医療事務の休み事情について。夜勤や残業はどのくらいあるの?
2022.06.14 医療事務
これから医療事務を目指す人にとっては、どのくらい休日があるのか、夜勤や残業はあるのか、といったことも気になるのではないでしょうか。医療現場は夜間であっても緊急の患者さんの対応をすることもあるので、忙しいイメージを持つ人も多いでしょう。こちらの記事では、医療事務の休み事情について、夜勤や残業の有無などを解説します。
2022.06.14 医療事務
これから医療事務を目指す人にとっては、どのくらい休日があるのか、夜勤や残業はあるのか、といったことも気になるのではないでしょうか。医療現場は夜間であっても緊急の患者さんの対応をすることもあるので、忙しいイメージを持つ人も多いでしょう。こちらの記事では、医療事務の休み事情について、夜勤や残業の有無などを解説します。
医療事務の勤務体系は、主に正社員、パート・契約社員に分けられ、それぞれ勤務時間や出勤日数も異なります。正社員、パート・契約社員の勤務体系の特徴について見ていきましょう。
正社員の医療事務スタッフの勤務時間は、一般企業と同じように約8時間です。医療機関によって、また受付時間によって、始業時間と終業時間は異なります。病院(20床以上の病床数を有する医療施設)では8時半から17時半までの勤務になることが多いようです。
一方、クリニック(1〜19床の病床数を有する、または入院ベッドを持たない診療所)では昼休みが比較的長めに設けられていることも多く、午後の始業時間が14時半や15時から始まるため、終業が18時半から19時と遅くなる傾向にあるようです。
また、施設によっては早番、遅番とシフト制になっていることもあり、始業時間、終業時間ともに変動する場合もあります。
家庭のある方や子育て中の方はパートや契約社員で働いている場合も多く、この場合は必ずしも8時間勤務ではありません。
午前中または午後だけ、週に2〜3日出勤という職場もあるので、自分のライフスタイルに合わせて出勤日数や時間を調整しやすい勤務形態といえるでしょう。
医療事務の休日は、働く施設の休診日によって異なります。ここからは、主な医療機関の休日の傾向や、休日の取得パターンについて紹介します。
病院は一般的に日曜、祝日休みの場合が多いため、平日にもう一日休みを取るシフト制になっていることが多いようです。
しかし、救急対応をしている病院の場合は、日曜や祝日も交代で出勤しなければならないこともあるでしょう。
お盆や正月を長期で休むことはあまりなく、個々のシフトで夏季休暇や冬季休暇を取ることが多い傾向にあります。
クリニックは日曜と祝日、木曜日または水曜日を休診としていることが多く、お盆や正月はまとまって休みになることも多い傾向にあります。
医療事務に限らず、求人には完全週休2日、4週6休など、休日の取得パターンに関して記載されているのを目にすることがあるかと思います。一般的に多く採用されている休日パターンは以下です。
<週休2日制>
週休2日制は、1週間のうち2日休みがある週が月に1度以上ある休日パターンです。つまり、週休2日の週もあれば、週休1日の週もあるというように必ずしも毎週2日休みがあるとは限りません。
あまり採用している施設は少ないですが、年間を通して休みが比較的少なめなので、自分のライフスタイルに合うか事前に確認しましょう。
<完全週休2日制>
完全週休2日制は、毎週必ず休みが2日ある休日パターンです。しかし、祝日があっても2日の休みとなる場合、土日祝日休みのパターンと比べるとやや休みが少ないのが特徴といえます。
<4週8休>
4週8休とは、4週間(28日)の間で8日の休みがあるパターンです。4週間を一区切りとして、その中でシフトによって休みが振り分けられるので、土日休みのように定期的に休む場合とは異なります。3日出勤したら休み、2日出勤したら休み、その後は4連勤といったように出勤日と休日は不定期になります。
比較的、固定での休みを設けていない病院などで設けられている休日体制です。
医療事務と聞くと、日勤時間帯での仕事をイメージするかと思いますが、働く施設によっては夜勤もあります。
救急外来を設けている大学病院や総合病院では、24時間体制で患者さんの受け入れを行っているため、夜間の時間帯に勤務する医療事務スタッフも必要になります。
もちろん、夜勤は医療事務スタッフだけではなく、医師や看護師、検査技師などほかの医療スタッフも勤務しています。夜勤の場合は、夕方から出勤して翌日の朝まで働くというのが一般的な勤務体制になります。
夜勤における医療事務の仕事は、主に救急患者の受付、電話応対、会計などが挙げられます。また、救急車の受け入れ対応、緊急患者の家族対応など、普段の業務とはまた違った内容も含まれます。
夜勤では、医療事務スタッフの人数が日勤より少ないので、よりスピーディーな対応が求められます。緊急性のある患者さんの対応をしなければならないため、より細かな気配りも求められるでしょう。
大学病院や総合病院では、夜勤にも医療事務スタッフが必要になりますが、男性スタッフのみで対応をしている施設もあるようです。また、その施設の正社員ではなく、夜勤専門の派遣社員を雇って対応している場合もあります。
救急対応をしている病院だからといって、必ずしも夜勤をしなければならないとは限らないので、事前に確認を取っておきましょう。
医療事務として働く上では、残業があるのかどうかというのも気になるポイントではないでしょうか。実際のところ、医療事務スタッフの残業の有無は働く施設に左右されます。全く残業がなく帰れる場合もありますが、医療事務の業務の特徴から、勤務先や時期によってはどうしても残業が発生してしまう可能性があるのは事実です。どのようなことで残業することが多いのか、具体的に見ていきましょう。
医療事務の業務のうち、最も重要といわれるのが「レセプト業務」です。レセプトは診療報酬明細書を作成・点検して、国民健康保険や社会保険などの保険者に診療報酬を請求する業務のことです。
日本では、国民皆保険制度により医療費は最大で3割を患者自身が負担し、残りを健康保険組合などの保険者が負担する制度となっています。医療機関は、窓口で支払われる費用だけでなく、診療報酬として残りの7割(患者さん3割負担の場合)の支払いを受けることで収入を得ています。
レセプトは毎月、患者さんごとに作成・点検する必要があり、翌月の10日までに審査機関に提出しなければなりません。そのため、月末から月初にかけてはレセプト業務が忙しい時期となります。もちろん通常業務に加えてレセプト業務を行うことになるため、どうしてもレセプト作成・点検の時期は残業が発生してしまう可能性もあります。大規模な病院では、医療事務スタッフの人数が多く分担して作業を進められるため、比較的残業が少ない傾向にあるでしょう。
しかし、スタッフ数が少ないクリニックでは、その分1人1人が行う作業が増えるため、やや残業が多くなりやすいのが特徴です。
時期によっては、流行りやすい病気の影響で患者数が多くなり、残業が増えてしまうこともあります。例えば、インフルエンザや花粉症など、季節によって増える疾患に対応している診療科は残業が多くなりやすいでしょう。
来院患者数が多くなれば時間もかかるため、診療時間終了となっても、診察が終わらず残業をしなければならないこともあるかもしれません。
今回は医療事務の休み事情や、夜勤、残業について解説しました。実際は職場によって条件が異なるので、働く前にしっかりと確認しておくことが重要です。勤務先によっては、しっかりと休みが取れて、残業も少ない環境で働くことは可能なので、ぜひ自分のライフスタイルに合った職場を見つけてください。