介護事務は本当につらいのか?仕事内容・給与・つらいと言われる理由をもとに検証

介護事務は本当につらいのか?仕事内容・給与・つらいと言われる理由をもとに検証

2023.08.17 介護事務

【医療事務のパイオニアソラスト監修】介護業界は「仕事がきつい」「辞めたい人が多い」「業務がつらくてしんどい」などネガティブなコメントを聞くことが多いですが、実際どうなんでしょうか?

仕事内容や給与などをしっかりと確認した上で仕事を始めることで、仕事への理想とのギャップや見解の相違が少なくてすむでしょう。
また、介護事務の仕事に対するポジティブなコメントやいい部分もまとめて紹介していきます。

この記事では介護事務は本当につらい仕事なのか、仕事内容やどんな人にあうか、給与や何が理由でつらいと言われているのかなどを解説していくので、介護業界の特に介護事務で働きたい人はこの記事を読んで参考にしてくださいね。

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介護業界はつらくて大変?!実際のところは?

介護業界と聞くと「人手不足」「残業」「介護への責任」などつらく大変なイメージが多い印象がありますが、実際はどうなんでしょうか?

介護の仕事はたしかに大変な部分も多いですが、それは他の職種でも言えることです。

どの仕事も事前にしっかりと仕事内容を把握したうえで働くことで、理想と現実のギャップに苦しめられることも少なくすみます。

仕事を始めてから「思っていたのと違う!」ということにならないためにも、働きはじめる前に仕事内容をしっかりと把握しておきましょう。

まずは知りたい介護事務の仕事内容

介護事務の仕事には、メインの窓口業務と介護報酬請求業務をはじめとした事務仕事や職場のサポート業務などがあります。

窓口業務では来訪者の対応、受付や電話対応をしたり人と直接コミュニケーションをとることが多い仕事です。

請求書作成・介護報酬請求業務では、利用者に請求する料金の確認をして請求書を送ったり、利用者の介護保険分のサービス利用料金を国に請求するためのレセプト作成・点検をする仕事でそれぞれ請求知識が必要になります。

そのほかにも備品管理や管理業務、サポート業務などが主な仕事内容です。

介護事務の詳しい仕事内容や、一日の流れについてはこちらの記事をご覧ください。

あわせて読みたい記事:介護事務の仕事内容や1日のスケジュールを解説!給料や必要なスキルも紹介

介護事務がつらいと言われる理由4つと反対の意見

介護事務の仕事はつらいと言われているようですが、介護に関わりながらできる事務の仕事ということで介護業界の中では逆に人気の仕事でもあります。

その二面性から職探しをする際に戸惑う人もいるため、ここで介護事務がつらいと言われる理由と人気の理由を紹介しますね。

①介護業界自体が人手不足で事務にも現場の負担がかかる

厚生労働省の令和4年版 厚生労働白書からも喚起されている2025年、2040年問題では、社会の高齢化が急激に進み介護要員の確保が非常に難しくなるとして、深刻な人手不足が予想されています。

人手不足が加速すれば当然残業も増え、スタッフ間でも余裕がなくなってしまいますよね。

そういった面もあり現場の負担が事務員にもおよび、介護事務でありながら介護助手の仕事を兼任させられる職場もあるようです。

捉え方を変えれば、一般事務に比べいろいろな仕事ができてやりがいがあるとも言えますが、事務仕事だけをイメージして仕事に就くと「思っていたのと違った」という印象が強く残ってしまいます。

介護事務の仕事内容にもあるサポート業務がどの程度なのか、就職を決める前に職場に確認しましょう。

②介護の専門知識が必要

介護事務の仕事は基本的な事務仕事はもちろん、一般事務と違い介護保険制度や介護報酬請求をするために覚えるべき専門知識が多いのが特徴です。

また、介護保険制度は3年に1度の見直しがされるため、改正にともなった定期的な知識のアップデートが必要になってきます。

こうした仕事とは別に定期的に学ばなければならないという環境が負担になり、つらいと思われる理由の1つでしょう。

③職場によっては毎月残業が課せられることも

介護事務はメインである請求書作成・介護報酬請求業務のため月末月初が特に忙しい仕事です。

その期間は仕事量が増えるため残業になってしまうケースもあり、特に家庭がある人は家族の理解が必要になってくるでしょう。

④介護報酬請求でミスがあると運営に大きく響く

介護報酬請求は専門的な知識が必要な作業で、厳密なルールのもと決められています。

そのため万が一ミスをしてしまい審査が通らなかった場合は、その月分の支払いが受けられないこともあり責任の重い業務です。

そういった面がプレッシャーなどストレスになることもあり得るでしょう。

反対に介護事務が人気の理由も!

