リスキリングとは?学ぶ必要性や目的、個人におすすめのスキル学習を紹介
2023.07.10 その他
【医療事務のパイオニアソラスト監修】「リスキリング(Reskilling)」は、新しい職業やスキル変化に対応するための学習のことを意味します。
デジタル化・自動化が進み、求められるスキルが変化する現代では、新たなスキル獲得が重要です。そのため今、リスキリングが企業をはじめ注目を集めています。
この記事ではリスキリングについて、必要性や目的、取り組み方について解説します。
個人におすすめのスキル学習も紹介しますので、ぜひスキルアップを目指してみてください。
最近話題の「リスキリング」とは?わかりやすく解説
リスキリング(Re-skilling)とは、日々進化していく新しい技術やビジネスモデルに対応するために、新しいスキルを身につけることです。
経済産業省はリスキリングを以下のように定義しています。
新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること
引用元:経済産業省
リスキリングに関連するキーワードとして、「DX」があります。DXとは、デジタルトランスフォーメーション、つまり「デジタル化」という意味です。
あらゆる企業で業務のデジタル化が進む現代は、DX時代とも呼ばれています。
AIやITなど、DXに深く関わりのある業界では、急速に増えていく新技術に対応するため、従業員のリスキリングが必須です。
しかしリスキリングが求められるのは、DX企業に限りません。
例えば新型コロナの影響によるリモートワークに対応するため、リスキリングに挑戦された方は業種を問わず多いでしょう。
また、少子高齢化が進んでいく日本では、今後の需要拡大を見越して、医療・介護業界でもリスキリングに取り組む方が増えているようです。
「リスキリング」と「リカレント教育(学び直し)」の違い
リスキリングとよく比較されるのが「リカレント教育」です。
「Recurrent」には再発・回帰という意味があり、リカレント教育は、一度休職して大学などで教育を受け、また仕事に復帰するようなスキルアップの方法を指します。
対してリスキリングは、現在の仕事を続けながら並行して勉強するスキルアップ方法です。
その他にも、リカレント教育は「個人が自ら望むスキルアップ」として個人が主体であるのに対し、リスキリングは「企業が従業員へ促すスキルアップ」として企業側が主体だという違いもあるようです。
「リスキリング」と「生涯学習」の違い
「生涯学習」も、リカレント教育やリスキリングとよく似た言葉です。
リスキリングやリカレント教育が業務に活かすことを目的とした学習であるのに対して、生涯学習は人生を豊かにすることを目的とした学習を指します。
つまり生涯学習は仕事に関する学習に限定されず、趣味やライフスタイルに関する学習も含むのが大きな特徴です。
リスキリングの目的と必要性について
企業のDX化が進むにつれて、リスキリングはこれからも世界規模で促進されていくことが予想されます。
2020年のダボス会議(世界経済会議)では、今後の技術変化に対応するため、2030年までに全世界で10億人をリスキリングしていくという宣言がありました。
さらに2022年10月の国会では、岸田首相より、個人のリスキリングに対する支援が総合政策に盛り込まれることも表明されています。
先ほど「リスキリングは企業が主体となって促すスキルアップ」だと説明しましたが、実際に日本国内でリスキリングを行っている企業の数はまだ少なく、個人的に通信講座などを利用してリスキリングを行っている方が多いようです。
時代の流れに乗り遅れないためにも、今のうちから個人でリスキリングに挑戦するメリットは大きいといえるでしょう。
リスキリングの取り組み方(メリット・デメリット)
リスキリングにはメリットばかりではなく、導入するためのコスト・時間がかかるなどのデメリットもあります。
ここでは企業・個人としてリスキリングに取り組む際のメリットとデメリットをまとめました。
企業の取り組み方
【デメリット】
企業でリスキリングに取り組むデメリットはこちらです。
・時間とコストがかかる
・従業員が転職してしまう可能性がある
・従業員のモチベーション維持が難しい
■時間とコストがかかる
リスキリングのためには、講師に研修を依頼したり、講座を受講させたりするためのコストがかかります。
さらに企業でリスキリングを行う場合、勤務時間内に学習することが推奨されているため、従業員が学習するための時間はもちろん、学習環境を整えるための時間も必要です。
■従業員が転職してしまう可能性がある
リスキリングを行った従業員が実際にスキルを身につけた後、転職してしまう可能性があります。
リスキリング後の従業員に対して、配属を変える、待遇を見直すなど、会社に長く残ってもらうための対策を検討しておく必要がありそうです。
■従業員のモチベーション維持が難しい
新しい技術を学ぶ学習には、精神的なストレスが伴います。仕事と学習の両立が難しい従業員には、メンタル面のサポートも提供できると良いでしょう。
【メリット】
続いて、企業でリスキリングに取り組むメリットはこちらです。
・人員不足の対策になる
・自立した人材を育てられる
・業務の効率が上がる
■人員不足の対策になる
DX技術を持つ人材は今後も需要が増える一方で、人員不足が深刻化していくともいわれています。新しい技術を取り入れる際に、自社内の人材をリスキリングで適用できるようにすれば、人員不足の対策になります。
■自立した人材を育てられる
企業がリスキリングを推進することによって、社員が自発的に学習する環境を作ることができます。結果的に、自立した人材を育てることにも繋がるでしょう。
