メディカルアシスタント(MA)とは?気になる仕事内容や給与、役立つ資格を紹介
2023.08.31 医療事務
【医療事務のパイオニアソラスト監修】メディカルアシスタント(MA)とは医療従事者の一種で、医師や看護師などの医療専門家の業務を支援するために、事務的な補助業務をメインとする職種です。メディカルアシスタントの他に呼び名も多く、正式名称は医師事務作業補助者とされています。スムーズな医療サービスの提供を支援することで医療現場全体の質を向上させる役割もあり、特に大きな病院では欠かせない重要なポジション。
この記事ではメディカルアシスタントの主な仕事内容や気になる給与事情、メディカルアシスタントとして働く際に役立つ資格やスキルについて紹介していきます。
メディカルアシスタント(MA)とは
メディカルアシスタント(MA)は、「医師事務作業補助者」や「医療秘書」、「医療クラーク」とも呼ばれています。カルテ入力や診断書、紹介状作成など、医師の指示のもとで医師の事務作業を補助したり代わりに行ったりする職種のことです。
医師の負担軽減、効率化などが求められているなかで、メディカルアシスタントは患者ケアの質を向上させるために重要な役割を担っています。
医療事務とは何が違うの?
| メディカルアシスタント | 医療事務 |
---|
役割 | 医師の事務作業の補助・代行 | 医療機関全体の事務 |
勤務場所 | 診察室・ナースステーションなど | 受付窓口 |
メディカルアシスタントの役割は医師の事務作業のサポートです。
仕事中は医師とのやりとりが中心で、ナースステーションや診察室で勤務することが多いです。
それに対して医療事務の仕事は、主に窓口で患者さんとやりとりをしながら窓口業務やレセプト業務などを行います。
どちらも医療行為は行わないため、未経験・無資格で働くことができます。
とはいえ、専門知識は必要ですので医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)や医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク®)などの民間資格を取得している人が多いようです。
あわせて読みたい記事:医療事務とは?仕事内容や給料、メリット・デメリットについて徹底解説
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メディカルアシスタントの主な仕事内容
メディカルアシスタントの仕事は主に5つに分けられます。
医療記録(カルテ)入力の代行
医師と診察室に入り、診療内容や検査、処方などについて医師に代わって電子カルテの入力を行います。
学会・カンファレンス準備
学会やカンファレンスで使用する資料を作成します。
医療文書作成代行
医師の指示に従い、診断書・紹介状・各種保険の証明書などの医療文書作成を代行します。
行政への対応
行政が管轄する緊急医療情報システムや感染症についての情報をオンラインで共有する感染症サーベイランスシステムの入力を行います。
診療情報の管理・整理
患者さんのカルテやレントゲン・CT検査などの画像データ、血液検査の結果などを管理・整理することも業務です。
以下の記事の中でも業務内容について詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
あわせて読みたい記事:医師事務作業補助者とは?仕事内容や給料、おすすめの資格について解説
【注意】メディカルアシスタントにはしてはいけない仕事がある!
