医療事務は離職率が高い?離職率の実際と現実について

2022.02.20 医療事務

医療事務は、女性に人気の職種であり目指す人も多い反面、離職率が高い傾向にあるともいわれています。離職するにはさまざまな理由がありますが、なぜ医療事務の離職率が高いといわれているのでしょうか。この記事では、医療事務における離職について解説します。

離職率とは

そもそも離職率とはどのような割合をいうのでしょうか。離職率は「常用労働者数に対する離職者の割合」または「一定期間内にどれだけ離職者が発生したかを表す指標」などと定義されています。特定の期間内で全従業員のうち、どの程度の人数が離職したのかを示す数値であり
「離職率=離職者数÷1月1日現在の常用労働者数×100%」
の計算式で算出することができます。

例えば、1月1日時点で100名の従業員が在籍していたとして、そのうち15名が辞めてしまったとします。
この場合は、「15÷100×100%=15%」と計算できるので、離職率は15%となります。

医療事務の離職率は高い?

医療事務は離職率が高いということを耳にしますが、実際はどうなのでしょうか。厚生労働省が2020年10月に発表した「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)」を参考に見てみましょう。
このデータによると、産業別の離職率(医療・介護)として新規高卒就職者の約4割、新規大卒就職者の約3割が就職後3年以内に離職していることが示されており、医療・福祉分野は離職率の高い上位5産業に挙げられています。しかしこれは医療事務単体のデータではなく、医療事務の離職率についてなされた研究はほとんど無いため、一概にデータとして「医療事務は離職率が高い」と言い切ることはできないでしょう。  

医療事務の離職理由

医療事務の離職理由にはどのようなことが挙げられるのでしょうか。考えられる理由について見ていきましょう。

人間関係が上手くいかない

医療事務に限ったことではありませんが、人間関係が上手くいかないということが退職の理由に多い傾向にあります。特に、医療事務が働く医療機関は看護師や医師といった専門職が多く、緊張感のある雰囲気が特徴です。高い集中力と緊張感を必要とするなかで従事していると、時には厳しい指摘をされることもあるかもしれません。
また、医療事務は女性が多い職場です。女性は仲間意識が強い人が多い傾向にあり、上手くなじめない人は、関係を築きにくいことも影響しているかもしれません。

経営者の方針が合わない

小さなクリニックなどでは、家族経営である場合が多いようです。院長の奥様が事務長だったり息子さんが医師だったりする場合、ほかの職員の意見が通りにくく、働きにくいということもあるかもしれません。家族間で暗黙のルールが決められていることもあり、間違っていたり、効率が悪かったりしても正すことができないということも起こり得るでしょう。また小規模の医療機関である場合、息抜きがしにくいと感じる人もいるでしょう。

想像していたよりも忙しい

未経験者や、あまり医療事務の業務を把握せずに入職してしまった場合は、忙しさに戸惑って退職に至ることもあるようです。特にレセプト作成時期は忙しくなることが多く、医療機関の規模や医療事務スタッフの数によっては、残業が発生する可能性もあります。ほかの業務に手が回らなくなってしまうと「こんなはずじゃなかった」「家庭と両立できない」と、想像していた以上に忙しく感じてしまう人もいるようです。
また、季節によって流行する疾患がある場合など、特定の時季は、混雑によって患者さんの応対に追われてしまうこともあります。もちろん、忙しさや残業時間、業務内容などは職場によって異なりますが、自分のイメージとあまりにもかけ離れてしまう場合は、離職を考えてしまう人もいるでしょう。

クレーム対応

医療事務の重要な仕事内容として、受付業務があります。患者さんからの相談やクレームなどの応対は、まず受付にいる医療事務が引き受けることになります。時には、医師や看護師の対応への文句や、理不尽なクレームにも対応しなければならないこともあるでしょう。あまり気にせず受け流すことができればよいのですが、真面目に受け止めて落ち込んでしまうタイプの人は、つらいと感じることもあるでしょう。  

医療事務が女性に人気な理由

医療事務は離職率が高い傾向にあるといわれていますが、女性に人気の仕事であることも事実です。なぜ女性に人気があるのか、その理由について見ていきましょう。

ライフスタイルに合わせて働きやすい

女性の場合、結婚や妊娠・出産、育児のような人生の大きな節目を迎えると、それまでと同じような働き方ができるとは限りません。ブランクが空いてしまうと正社員で復帰するのが難しかったり、フルタイムでの勤務ができなかったりすることも多いでしょう。
その点、医療事務はほかの事務系の仕事と比べるとパートで働く人も多く、時間の融通が利かせやすいのが特長です。また女性が多く働いているため、産休・育休や妊娠時の体調不良、子どもの急な発熱などへの理解が得られやすい職場も多い傾向にあるでしょう。そのため、医療事務はライフスタイルに合わせて働きやすいというのが、女性に人気のある理由として挙げられます。

未経験者・無資格者でも働きやすい

医療機関は医師や看護師をはじめ、国家資格を有する専門家が多く働いています。そのため、医療機関で働くことは少々敷居が高いと感じる人も多いかもしれません。
しかし医療事務の場合は、未経験者や無資格者でも働くことができるのが特長です。医療に関する最低限の知識は必要になりますが、働きながら学ぶことが可能です。基本的なパソコンスキルとコミュニケーション能力があれば、医療事務として働くことに問題はないため、チャレンジしやすいというのも女性に人気の理由でしょう。

日本全国どこでも働く場所がある

結婚やパートナーの転勤などで転居せざるを得ない状況になることも想定されます。慣れない土地で仕事を探すことは大変なことですが、医療機関は全国各地に存在しているため、比較的スムーズに希望の就職先を見つけることができるでしょう。

患者さんから感謝をされることも多い

医療事務が応対する相手は、何らかの病気や怪我を抱えている患者さんです。その不安や疑問を解消するために医療従事者は日々働いています。直接治療をしたり、薬の処方をしたりするのは医師ですが、医療は看護師や医療事務などスタッフ全員で連携を図っていくものです。そのため、医療事務は受付で「いつもありがとう」「おかげで元気になりました」といった声をかけられることがたくさんあります。人に感謝をされる、やりがいのある仕事であることも人気の理由でしょう。

まとめ

医療事務の離職率と、女性に人気である理由についてお伝えしました。離職する理由は就職先の特徴によって左右されることが多く、医療事務=長続きしないというわけではありません。むしろ、誰でも医療事務として働くチャンスがあり、安定している医療業界でキャリアを築くことができるなど、メリットも多いのが事実です。
自分のライフスタイルを優先でき、医療従事者としてやりがいを実感できるような職場を選ぶことができれば、長く続けていくことも可能でしょう。
医療事務としてこれから働こうと思っている方は、ぜひ自分に合いそうな職場を探してみてください。

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