■業務の効率が上がる
リスキリングによって新しい技術を取り入れることは、業務の効率化に繋がります。
削減できた時間や残業代を他の業務に割り当てることにより、会社全体の生産性向上も見込めるでしょう。
個人の取り組み方
【デメリット】
個人でリスキリングに取り組むデメリットはこちらです。
・時間とコストがかかる
・モチベーション維持が難しい
・実際にスキルを活かせない可能性もある
■時間とコストがかかる
個人でリスキリングする場合、通信講座やスクールの費用、資格試験の受験料などを自分で負担する必要があります。
また、勤務後や休日に学習時間の確保も必要です。
■モチベーション維持が難しい
仕事と勉強を両立させるためには、質の高いタイムマネジメントが求められます。仕事が忙しい時期やプライベートの時間がうまく確保できないときなど、モチベーションを保つのが難しい場面もでてくるかもしれません。
■実際にスキルを活かせない可能性もある
新しいスキルを身につけても、業務の内容や待遇が変わるという保証はありませんし、転職の際も必ず採用が約束されるわけではありません。
スキルを100%活かすことが難しい可能性があることを理解した上で、リスキリングに望みましょう。
【メリット】
続いて、個人でリスキリングに取り組むメリットはこちらです。
・業務の効率が上がる
・キャリアの選択肢が増える
・国の助成金を利用できる
■業務の効率が上がる
リスキリングで身につけた技術を活かすことにより、業務の効率が上がることが期待できます。特に今後、DX技術を活かした仕事の効率化・自動化は様々な業種で進むと予想できるため、対応できる人材の需要も上がっていくでしょう。
■キャリアの選択肢が増える
リスキリングで新しいスキルや資格を取得すると、キャリアの選択肢が増えます。
自社内で配属先の変更や昇進が狙えることはもちろん、転職の際にも選択肢が増えるので、キャリアアップを狙いたい方へのメリットは大きいです。
■国の助成金を利用できる
個人でリスキリングのための学習をする場合、対象となる講座を受講すると「教育訓練給付制度」という国からの助成金を受けることができます。
受講費用を負担してもらいながら資格取得のための勉強ができるので、利用しない手はありません。
あわせて読みたい記事:教育訓練給付制度をわかりやすく解説!お金をもらって資格取得をしよう
リスキリングに向いているスキル学習
リスキリングをするときは、しっかりと今後のキャリアに活かせる資格やスキルを選ぶことが重要です。
ここではリスキリングに向いているスキルを5つご紹介します。
IT関連のスキル
企業のDX化とリスキリングは深く関わっているため、IT関連のスキルは特に人気です。
ITと一口にいっても、プログラミング、データ分析など、その内容は多岐にわたります。
資格としては、ITパスポートやMOS(マイクロソフト社が認定する民間資格)の取得を目指す方が多いようです。
コミュニケーション関連のスキル
対人コミュニケーション能力は、業種を問わず求められる大切なスキルです。就職や転職の際に重視されるほか、チームや部下をマネジメントする際にも必要となります。
コミュニケーションのスキルは一般的なビジネスマナーから、それぞれの職種に対応したものがあることも特徴です。
例えば医療や介護の現場では「待遇スキル」が求められます。待遇スキルを高めると、医療のスペシャリストとして患者さんに寄り添ったり、現場の状況に合わせた臨機応変な対応がとれるようになります。
ソラストの「ホスピタルコンシェルジュ®講座(教材)」は、医療現場で働くすべての方が求められる待遇のスキルを、1日5分〜効率的に学ぶことができる人気の教材です。
語学(英語)関連のスキル
グローバル化により、海外と取引をする企業が増えてきています。
日本では義務教育で英語を学びますが、実際に海外の方とやり取りできる英語力を身につけている人は少なく、高い英語力を持った人材の需要は今後も増えていくでしょう。
特にTOEICやTOEFULは企業から一定のスコアを求められることも多く、リスキリングを目指す方に人気の資格試験です。
医療・福祉関連のスキル
少子高齢化により、医療福祉の仕事は今後も需要が伸びると予想されています。
医療福祉の仕事は、「保育士」や「介護福祉士」といった国家資格が必要なものから、「医療事務」や「介護事務」など、国家資格を有していなくても目指せるものまで多様です。
特に国家資格のいらない医療職はリスキリングや転職を目指す方からも人気が高く、民間資格を保有していると面接での強いアピールポイントになります。
ソラストなら、仕事をしながら独学で医療・福祉の分野でリスキリングしたい方におすすめの教材が揃っています。
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クリエイティブのスキル
ウェブデザインやプログラミングなど、ウェブ関連のクリエイティブスキルは、ITスキルと同様にDXと深く関わっているため、リスキリングの人気が高まっています。
専門学校に通わなくてもスキルを身につけられるので、仕事と並行して勉強している方も多いようです。
まとめ:学び直しに「遅い」はない!リスキリングに取り組もう
新しいスキルを学ぶことに年齢は関係ありません。変化していく社会や技術に対応する柔軟性は、企業に限らず、個人に対しても今後ますます求められるでしょう。
医療福祉の分野でリスキリングに取り組みたい方には、ソラストの教材がおすすめです。短時間でも効率的に学べる教材を使いながら、仕事と並行して医療・福祉関連の試験取得に向けた学習ができます。
気になる資格や身につけたいスキルがあるという方は、ぜひリスキリングに取り組んでみませんか?