レセプトとは?医療事務に必須!業務内容やおすすめの資格を徹底解説

レセプトとは?医療事務に必須な業務内容や役割をわかりやすく解説

2022.11.28 医療事務

【医療事務のパイオニアソラスト監修】医療事務の業務のなかでも、欠かすことのできないレセプト業務。医療事務の経験がない場合、知らない人も多いのではないでしょうか。
この記事を読めば、「レセプトってなに?どう役立つの?」という疑問を解決できます。

レセプト業務の基本から仕組み、学ぶことで得るメリットやおすすめの資格や勉強方法まで徹底解説します。未経験の方も、医療事務の重要な仕組みを理解し、スキルアップに役立てることができますよ!

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「レセプト」とはなんのこと?

レセプトとは、医療機関が保険者に医療費を請求するために発行する診療報酬明細書のことです。
ドイツ語の「Rezept(処方箋)」に由来しています。

診療報酬明細書は、患者さんが受けた診療内容や、かかった費用の内訳が記されていてるものです。これらは1ヶ月ごとにまとめて作成され、保険者である健康保険組合や共済組合、国民健康保険などに提出する必要があります。

このレセプトが間違いなく取り扱われることによって、医療機関は医療報酬を得ることができるので、医療事務が携わるレセプト業務は最も重要な業務といえます。

レセプトとレセコンの違い

先に解説したようにレセプトは診療報酬明細書のことをいいますが、このレセプトを作成するのに欠かせないコンピュータソフトがレセコン(レセプトコンピュータ)です。

以前は医療事務スタッフによって医療報酬点数が計算され作成されていたレセプトですが、IT化が進んだ現在では、このレセコンに診療内容などのデータを入力することで自動的に計算が行われます。

レセコンの導入によって計算ミスが起こりづらく、医療スタッフの負担は大幅に減りました。
現在では9割以上の医療機関で使用されています。

あわせて読みたい記事:レセコン(レセプトコンピュータ)とは?電子カルテとの連携やできることを徹底解説

レセプト業務って?「診療報酬」の仕組み

日本の診療報酬は、患者さん(被保険者)が基本的に医療費の3割(※)を負担し、残りの7割は保険者(健康保険組合など)が支払います。

患者さんが支払う3割分は医療機関にて患者さんに直接請求されていますが、残りの7割の報酬はレセプトを作成し、その書類が保険者に提出されることで受け取ることができる仕組みです。

(※)自己負担額は、加入している健康保険や、診療内容によって異なります。

「診療報酬」が医療機関に支払われる仕組み

診療報酬が医療機関に支払われるまでに、日本全国の医療機関がその度に保険者へ請求を行っていては、支払い作業が膨大になってシステムがスムーズに回らなくなってしまいます。
そのため、レセプトは患者さんごとに1ヶ月分をまとめて提出する決まりです。

提出されたレセプトは医療機関から保険者へ直接届くのではなく、審査支払機関という審査機関に提出されたのちに保険者に請求が行われます。
この審査支払機関では、請求書とレセプトの整合性があるかどうか、定められたルール通りにレセプトが作成してあるかなどがチェックされ、問題がなければ、この審査支払機関を通して保険者から診療報酬が支払われる仕組みです。

レセプト業務の流れについて

レセプト業務の流れについてみていきましょう。

レセプト業務の流れは大まかに図のように進んでいきます。

1.診察情報の入力

レセコン(レセプトコンピュータ)を使って、健康保険証に記載がある患者さんの個人情報、医師がカルテに記した診察内容などを入力します。

一般的に、外来の患者さんは診療を受けた日ごとに入力し、入院している患者さんの場合は、手術や検査など月に数回分けて入力します。
この入力にミスがあると正しく医療報酬が計算できなくなってしまうので注意深く作業しなければなりません。

2.レセプトの作成・出力

患者さんごとに1ヶ月分のレセプトを作成し、出力します。
レセコンに入力されたデータをもとに保険点数などが自動計算されます。

医療機関によっては膨大な数のレセプトが作成されることになりますが、基本的にはレセコンによる自動作成なので手間はそれほどかからないでしょう。

3.作成されたレセプトの点検・確認

出力した物を点検・確認します。
計算はレセコンが行いますが、情報の入力は医療事務スタッフによって入力されているため、ミスが起こる可能性もあるでしょう。

また、診療内容と処方した薬の整合性がないなど医師の記入ミスなどもあるため、この段階で誤りがないかチェックし、必要であれば修正します。
医療事務として専門的な知識を使うレセプト業務の中で、点検・確認は最も重要な作業です。

4.医師へ確認作業の依頼

レセプトに記載されている診療内容や処方された薬に誤りがあると疑われた場合、医師に確認を依頼します。必要があれば修正してもらい、添付資料の作成なども医師に依頼します。

レセプトに不備があれば診療報酬の減額やレセプトを差し戻されることにも繋がってしまうため、医師とのスムーズなコミュニケーションを取れるようにすることが大切です。

5.審査支払機関へレセプトを提出する

レセプトがすべて正しい状態になったら、レセプトと診療報酬請求書を審査支払機関へ提出します。
出力した書類を提出する方法と、電子レセプトをデータで送付する方法があります。

提出後は審査支払機関で確認作業が行われますが、レセプトが差し戻された場合は、もう一度精査をして改めて提出します。

未経験者にレセプト業務は難しい?