介護事務のつらいと言われる理由について説明しましたが、実は、介護事務は介護業界内で人気の仕事です。

・介護業界に関わりたいけど身体介護など体を使った仕事が難しい
・無資格・未経験でも事務の仕事がしたい
・介護事務を通してさまざまな仕事をしたい、学びたい

といった人にもおすすめの仕事です。

人気の理由としてはいくつかあり、仕事が大変な一方やり遂げた後の達成感が大きい、利用者からの感謝の声にやりがいを感じるなどの意見もあります。

介護事務の平均給与

気になる介護事務の平均給与を下の表にまとめてみました。

職種月収年収
介護事務18.8万円437.4万円
施設介護員21.2万円362.9万円
訪問介護員23万円353.2万円
ケアマネジャー24.2万円405.8万円
医療事務20.5万円437.4万円
調剤薬局事務18.8万円437.4万円
参考:厚生労働省 – job tag

厚生労働省の統計データを参考にしたところ、平均給与は上記の通りです。

介護事務、調剤薬局事務は同じ平均数値がでていますが、医療事務の月収は少し高い20.5万円でした。
介護事務は月末月初の残業が多いため、これにプラスして残業代が入ってくるでしょう。

月収は主に無資格・未経験のデータも入っていることから低く見えますが、有資格者、常勤、職場の規模などのステータスや残業、兼任をした際の追加支払いで給料は変動します。

介護事務になるには何が必要?向いている人の特徴

つらいと言われている介護事務ですが、どんな人におすすめの職業なんでしょうか?

介護事務の仕事に必要な資格やスキル、向いている人の特徴について紹介します。

無資格・未経験でも働けるが資格があるとよりいい

介護事務の仕事をするのに特定の資格はありません。

そのため無資格・未経験の方でも応募できますが、資格があることで就職に有利です。

以下に介護事務で使える資格を一覧にまとめたので参考にしてください。

資格運営団体合格率
介護事務管理士®技能認定振興協会(JSMA)約70%
ケアクラーク®一般財団法人 日本医療教育財団約70%
介護報酬請求事務技能検定日本医療事務協会約80%
介護保険事務士®一般財団法人 つしま医療福祉研究財団
介護事務実務士®特定非営利活動法人 医療福祉情報実務能力協会(MEDIN)約70%
介護保険事務管理士®一般財団法人 日本病院管理教育協会
介事管理専門秘書検定一般財団法人 日本能力開発推進協会

各資格の詳しい説明はこちらの「介護事務の仕事内容や1日のスケジュールを解説!給料や必要なスキルも紹介」記事をご覧ください。

コミュニケーションスキルがある人

介護事務は受付対応などの窓口業務があります。

仕事柄さまざまな人と接する機会があり、利用者や同僚との円滑なコミュニケーションを得るためにも対応力やコミュニケーションスキルが必要です。

また、人と関わることや話すことが好きな人にも向いています。

計算が得意でてきぱき仕事をこなせる人

介護事務の仕事は介護報酬の計算だったり給与計算や請求書作成があったりと、計算業務が多いため計算が得意だと苦に感じにくいでしょう。

また業務も多いため、頭の切り替えがはやく効率よくてきぱきと仕事がこなせる人におすすめです。

介護業界に興味があり関わりたい人

介護事務は介護業界に興味があり関わりたいと思っている人におすすめの仕事です。

メインの仕事は事務なので、事務仕事をしつつ介護の仕事にも関われます。

重いものを持ったり介護の仕事をメインにはできないけど、介護業務に興味がある・手伝いたいと思っている人でも携われる機会があるのが他の事務との大きな違いです。

そういった気持ちがあれば事務以外の手伝いが生じた際もやりがいが感じられ、楽しく仕事ができるでしょう。

スケジュール管理ができ期限が守れる人

介護事務では介護報酬請求など期限厳守の仕事が多いため、スケジュール管理ができることはかなり重要となってきます。

期限が過ぎてしまったり、予定していたスケジュール通り仕事ができないと自分だけではなく職場全体に負担がかかってしまったり、最悪の場合、請求したものが受理されないということになりかねません。

スケジュール管理ができ、期限が守れるということは介護事務だけではなく、社会人としても必要なスキルです。

まとめ:介護事務はつらいだけじゃない!やりがいや将来性もある大切な仕事

少子高齢化社会として警鐘が鳴る現代社会。

2040年には約280万人の介護職員が必要と推定されています。

介護業界はより一層需要が増えていくエリアで、キャリアを伸ばしていくのにもおすすめの業界です。

介護事務は他の介護職と比べ、未経験・無資格OKの仕事なので前職と関係のない転職でもはじめやすい仕事とされています。

ただし介護事務は人気の職種なため競争率が高く、就職を有利にするためやキャリアアップ、即戦力として働きたい場合は民間資格をとってあらかじめ知識を身につけておくのがおすすめです。