厚生労働省が定めた施設基準によって、禁止業務が以下のように定められて、それぞれ他の職種がその業務を担います。
原則として、メディカルアシスタントは医師以外から指示された業務を行うことはできません。
・受付・窓口業務
・診療報酬(レセプト)の請求業務
・運営や経営のためのデータ収集
・医療機関の運営
・看護業務の補助
・物品の運搬
参考:厚生労働省 医師事務作業補助体制加算について
メディカルアシスタントの平均給与
| 平均時給 | 平均月収 | 平均年収 |
メディカルアシスタント(医師事務作業補助者) | ¥1,074 | ¥217,142 | ¥3,066,901 |
医療事務 | ¥1,226 | ¥181,858 | ¥2,568,560 |
出典:indeed(医師事務作業補助者)、indeed(医療事務)2023年8月28日更新データ
出典:indeed(医師事務作業補助者)、indeed(医療事務)2023年8月28日更新データ
大手求人サイトの統計によると、メディカルアシスタント(今回は医師事務作業補助者)の年収は約300万円でした。
同じ事務職の医療事務と比較しても、月収・年収では大きく収入を上回っていることがわかります。
メディカルアシスタントとして働く際に取得がおすすめの資格
ここからはメディカルアシスタントとして働く際に取得がおすすめの資格を解説していきます。
医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク®)
医師事務作業補助技能認定試験は、日本医療教育財団が主催する民間資格です。
受験するには以下の条件のうち、少なくとも1つを満たしている必要があります。
1.教育機関等が行う教育訓練のうち、認定委員会が認定規程により定める「医師事務作業補助技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認めるものを履修した者
2.医療機関等において医師事務作業補助職として6ヵ月以上(32時間以上の基礎知識習得研修を含む)の実務経験を有する者
※実務経験証明書の提出が必要となります。
3.認定委員会が前各号と同等と認める者
引用:医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク®)
正式な合格率は発表されていませんが、約60%程度だと言われており、合格者には「ドクターズクラーク®」の称号が交付されます。
医師事務作業補助者(ドクターズオフィスワークアシスト®)検定試験
医師事務作業補助者検定試験は、技能認定振興協会(JSMA)が主催する民間資格です。試験内容は学科と実技に分かれ、どちらもマークシート形式で出題されます。在宅で受験することができ、合格後には、「ドクターズオフィスワークアシスト®」の認定合格証が交付されます。
公式HPでは合格率は約60%ですが、技能認定振興協会(JSMA) の試験実績では2022年5月から2023年1月の実績は90%を超えており、合格しやすい試験といえるでしょう。
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医師事務作業補助者実務能力認定試験
医師事務作業補助者実務能力認定試験は、全国医療福祉教育協会が主催する民間資格です。
マークシート形式の学科問題と、書類を作成する実技問題の2つに分かれて出題されます。
医師事務作業補助業務実務能力認定試験
医師事務作業補助業務実務能力認定試験は医師事務作業補助の基本知識から出題される学科試験と、医療文書作成の実技からなる試験です。
受験するには以下の条件のうち、少なくとも1つを満たしている必要があります。
1.医療福祉情報実務能力協会指定の教育機関において認定医師秘書講座の受講修了をした者
2.医療機関において医師事務作業補助職として6ヶ月以上(32時間以上の基礎講習や研修等を修了している者を含める)の実務経験を有し、協会規定の実務経験証明書において実務経験保有者と確認が取れる者
引用(一部表記を変更):医師事務作業補助者 認定医師秘書TM
医療秘書技能検定試験
医療秘書技能検定試験とは、医療秘書の能力向上、人材育成のためにつくられた資格です。
医療秘書の実務、医療関連知識だけでなく、レセプト作成など医療事務の業務についても問われる試験になっています。
メディカルセクレタリー(初級)認定試験
メディカルセクレタリー(初級)認定試験は、医療文書代行作成や医療に関する法律・知識とスキルを評価し認定する資格試験です。
医療業界が未経験でもキャリアチェンジを目指したい人におすすめの資格試験です。
資格がなくても働けるが「32時間以上の基礎研修」と「6ヶ月の職場研修の受講」が必須
メディカルアシスタント(医師事務作業補助者)になるためには資格は必要ありませんが、入職後6ヶ月間は研修期間であり、その期間中に厚生労働省が定める32時間以上の基礎研修を受けなければなりません。
この基礎研修では、以下の内容を主に学びます。
・医師法・医療法・薬事法・健康保険法などの法律について
・個人情報の保護について
・医療機関で提供される一般的な医療内容や用語などについて
・診療録などの記載、管理、代行入力について
・電子カルテシステムについて
(厚生労働省参考資料より)
研修にて基本的な知識を身につけることができるため、資格や経験がなくても募集・採用している医療機関も多くあります。
6ヶ月の研修期間は医療機関に入職した後に必ず受けなければなりませんが、32時間以上の基礎研修に関しては、以下の条件を満たせば免除の対象者となります。
・医師事務作業補助者が新たに配置される前に基礎知識の習得に係る研修を受けている方
・日本医師会認定医療秘書資格取得者
まとめ:医師の負担を軽くし作業効率化のキーワーカーとして医療業界を支えていこう
メディカルアシスタントは、医師の負担を軽くして、医療の質と作業効率を高めるために不可欠な存在です。
ぜひ資格を取得して、医療業界を支えていきましょう。
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