医療事務は未経験者でもチャレンジできる仕事ですが、レセプト業務は医療機関の収入に関わる大切な作業です。

未経験であれば、事前に資格を取得して必要な知識とスキルを身につけておくと自信を持って業務に携われますし、即戦力として職場でも活躍できるでしょう。

医療事務の資格取得に悩んでいる人は、初心者でも安心のカリキュラム、医療事務のプロ!ソラストの資格教材がおすすめです。

はじめて医療業界へ飛び込む方は、業界未経験者におすすめしている「スタンダードコース」で資格取得に挑戦してみてください。

レセプト業務のスキルを身につけるメリット

レセプト業務に求められるスキルは、大きく2つ。

・医療保険の制度やしくみに精通していること
・正確に診療報酬算定とレセプト点検ができること

レセプト業務に携わるためには、​医療事務に関する勉強をし、​資格を取得することが望ましいとされています。

IT化が進んでも、人の目による最終点検が欠かせない診療報酬請求事務。
医療機関の収入の根幹をにぎる、確かなレセプト点検スキルを身につけるために資格取得しておくといいでしょう。

ワンランク上の医療事務を目指したい方はソラストの「マスターコース」がおすすめです!

レセプトに関する知識と経験は、一生モノのスキルになります。

レセプト業務専門の求人も多くあり、レセプト業務が忙しい時期(月末〜月初)だけ勤務することもでき、自分に合った働き方ができることもメリットの一つ。特に女性から人気がある職種です。

レセプト業務に必要な資格と勉強方法

医療事務は国家資格はなく、民間の団体が主催するさまざまな民間資格の中から自分が求めるスキルやレベルに合わせて取得します。

資格取得には、独学・通学・通信教育の勉強方法があります。
それぞれ費用や教材の質、モチベーションの保ち方、時間の使い方などの点でメリットとデメリットがあるため、自分のライフスタイルにあった勉強方法を選びましょう。

ここからは、レセプト業務におすすめの資格を紹介していきます。

あわせて読みたい記事:医療事務資格のおすすめ8選!難易度をランキング形式で紹介

医療事務技能認定試験

医療保険制度や診療報酬請求の幅広い知識と基礎力があることを証明できます。
難易度もやさしくチャレンジしやすい資格です。

「医療事務技能認定試験」に合格することで、上位資格である「医科 医療事務管理士®技能認定試験」の学科試験が免除されます(最大6か月)。

参考:医療事務技能認定試験JSMA 技能認定振興協会

医科 医療事務管理士®技能認定試験

医療・医療保険の知識と、レセプトに関する専門的な問題が出題され、合格後は医療事務管理士®の称号がもらえます。

医療事務管理士とは、​医療保険制度や診療報酬の仕組みを理解し、​正確に診療報酬を算定できる能力をもった人のことです。医療事務管理士を取得することで、​医療事務職のスキルアップや、​病院やクリニックなどでのキャリアアップが可能となります。

参考:医科医療事務管理士技能認定試験JSMA 技能認定振興協会

診療報酬請求事務能力認定試験

合格率は約30%と最も難易度が高く、しっかりと時間をかけた試験対策が必要になります。

医学や医療保険の知識が問われる学科試験と、カルテから医療報酬を計算するレセプト作成の実技試験があります。医療事務には必須のレセプト業務に自信をつけたい人におすすめです。

参考:診療報酬請求事務能力認定試験公益財団法人日本医療保険事務協会

医療事務技能審査試験(メディカルクラークⓇ)

昭和49年度から実施されている試験です。
受験者数が多いので、知名度も高く業界からの信頼も厚い資格となっています。

内容は「医科」と「歯科」に分かれていて、受付から会計、レセプト作成までの医療事務全般について問われます。
合格後はメディカルクラークの称号がもらえます。

参考:医療事務技能審査試験一般財団法人 日本医療教育財団

レセプト点検業務技能検定試験

レセプト点検業務技能検定試験は、日本医療事務協会が主催するレセプトに特化した資格試験です。

この試験では、​請求業務の全般的な知識や、​レセプトの病名に対して行われた検査や治療、​処方された薬が正しいかどうかなどが試されます。
受験資格は、​日本医療事務協会が認定するレセプト講座を修了した者に限られるため注意が必要です。

参考:レセプト点検業務技能検定試日本医療事務協会(JMCA)

医事コンピュータ技能検定試験

医療事務で必要なコンピュータの知識・操作スキルなど基礎〜専門的な内容で級別に受験できます。

医療の現場でもIT化が進んでおり、コンピュータを正しく操作できることは医療事務スタッフにとって必須のスキルとも言えます。即戦力となるコンピュータの技術を身につけたい人におすすめです。

参考:医事コンピュータ技能検定試験一般社団法人医療秘書教育全国協議会

まとめ:ソラストの教材でレセプト業務に自信をつけよう

今回は、医療事務の仕事で最も重要である「レセプト業務」について紹介しました。
医療事務を目指しているけれど未経験でレセプト業務に自信がない方、ぜひソラストを活用して資格取得を目指してみてください。

ソラストの医療事務講座では、今回ご紹介した「医科 医療事務管理士®技能認定試験」「医療事務技能認定試験」の2つの資格取得に特化した2つのコースが用意されています。
基礎からじっくり学べるので未経験でも安心して学習ができます。
資格があれば即戦力として自信を持って活躍できるチャンスが広がりますよ!