病院とクリニックの違いを解説!医療事務としておすすめな働き先は?

2023.05.17 医療事務

【医療事務のパイオニアソラスト監修】
みなさんは医療機関、「病院」と「クリニック」の違いをご存知ですか?病院とクリニックの違いについて、病気や怪我をした時にはどちらが適切なのか、そして医療事務として働くにあたって病院とクリニックの働き方の違いなどを徹底解説します。
また、医療事務として働く際のメリット・デメリットを比較し、あなたへのおすすめの働き先を探ります。
この記事を読むと、あなたの理想の働き先を見つけるヒントになりますよ!

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「病院」と「クリニック(診療所)」の違いを知ろう

「病院」と「クリニック(診療所)」の違いを知ろう

病院とクリニック(診療所)の違いは、病床数にあります。
病院は入院患者用のベッドが20床以上あり、クリニックは病床数が1〜19の有床診療所と、病床を持たない無床診療所に分けられます。
また、​病院は比較的規模の大きい医療機関であり、大きなけが​や病気をした患者や入院患者の治療が中心です。そのため診療科も複数あるのが一般的です。

対して、​クリニックは診療所とも呼ばれます。​軽いけがや病気、​慢性疾患などの患者の治療が中心です。入院患者は少なく、病床を備えていない歯科医もクリニックに分類されます。

​病院とクリニックは、​病床の数や取り組んでいる医療の内容など、​多方面で違います。

​病院とクリニックについて、もう少し詳しく説明していきます。

病院とは

病院とは、​傷病者の診断、治療を行う施設であり、20以上の病床を持つ医療機関のことです。
さまざまな医療設備が整っていて、高度な医療を受けることができます。
そのため、難病や重症患者の治療や救急患者の入院の受け入れができ、​複数の診療科があるのが特徴です。

​先進的な医療に取り組む国立病院や大学病院、​企業立病院といった大規模病院や、​地域医療を支える中核病院、​地域密着型病院などの種類に分けられます。​

クリニック(診療所)とは

クリニックとは、診療所とも呼ばれ、​外来診療を中心に行う医療機関のことです。​

病床も0~19と少なく、病院よりも小規模で、​軽度の病気やけがの治療がメインとなります。病気やけがをしたら、まず最初にかかる医療機関です。

また、予防接種や健康診断なども行っており、患者さんの健康を日々守るための身近な存在でもあります。

体調が悪い!怪我をした!病院とクリニック、どっちに行く?

病院とクリニックの使い分けに迷う人もいますよね?

結論から言うと、初診はクリニックに行くことがおすすめです。

初診でクリニックに行くべき3つの理由

  • ・待ち時間の削減
  • ・初診料が安く済む
  • ・診療科の選択ミス

■待ち時間の削減

病院では予約患者が優先されるので、初診で緊急性が認められない場合は1〜2時間待つことも珍しくありません。クリニックも混む時間帯はあるものの、そこまで待つことはないでしょう。

■初診料が安く済む

初診に紹介状なしで200床以上の病院に行くと選定療養費がかかります。選定療養費を高く設定している病院では、約8,000〜11,000円もの料金が必要です。

この選定療養費は、保険診療以外の費用のことをいいます。厚生労働省が「かかりつけ医」を普及させ、患者の待ち時間や勤務医の外来負担などの課題を解決するために設けられているものです。まずは、地域のクリニックを受診し、必要な場合は紹介状を書いてもらうようにしましょう。

■診療科の選択ミス

最後に診療科の選択ミスについてです。

これは、たとえば頭痛がするから内科にかかったら、内科から眼科や耳鼻科にもかかるように言われたり、精密検査が必要なので脳外科に行くように言われたりといったケースです。

クリニックの医師に痛みの具合をヒアリングしてもらい、状況に応じて病院の脳外科に紹介状を書いてもらいます。

初診でクリニックにかかっていれば、受診不要な診療科を経由する手間や料金がかからないということですね。

クリニックでもらう「紹介状」とはどんなもの?

クリニックで紹介状をもらうことがあります。

紹介状とは、クリニックでは​対応が難しく、​検査設備のある病院や総合病院に行くことを薦められた場合にもらう書類です。正式名称は「診療情報提供書」​といいます。

クリニックから病院や専門医療機関に紹介される際に、​診察内容や治療方針などを記載したものになります。

【紹介状に記載されている主な内容】

  • ・診察結果
  • ・治療内容
  • ・病気の状態
  • ・検査の必要性

​紹介状を渡すことで医師間で情報が共有でき、​患者にとっても二度同じ診察や検査をしなくても良いというメリットがあります。​​
また病院は紹介状がない場合、特別の料金がかかります。料金は5,000円でしたが、令和4年10月1日から7000円(税抜き)に引き上げられました。

