医師事務作業補助者とは?仕事内容や資格取得のメリットについて解説

2022.01.20 医療事務

医療機関では、医師が診療を行った際、その内容を記したカルテを作成することが義務付けられています。それに関連する事務作業をサポートする役割を担っているのが「医師事務作業補助者」です。今回は医師事務作業補助者の仕事内容や、必要な研修などについて紹介します。

医師事務作業補助者とは?

医師事務作業補助者は、「医療クラーク」や「ドクターズクラーク」とも呼ばれ、医師に代わって「カルテ入力」や「診断書作成」などの事務作業を担う職種のことです。 医療事務は、病院やクリニックの窓口で、受付や会計業務を行ったりレセプトを作成・点検したりするのが主な仕事です。それに対して医師事務作業補助者は、医師の行う事務的な作業のサポートが主な仕事となります。そのため、受付窓口ではなくナースステーションや診察室などで仕事をするのが特徴です。医師事務作業補助者は、主に総合病院や大学病院といった比較的規模の大きな医療機関で活躍していることが多いようです。
また、2008年の診療報酬改定で「医師事務作業補助体制加算」が新設され、病院に医師事務作業補助者が在籍している場合、一定の基準を満たしていれば算定ができるようになりました。その背景には、医師の業務負担を軽減し、その分医療サービスの質を高めるという目的があり、今後さらに医師事務作業補助者の需要は高まっていくことが想定されます。  

医師事務作業補助者の仕事内容

医師事務作業補助者の主な役割は、これまで医師が行っていた文書作成やカルテ入力などの事務作業を代行することで、医師が本来の診察業務に効率よく専念できるようにサポートすることが求められます。
そのため、具体的な仕事内容としては、以下の項目が挙げられます。

文書作成代行

医師の指示に従って、医療関連の文書作成を代行します。主に以下のものが挙げられます。
・診断書
・紹介状
・各種保険の証明書
・入院手続き関連の書類
・患者さんやご家族への説明文書
・退院サマリー
・処方箋
など
いずれも患者さんの診療において重要な書類であるため、医師事務作業補助者は不備がないように作成を行います。

カルテ入力の代行

医師が診察を行っている際、診察室へ一緒に入り、診察内容を聞きながらカルテ(診療録)の入力を行います。病名や検査・処置のオーダーなどを入力することもあるため、ある程度の専門的な知識が求められることもあるでしょう。

診療情報の管理・整理

レントゲンやCT検査などの画像データ、血液検査結果など、患者さんの診療に関する情報を管理・整理することも、医師事務作業補助者の重要な業務のひとつです。また、厚生労働省などに報告する診療データの整理や、救急医療情報システムの入力業務など、行政への対応も行います。  

医師事務作業補助者になるために資格は必要?

「医師事務作業補助者」とは、あくまで役割・業種であり、資格名ではありません。
医師事務作業補助者に関する資格は、民間認定でいくつかありますが、資格がなくても働くことができます。ただし、入職後6ヶ月間は研修期間となり、厚生労働省が定める32時間以上の基礎研修を受けることが必須となります。

基礎研修では、医師事務作業補助者として業務を行う上で知っておかなければならない用語や法律などについて学んでいきます。 主な内容は以下です。

1.医師法、医療法、医薬品医療機器等法、健康保険法等の医療関連法規の概要
2.個人情報の保護に関する事項
3.当該医療機関で必要とされる一般的な医療内容及び各配置部門における医療内容や用語等
4.診療録等の記載・管理および代筆、代行入力
5.電子カルテシステム(オーダリングシステムを含む)

医師事務作業補助者の業務では、医療の専門的な知識やデータ入力スキルなどが求められます。基礎研修は、そのような業務をスムーズに遂行するための能力を身につける内容となっています。

32時間以上の基礎研修が免除される対象者

・医師事務作業補助者が新たに配置される前に基礎知識の習得に係る研修を受けている方
・日本医師会認定医療秘書資格取得者(日本医師会が認定している民間資格。患者さんではなく、医療従事者やその関係者への対応が主であり、事務的サポートはもちろん、医師のスケジュール管理をはじめとした秘書業務を担う)

上記のいずれも、免除されるのは32時間以上の基礎研修のみであり、6か月間の研修は実施する必要があります。  

医師事務作業補助者の資格を取得するメリット

医師事務作業補助者として働くうえで資格は必須ではありませんが、資格を取得しておくメリットについてみてみましょう。

就職や転職に有利

どの仕事においても、未経験や無資格者よりも経験者や有資格者の方が就職や転職の際に有利となりやすいでしょう。医療事務は資格がなくても働くことができますが、倍率の高い職場への就職を考えている場合は、医師事務作業補助者の資格を取得しておいて損はないでしょう。

将来性がある

先述した通り、2008年の診療報酬改定にて「医師事務作業補助体制加算」が新設され、医療現場において医師事務作業補助者の需要は年々高まっている傾向にあります。質の高い医療を提供していくために、医師の業務サポートを担う医師事務作業補助者の活躍する場所は、今後も増えていくことでしょう。

スキルアップ

医師事務作業補助者になることで、医療の専門的な知識を身につけることができます。無資格でも働けるとはいえ、医師の業務サポートを担うためには専門的な知識を求められる場面も少なくありません。医師事務作業補助者の資格を取得することによって、自身のスキルアップに繋がり、活躍の場を広げることができるでしょう。

医師事務作業補助者に関係する資格

医師事務作業補助者としてのスキルを証明できる主な民間資格についてみていきましょう。

医師事務作業補助者検定試験(ドクターズオフィスワークアシスト®)

日本ではじめて医療事務の技能を認定した資格試験団体であるJSMA(技能認定振興協会)が主催する資格試験です。合格するとドクターズオフィスワークアシスト®の称号を得ることができ、医師事務作業補助者としての知識とスキルが評価・証明されます。受験資格は特に指定なく、誰でも試験を受けることが可能となっています。

医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク®)

一般財団法人日本医療教育財団と公益社団法人全日本病院協会が共催している試験で、合格するとドクターズクラーク®の称号を得ることができます。
受験するには、以下の項目のいずれかに該当する必要があります。

・認定委員会が認定規程によって指定する「医師事務作業補助技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認めるものを履修した者
・医療機関等にて、医師事務作業補助職として6ヶ月以上(32時間以上の基礎知識習得研修を含む)の実務経験を有する者
・認定委員会が上記2項目と同等と認める者

医師事務作業補助者実務能力認定試験

全国医療福祉教育協会が主催している試験です。合格者には特に称号は与えられませんが、医師事務作業補助者に求められる知識や文書作成能力を有していることが認定されます。受験資格は特に指定はなく誰でも試験を受けることが可能です。

まとめ

医師事務作業補助者の仕事内容やメリットなどについて紹介しました。医師事務作業補助者は、在籍していることで加算が取れること、医師の作業量を軽減することで診療の質が向上できるという観点から、今後も需要が増えていくことが想定される職種です。医療機関にとって重要な役割を果たす存在なので、ぜひ目指してみてはいかがでしょうか。

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