生活相談員とは?1日の仕事内容や必要な資格、お給料事情を解説
2023.08.21 介護事務 その他
【医療事務のパイオニアソラスト監修】介護施設や事業所の顔として働く生活相談員は、介護業界でのスキルアップを目指す人からも人気の高い仕事です。
この記事では生活相談員の1日の仕事内容やケアマネジャーとの違い、必要な資格と要件を解説します。
気になるお給料事情もご紹介するので、これから介護業界でキャリアアップを目指す方はぜひ参考にしてみて下さいね。
2023.08.21 介護事務 その他
【医療事務のパイオニアソラスト監修】介護施設や事業所の顔として働く生活相談員は、介護業界でのスキルアップを目指す人からも人気の高い仕事です。
この記事では生活相談員の1日の仕事内容やケアマネジャーとの違い、必要な資格と要件を解説します。
気になるお給料事情もご紹介するので、これから介護業界でキャリアアップを目指す方はぜひ参考にしてみて下さいね。
生活相談員(生活指導員)とは、特別養護老人ホームなどの介護施設において、利用者と施設の間に立って利用者のケアやサポートを行う専門職です。
生活相談員の仕事内容は具体的に下記のようなものがあります。
・利用者の入退所時の手続き、ルールやサービスについての説明
・利用者やご家族の心のサポート・相談受付
・ケアマネジャー、看護師、行政などの他スタッフと利用者についての連絡・連携
・アクティビティの企画・調整
・施設内でのトラブルやクレームの対応 など
このように、生活相談員は、利用者が施設を安心しながら充実した時間を過ごせるような環境づくりをサポートする大切な役割を果たしています。
生活相談員と混同しやすい職種として「ケアマネジャー」がありますが、異なる役割と専門性を持っています。
生活相談員は、介護施設の利用者やその家族の間に立ってサポートをすることに焦点を当てているのに対して、ケアマネジャーはケアプランの作成が主な業務内容です。
またケアマネジャーは介護施設だけでなく、自宅での介護サービスを提供している居宅介護支援事業所などにも所属しています。
あわせて読みたい記事:ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?仕事内容や給料、必要な資格について
生活相談員の1日の例をご紹介します。
今回は、高齢者が日帰りで介護サービスを受けるデイサービスに勤めた場合の例です。
生活相談員は、利用者や家族・その他の医療機関やスタッフと連携を取りながら業務を進めていくので、日中に働くことがほとんどで、夜勤はないと考えて良いでしょう。
施設によっては、介護サービスを提供する介護スタッフが生活相談員を兼務している場合もあるようです。
生活相談員が活躍する主な職場は以下の通りです。
【勤務先の例】
・特別養護老人ホーム
・デイサービス
・短期入所生活介護施設
・介護付き有料老人ホーム
・介護老人保健施設
・病院などの医療機関 など
生活相談員は資格ではありません。
自治体によって生活相談員になれる条件が異なるので、その条件を満たすことができれば無資格・未経験からでも目指すことができます。
ただし、介護の知識・経験がゼロの状態から生活相談員になれるのではないので注意してください。
東京都と大阪府の条件を例に見てみましょう。
【東京都】
・社会福祉士・社会福祉主事(3科目主事)、精神保健福祉士の資格を持つ者
・介護支援専門員(ケアマネジャー)
・特別養護老人ホームにおいて介護の提供に係る計画の作成に関し、1年以上、180日以上の実務経験がある者
・老人福祉施設の施設長の経験がある者
・通所介護事業所など(※1)で1年以上、180日以上の実務経験があり、介護福祉士の資格を持つ者
※1)参考:通所介護及び短期入所生活介護事業所における 生活相談員の資格要件について
【大阪府】
・社会福祉士、精神保健福祉士など(※2社会福祉法第19条第1項に該当する者)
・介護福祉士
・介護支援専門員(ケアマネジャー)
※2)参考:大阪府/生活相談員の資格要件について
自治体の資格要件によりますが、生活相談員を目指す人が取得しておきたい、一般的に求められる資格は以下の通りです。
介護福祉士は、社会福祉及び介護福祉法によって認められた介護職唯一の国家資格です。
資格取得までは以下の4つのルートがあります。
社会福祉士は国家資格でメインの仕事内容は相談業務や支援サービスです。身体的・精神的な障がいがあり、生活に支障がある方をサポートします。
相談援助実務4年、一般養成施設に1年通うことで、受験資格を得られます。
ほかにも、受験要件は12ルート用意されています。
精神保健福祉士は、精神障害者の社会復帰や日常生活の自立を支援する国家資格です。
受験ルートは以下の通り、11ルート用意されています。
精神医学・心理学・福祉学などの専門知識が求められます。
利用者一人ひとりに合わせた個別のケアプラン作成も重要な業務です。
社会福祉主事任用資格は、地方自治体の福祉事務所で支援が必要な人たちのサポートを行う「社会福祉主事」になるための資格です。
資格取得は以下の5つのルートが用意されています。
社会福祉主事になるためにはこの資格の他に国家公務員の資格も必要ですが、通常の介護施設で働く場合はこの資格をとって生活相談員として働く人もいます。
生活相談員のお給料について、他の職種と比較してみました。
職種 | 平均給与額(常勤の場合の月給) |
---|---|
生活相談員(支援相談員含む) | 342,330円 |
介護職員 | 317,540円 |
介護事務職員 | 307,960円 |
介護職の中でも、生活相談員の給料(月給)は2〜3万円高い傾向です。
その専門性の高い知識やスキル、経験値などが評価されている結果と言えます。
どんな人が生活相談員に向いているでしょうか。介護の現場で欠かせない存在である生活相談員に向いている人の特徴を解説します。
生活相談員の仕事は、利用者の生活をサポートする役割が中心です。
社会福祉に貢献したいという熱意がある人は常にモチベーション高く仕事ができ、利用者とも信頼関係を築いていけるでしょう。
豊富な知識と実務経験をいかして、日々進化する介護業界の新たな課題やニーズに対応しスキルアップを目指したい人にピッタリの仕事です。
生活相談員は、多くの医療・介護スタッフと連携をとる役割です。
情報を整理し、必要なサポートを組織的に進めることができるマネジメントスキルを持っている人が求められます。
利用者やその家族、関係者などさまざまな人と関わり合うのが生活相談員の仕事です。
利用者に必要なことは何か読み取れるコミュニケーション能力が高い人が向いている仕事です。
生活相談員の仕事は、介護の現場では欠かせない、利用者と介護施設を繋ぐ架け橋のような存在です。
高齢化が進む日本では、最新の知識と十分な経験を併せ持つ優秀な人材が必要とされています。
介護業界でスキルアップしたい人は、ぜひ生活相談員の仕事を目指してみてください。