在宅医療とは?在宅診療の医療事務・介護事務の仕事内容や資格について解説

在宅医療とは?在宅診療の医療事務・介護事務の仕事内容や資格について解説

2023.06.26 医療事務

【医療事務のパイオニアソラスト監修】高齢者人口の増加に伴い、医療の提供形態は入院から在宅医療へとシフトしています。
在宅医療は、介護保険サービスと同時に利用されることが多いです。医療保険と介護保険の両制度への理解が、在宅医療の請求事務に求められています。
今後、在宅医療の拡大に伴い、この知識はさらに重要性を増すでしょう。
この記事では、そんな「在宅診療」を支える医療や介護の請求事務について仕事内容や取得しておくといいおすすめの資格についても紹介します。

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在宅医療とは

通院ができない、または自宅での治療を希望する患者さんの自宅や生活の場所に、医師や訪問看護師などが訪問し、診察や治療を行うことを在宅医療といいます。

在宅医療の対象になる患者例は以下の通りです。

「住み慣れた自宅で生活したい」「家族と離れず一緒に生活し続けたい」など、患者さん自身のライフスタイルを大切にできる医療のかたちです。

患者さんをはじめとしたご家族の希望や気持ちを中心に、医療と福祉の関係者が各々実施すべき治療や介護の方法を提案しながら治療を進めていきます。

自宅以外にも、患者さんが生活している施設への往診も可能です。

夜間対応型訪問介護といった24時間365日体制のサービスもあります。

在宅医療のメリット

在宅医療のメリットとしては、住み慣れた自宅や地域で治療ができるので、患者本人の負担や、不安が軽減されます。ご家族の介護負担も軽くなるのもメリットです。

デメリットとしては、病院のような充実した設備、緊急時の対応の限界などがあげられます。これらをカバーするために、各分野のプロと連携することで、自宅でも必要な支援を受けられる体制が在宅医療です。

具体的には、医師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、訪問看護師、介護士、ケアマネジャー、管理栄養士など各分野の専門家がチームとして連携します。

在宅医療の訪問診療と往診の違い

在宅医療は、訪問診療と往診の2種類に分けられます。

この往診と訪問診療の大きな違いは、頻度です。

訪問診療は定期的・計画的、往診は不定期・突発的となります。

訪問診療

医師が定期的に計画し、訪問して患者さんの生活の場で行う診療のことです。

病状や身体状況を確認し、医師が必要と判断した頻度であらかじめ診療計画を立てて患者さんの同意を得たうえで訪問診療を開始します。
2週間に1回の訪問診療を受けている場合や、毎日診療を受けている場合など、状況により頻度はさまざまです。

往診

患者さんが突然体調が悪くなり病状が出た場合などに、急な要請により医師が自宅に訪問し診療を行うことです。

また、訪問診療を受けている患者さんに対し、診療上必要があると医師が判断し行う往診もあります。次の訪問診療の予定前に病状が悪化した場合などが一例にあげられます。

国民の半数以上が希望!在宅医療の需要は高い

厚生労働省の資料によると、65歳以上の高齢者数は、2025年には3,657万人となる見込みです。そのため、医療と介護双方のつながりがさらに大切になります。また、国民の60%以上が自宅での療養を望んでいるという統計も出ています。ますます在宅医療の需要は増えていくことでしょう。

そして、在宅医療チームの連携に欠かせない存在が医療事務、介護事務です。

正確な情報をもって素早く連携することが求められます。両者の橋渡し役として、今後はさらに重要な存在となります。

【在宅医療】医療事務・介護事務の仕事内容

一般の医療事務や介護事務とは違い、在宅医療の事務は患者さんやご家族と顔を合わせることは少ないです。その中でも信頼関係を築き、お互いが心地よいスムーズなコミュニケーションがとれるようにしましょう。

電話対応など、丁寧に不安を解消できるような受け答えが大切です。その日々の積み重ねが医療・介護双方の連携に大きく貢献します。

  • ・電話対応
  • ・レセプト業務
  • ・会計、請求業務
  • ・書類、カルテ整理

業務内容は大きく分けて上記の4つです。

最近は独自の公式ホームページやソーシャルメディアのアカウントを開設している医療機関が増えています。
それに伴い、医療事務や介護事務の業務として、その開設や更新などを任されることも多々あります。

電話対応

在宅医療といっても、事務業務の担当者は基本的に訪問看護ステーションや介護事業所、介護支援センター、診療所の事務所などの指定された場所で業務を行います。

病院の外来や介護施設のように患者さんやご家族が来て直接会話する機会はあまりありません。しかし高齢になって初めて在宅医療を受ける方がほとんどのため、不安を抱いている患者さんやご家族は多いのが現状です。

訪問診療後に「医師へ質問したいことがあり、次の訪問診療日まで待とうかすぐに相談しようか迷っている」「この処置はどう対応したら良かったかしら?」と不安そうに電話をかけてこられる方もいます。

そんな時こそあたたかく、正確な対応が求められます。普段から、担当医師やスタッフとの連携を強化しましょう。

レセプト業務

診療報酬請求業務をレセプト業務と呼びます。業務内容を見ていきましょう。

電子カルテを導入している医療機関は令和2年時点で57.2 %と半数以上です。

レセプト業務は未経験でも、タブレットやPC操作が得意な方には習得しやすい業務です。

■注意点

● カルテに入力されている診療項目や内容が正確か
● コスト漏れチェック
● 逆に不要な項目が入力されていないか(過剰請求を避ける)

以上3点は特に注意をしましょう。

■こんな時はどうするの?