参考:紹介状を持たずに特定の病院を受診する場合等の「特別の料金」の見直しについて

緊急性がない場合は、クリニックにかかるメリットの方が大きいですね。

医療事務で働く場合の「病院」と「クリニック」の業務の違い

医療事務で働く場合の「病院」と「クリニック」の業務の違い

病院とクリニックで医療事務として働く場合、基本の業務内容は変わらずとも若干の違いがあります。

病院での主な業務内容

  • ・入院患者手続き
  • ・診療報酬の請求(レセプト業務)
  • ・医療記録(カルテ)の管理

病院は病床が多いため、入院患者の手続きがあります。

医療事務の要といえるレセプト業務も、病院では「入院レセプト」業務の割合が多い可能性があります。

病院は医療事務の人数も多く、それぞれ担当業務を分けられていることが基本です。人数も多い分教育体制も整っており、担当業務に特化した働きができます。

クリニックでの主な業務内容

  • ・外来患者の受付・会計
  • ・診療報酬の請求(レセプト業務)
  • ・医療記録(カルテ)の管理

クリニックは外来がメインなので、主に外来診療に関する業務を担当します。
受付・会計業務のほか、レセプト業務やカルテ管理、医療スタッフのサポートなど患者さんや医療現場の一連の流れに関わることができます。

少人数の医療スタッフと医療事務で働くので、連携が取りやすい環境です。

病院やクリニックで働く共通する知識やスキルについて

​医療事務は、​病院やクリニックごとに求められる業務内容が違いますが、職場がどちらであっても​患者さんと接することが多くなります。そのため​笑顔で応対する接遇やマナーのスキルは必須です。多くの患者さんと接するからこそ感謝されることも多く、患者さんとの信頼関係を築くことができ、やりがいを感じることができます。

医療事務は医療機関の運営に欠かせない存在です。医療機関の運営や医療スタッフのサポートも行うことで、医療業界に大きく貢献しているといえるでしょう。

業務の正確性はもちろん、カルテを正しく読み取る医療知識や保険に関する法律の知識も必要になってくるので、未経験の人は資格を取得すると自信に繋がります。

また、有資格者を優遇する病院やクリニックもありますので、事前に資格を取得しておくことをおすすめします。

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【メリット・デメリット】病院で医療事務として働く場合

続いて、病院で医療事務として働く場合のメリットとデメリットです。

メリットデメリット
業務内容が多様残業が多い
給与が高め精神的な負担が大きい
スキルアップしやすい

クリニックより規模が大きいため、残業が多くプライベートとの両立が大変な場合もあります。患者数や業務が多様なため、緊急対応やクレームを受けることでストレスを感じる人もいるので注意しましょう。

逆を言えば、業務内容が多様なため、スキルアップしやすい環境にあります。すべての科の算定を行うため、複数科の内容も理解できるようになります。これは再就職や転職にも有利なメリットです。

また、クリニックに比べて給与が高めなことが多いため、収入面を重視する人にもメリットが大きいといえます。

病院はクリニックに比べて大規模で、医療事務の人数が多いです。教育環境が整っている場合が多く、ミスをカバーする体制や医療事務の先輩たちからサポートしてもらえる点は心強いでしょう。

【メリット・デメリット】クリニックで医療事務として働く場合

クリニックで医療事務として働く場合のメリットとデメリットです。

メリットデメリット
アットホームな雰囲気給与が低め
未経験でも働きやすい業務内容が単純
残業が少ない

クリニックは外来診療に関する業務が多いため、患者さんと接する機会も自然と多くなります。人と接することが好きな人におすすめです。

業務内容が幅広いので、レセプト業務などに特化した業務のスキルアップをしたい人には物足りなさを感じる場合もあります。 病院より給与が低い場合もあるため、事前にチェックしておきましょう。

病院より規模が小さいため、医療スタッフとの連携もとりやすく、アットホームな雰囲気で未経験でも働きやすい場合が多いです。

医療事務として働くなら資格が必要?

医療事務業務を行うために資格は必ずしも必要なわけではありませんが、医療事務に関連する民間資格はいくつかあります。

​​医療事務の仕事は、​専門的な医療知識や保険に関する法律の知識が求められる場合もあります。​資格手当があることもあり、資格を持っていれば​就職や転職の際に有利になることもありますよ。

ソラストが厳選する医療事務のおすすめ資格は以下の3つです。

  • ・診療報酬請求事務能力認定試験
  • ・医療情報実務能力検定試験
  • ・医科医療事務管理士®技能認定試験

どの資格も医療事務業務の要であるレセプト作成のスキルがあることを証明したい人や、総合的な能力を身につけたい人におすすめです。

そのほかにも就職に有利になる資格はあります。

​医療事務に興味がある場合は、​求人情報を確認して​必要な資格やスキルを把握しておきましょう。

医療事務の資格についてランキング形式でまとめた記事もありますので、詳しくは下記を参考にしてみてください。

あわせて読みたい記事:「医療事務資格のおすすめ8選!難易度をランキング形式で紹介」

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まとめ:病院とクリニックの役割や違いを把握して医療事務で活躍しよう

まとめ:病院とクリニックの役割や違いを把握して医療事務で活躍しよう

病院とクリニックの役割や違いは、病床数以外にも多数あります。

実際に医療事務として働く場合は、それぞれの特徴を知ることで自分にあった働き方を選択できます。キャリアアップを目指すのか、プライベートを重視するのかなど、重要視するところは人それぞれ違うものです。

病院とクリニック、それぞれに医療事務として働く大変さはあります。
しかし、どちらも患者さんに感謝されたり、社会貢献ができたりとやりがいやメリットがあります。

自分に合った医療機関で働き、医療事務として活躍しましょう。