

医療事務管理士Ⓡ技能認定試験(医療事務管理士)

技能認定振興協会(JSMA)が運営する資格試験です。合格率は医科約60%程度、歯科約70%程度となっています。試験は年6回開催され、在宅試験やインターネット試験で受験できる点が特徴です。試験内容は学科10問、実技ではレセプト作成・点検問題が3問出題されます。取得することで、レセプトの点検能力や窓口業務など、医療事務全般の知識と技術が備わっていることが証明できます。

医療事務技能審査試験(メディカルクラークⓇ)

一般財団法人日本医療教育財団が運営している資格試験です。合格率は約70%近くで、医科の試験は毎月開催されているので、多くの人が受験する資格試験となっています。試験内容は学科25問、実技6問で出題され、実技には患者接遇やレセプト点検に関する内容が含まれています。取得することで、医療事務全般の知識や技術が備わっていることが証明でき、レセプト点検の基礎的なスキルを有していると認められます。

レセプト点検業務技能検定試験

日本医療事務協会が運営している資格試験であり、合格率は約80%前後となっています。試験の日程は問い合わせて確認する必要があるようです。試験内容は学科15問、レセプト点検の実技問題10題となっています。取得することでレセプト点検の実践的スキルを有していることの証明となります。

医事コンピューター技能検定試験

一般社団法人医療秘書教育全国協議会が運営する資格試験です。現在、準1級から3級まで級位があり、合格率は3級が約80%、2級が約70%、準1級が約72%となっています。試験内容は医療事務、コンピューター関連知識、実技の3つの領域から出題されます。年間の受験者が6,000名を超える資格で、レセコンを用いて実際にレセプトの作成を行います。この資格を取得することで、医療事務に関する一般的な知識と技術、ITスキルの両方が備わっていることの証明となります。

まとめ

医療事務の仕事で最も重要である、レセプト業務について主な内容と流れ、オススメの資格・試験について紹介してきました。レセプト業務を習得すると、医療事務としての仕事の幅を広げたり、就活に役立ったりと、多くのメリットを得られることが期待できます。医療事務として未経験の人も、ぜひチャレンジしてみてください。

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