請求後にコスト漏れに気づいた場合 → 患者さんに再度請求
請求後に過払いに気づいた場合 → 患者さんに返金

患者さんと所属機関との信頼に関わる大切な業務です。
正確に業務を行い、ダブルチェックを怠らぬようにしましょう。

資格取得のために使った資料やテキストは、常に手元においておくと業務に役立つことがあります。大切に保管し復習、法改正などのアップデートにもついていけるように最新情報のチェックも必須です。
情報の整備、集約をするくせをつけておくと業務に役立ちます!

会計、請求業務

● 請求書の作成、発送
● 入金処理
● 売上表作成
● 領収書の作成、発送 など

主に上記の会計や請求業務を行います。

書類、カルテ整理

● 処方箋の発行補助
● 保険の情報管理(期限の確認や変更された情報の入力、公費の手続きなど)
● 書類管理(契約書類や診療情報提供書、検査データ、診断書や意見書、役所への届出など)
● カルテ管理

在宅医療を受けている患者さんの状況は、頻繁に変化しやすい傾向にあります。

例えば、病状が悪化し入院、治療後に安定して退院、退院したけれど認知症が進行して自宅には戻らずそのまま施設に入居といったケースもあります。訪問場所をはじめ、カルテは常に最新の情報に更新しましょう。更新のタイミングなど履歴を残しておくことも重要な業務です。
医師や看護師をはじめ、連携している方が発信している情報をすべてまとめて時系列で確認できるような管理を行いましょう。

患者さんご本人やご家族の希望が変化していくこともあるため、診療方針や計画などの欄を書き加えやすいように広めに設けるなど書類作成の工夫も必要です。

在宅医療の医療事務や介護事務に必要な資格

医療事務や介護事務に資格は必要ありません。
しかし在宅診療報酬は点数が高く、また定期的に行われる改定内容は外来に比べかなり複雑です。

いま在宅医療に力を入れている医療機関は非常に多くなっています。かなり需要があるため、専門の知識は必要だと考えます。ここでは取得すると医療事務や介護事務の業務に役立つ資格をご紹介します。

在宅診療報酬事務管理士®技能認定試験

★短期間で専門知識をつけたい人におすすめ!

在宅診療報酬事務管理士®技能認定試験は、日本で初めて医療事務の資格試験をはじめた「技能認定振興協会(JSMA)」による試験です。
医療保険・介護保険制度の両面から在宅医療に関する知識と、在宅診療報酬算定スキルを測ることが目的の試験で、在宅受験が可能です。ソラストの在宅医療請求講座で学べます。

医科 医療事務技能認定

はじめての資格取得におすすめ!

医療事務技能認定試験は、医療事務を目指すときに理解しておくべき基本的な知識を習得・理解していることを評価・認定する資格試験です。在宅受験が可能です。
医療保険制度の基本事項や診療報酬算定ルール・要件は医療事務スタンダード講座(教材)で学べます。
本資格試験に合格することで、その上位資格である「医科 医療事務管理士®技能認定試験」の学科試験が免除されます(最大6ヶ月)。

医科 医療事務管理士®

医療事務のスペシャリストを目指す方におすすめ!

2005年に特許庁より商標登録が認められ、認知度が広がった医療事務管理士。
この資格を取得することで医療事務としてのスキル、すなわち正確に診療報酬を算定できる能力を持っていることを証明できます。
医療事務技能認定試験の受験後にステップアップとしての受験がおすすめです。経験者の方も医療事務講座マスターコース(教材)を学び、スキルアップや、​病院や診療所(クリニック)などでのキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。

介護事務管理士®

★ご家族の介護や、介護従事者の方のキャリアアップにおすすめ!

介護事務管理士とは、介護のレセプト業務やサービス事業所の会計や受付スキルを証明することができる資格です。介護事務の方が取得しておくと、キャリアアップに繋がりやすくなります。

また介護提供側だけではなく、介護サービスを利用したい時にも介護事務講座(教材)を学ぶことでしくみの理解がスムーズにできるようになるためおすすめです。

在宅医療の請求業務は医療保険と介護保険の両面から学ぶことが大切

後期高齢者の増加にともなって入院による医療提供から在宅での医療提供へと方向が移り、今後ますます重要になる「在宅医療」。

介護保険サービスとの併用も多く、医療保険制度と介護保険制度の双方への理解が在宅医療の請求事務において必要とされています。

ご興味のある方は、短期間でバランスよく医療保険と介護保険のしくみを学べるソラストの在宅医療請求講座(教材)で学ばれてみてはいかがでしょうか。

まとめ:在宅医療の現場を支える在宅診療の事務を目指そう

少子高齢化により在宅医療の需要は年々増えています。

すでに医療事務や介護事務としてキャリアを積んできた人こそ、ステップアップを目指してみてはいかがでしょうか?

在宅医療の現場は地域に密着していてアットホームな職場が多く、今よりもっと柔軟な働き方に変えたい!と検討されている方にもおすすめです。
ソラストの在宅医療請求講座(教材)は、仕事を続けながら、また介護や子育て中のキャリアアップやリスキリングにもぜひ活用していただきたい講座です。