医療事務になるために必要なことについて解説
2022.06.14 医療事務
医療事務は、ライフスタイルに合わせた働き方を選択しやすいことが特徴で、特に女性に人気のある職業です。高齢化が深刻な我が国においては、医療機関を利用する人が今後も増えることが予想され、医療事務の需要もさらに増していくことでしょう。この記事では、医療事務になる方法や、仕事内容などについて解説します。
2022.06.14 医療事務
医療事務は、ライフスタイルに合わせた働き方を選択しやすいことが特徴で、特に女性に人気のある職業です。高齢化が深刻な我が国においては、医療機関を利用する人が今後も増えることが予想され、医療事務の需要もさらに増していくことでしょう。この記事では、医療事務になる方法や、仕事内容などについて解説します。
医療事務とは、病院やクリニックをはじめとした医療機関で働く事務職のことをいいます。主に受付・会計業務、診療報酬請求業務などを担い、医療機関においては欠かせない職種とされています。
医療事務スタッフは、医療機関の受付窓口で仕事をするため、患者さんからは病院やクリニックの顔として見られています。患者さんの状態に配慮した受け応えをすることはもちろん、医療機関に適した接遇マナーや、患者さんを待たせないスピーディーな対応が求められます。
医療事務の主な仕事内容として「受付・会計業務」「クラーク業務」「レセプト業務」が挙げられます。それぞれの業務について詳しく見ていきましょう。
医療事務のイメージとしてまず思い浮かぶのが、病院やクリニックの窓口で行っている受付・会計業務ではないでしょうか。受付業務では、来院された患者さんから診察券や保険証を受け取り、診察や検査の案内を行います。初めて受診される患者さんには、問診票の記入をお願いしたり、個人情報を記入するカルテを作成したりすることもあります。また、受付では患者さんから相談を受けたり、電話応対をしたりと、イレギュラーな対応をしなければならないこともあります。
会計業務は、診察や検査を終えた患者さんから、診療費を受け取る業務になります。診療内容や診療報酬点数、患者さんが加入している医療保険などを確認して、相違がないように計算をして会計を行います。
患者さんは心身になんらかの不調を抱えている人がほとんどなので、不安な気持ちで来院していることも少なくありません。安心感を与えられるよう「医療機関の顔」として、細かな気配りやコミュニケーション、医療接遇のスキルが求められます。
クラーク業務とは、患者さんと医療スタッフをつなぐための業務で、主に総合病院や大学病院など規模の大きな医療機関で行われます。クラーク業務は「外来クラーク」と「病棟クラーク」に分けられます。
外来クラークは、診療科ごとの受付として役割を担います。カルテの整理、レントゲンや血液検査のデータの準備、患者さんの呼び出しなど、医療スタッフと患者さんをつなぐパイプのような役割を果たします。
病棟クラークは、主に入退院に関する業務が中心です。ナースステーションに常駐し、入退院の手続き、手術や検査のスケジュール管理、食事伝票の管理などが主な業務内容です。
レセプト業務は、医療事務にとって最も専門性が求められる重要な業務です。患者さんは医療機関で診察や治療を受ける際、保険証を提示することで費用の一部を負担します。
残りの費用は患者さんが加入している保険組合が医療機関に支払うことになっているため、医療機関はその残りの費用を国民健康保険団体連合会(国保連合会)や社会保険診療報酬支払基金といった審査支払機関に請求する必要があります。
請求の際にはレセプトと呼ばれる診療報酬明細書の提出が必要になります。
医療事務は、専門的な知識を用いてこのレセプトを作成・点検し、期日までに審査支払機関に提出しなければなりません。このレセプト業務は、医療機関の収益に直結するものなので、医療事務の業務の中で最も重要であるといっても過言ではないでしょう。
医療事務になるための方法は大きく分けて2つあります。
一つは医療事務未経験者や無資格者でも採用してくれる就職先を探す方法、もう一つは医療事務の資格を取得してから就職をする方法です。それぞれの特徴について見てみましょう。
医療事務として働くために、指定されている学歴や資格はありません。そのため、未経験者や無資格者でも、就職先が採用をしてくれれば誰でも医療事務として働くことが可能です。求人に「未経験者でも採用可」などと記載されている案件に応募をしましょう。
実際に就職してから知識や経験を積んで、医療事務としての専門知識を養っていきます。
医療事務の資格は、民間の団体や学校が主催している民間資格であり、さまざまな種類が存在します。それぞれ学ぶ内容に違いはありますが、いずれも医療事務としての知識やスキルを有していることの証明となるため、取得しておくことで、就職時や就業後もそのスキルを活かすことができます。
医療事務の資格を取得するには、独学や専門スクール等への通学、通信講座といった方法があります。自分のライフスタイルに合わせて勉強法を選択しましょう。中には資格取得と併せて、就職先を紹介してもらえる場合もあります。
医療事務になるためには、資格を取得しておいたほうが多くのメリットが得られます。資格取得にはどんなメリットがあるのか紹介します。
医療事務の資格を取得しておくことで、専門的な知識やスキルを証明された状態でのスタートとなります。そのため、未経験者よりもスムーズに業務をこなすことができ、即戦力になりやすいでしょう。
特に医療事務の重要な業務であるレセプト業務は専門知識を必要としますが、資格を取得しておけば戸惑うことも少なく、すぐに慣れることができるでしょう。
医療事務の資格を有していれば、就職や転職の際に役立つ可能性があります。採用する側からすれば、未経験者よりも資格を持っていて知識やスキルがある人のほうが、すぐに活躍してくれるだろうという印象を持ちます。また、求人の中には経験者・有資格者優遇といった対応をとっている医療機関もあるため、無資格者に比べて求人の幅が広く、希望にあった就職先を見つけやすいでしょう。
医療機関によっては、仕事内容が同じだとしても資格を有している人に対して「資格手当」を設けている場合があります。金額はさまざまですが、給料面で優遇されることは大きなメリットに挙げられます。
医療事務は誰でも目指すことができますが、少なからず向き不向きはあるのが事実です。医療事務に向いている人の特徴についてまとめました。
病院やクリニックに来院する患者さんは、心身に不調がある人がほとんどで、不安な気持ちでいることが想定されます。医療事務スタッフは受付で直接患者さんと接するため、相手の気持ちを思いやり、細かな気遣いができる人のほうが、患者さんも安心できるでしょう。
医療現場では、患者さんの容体が急変したり、使用機器や設備の調子が悪くなったりなど、想定外のトラブルが起きることも考えられます。待合室で患者さんの容体が悪くなった際には、まず医療事務スタッフが対応しなければならないこともあるでしょう。そんな時に求められるのは、気転を利かせて臨機応変に動ける対応力です。
医療事務は、患者さんの検査データや個人情報を扱う仕事です。患者さんを間違えてしまったり、書類をなくしてしまったりすると、重大な医療ミスを招いてしまうことも考えられます。
そのため、仕事に対して真摯に向き合い、几帳面で正確に仕事をこなす人のほうが医療事務に向いているといえるでしょう。
医療事務の概要と、医療事務になるために必要なことについて紹介しました。
医療事務は誰でも目指すことができ、比較的チャレンジしやすい職種です。新たに仕事を始めようと考えている人、医療業界に興味のある人はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。