クラークとは?クラークの種類や医療事務との違い、仕事内容や年収など解説
2023.05.29 医療事務
【医療事務のパイオニアソラスト監修】クラークとは病棟や外来全般の秘書のような業務を行う人のことです。医療現場での円滑な業務運営に貢献し、患者さんへのサポートや医療スタッフとの連携を図るたいへんやりがいのある職種です。
クラークに必須の資格はありませんが、医療事務の資格を取得することで、事務スキルが認定されるのでクラークを目指す方にとっては有益となるでしょう。
この記事では、クラークの種類や医療事務との違い、仕事内容や年収、資格など、クラークについて解説します。
(公開:2021年11月20日/更新:2023年5月30日)
クラークとは
クラークとは、直訳すると「事務員」のことであり、医療機関におけるクラークは病棟で働く「病棟クラーク」と外来で働く「外来クラーク」を指します。
患者さんへ直接的な医療行為をすることはできませんが、事務的な仕事をこなしながら医師や看護師のサポートを行う秘書のような存在です。医療機関の業務をスムーズに遂行するためになくてはならない存在になっています。
医療事務や看護助手、医師事務作業補助者との違い
クラークは、医療事務の業務の中の1つではありますが、一般的な医療事務とは業務内容が少し異なります。
また、似ている仕事として、看護助手と医師事務作業補助者(医療クラーク)があります。それぞれの違いについて解説します。
医療事務との違い
医療事務の大きな仕事として「診療報酬請求業務(レセプト業務)」があります。それに対してクラークはレセプト作成など会計に関わる業務は基本的には行いません。
看護助手との違い
看護助手は、看護補助者と呼ばれることもあり、看護師のサポートがメインの仕事です。
クラークと同じく医療行為はできませんが、患者さんの食事や更衣の介助なども行います。クラークのような事務作業は基本的には行いません。
医師事務作業補助者(医療クラーク)との違い
医師事務作業補助者は医療クラークとも呼ばれ、医師の業務のサポートをします。
医師の指示を受けていない業務はやってはいけないことになっているので患者さんやご家族、面会者の対応などは行いません。
クラークは「病棟クラーク」と「外来クラーク」に分けられる
クラークは「病棟クラーク」と「外来クラーク」の2つに分けられます。それぞれの違いを解説します。
病棟クラークとは
病棟クラークとは、入院患者さんがいる病棟で、入院患者さんに関するクラーク業務を行います。基本的には看護師がいるナースステーションの中に常駐しています。
外来クラークとは
外来クラークとは、外来でいらした患者さんに対してクラーク業務を行います。医療事務がいる窓口にいることが多いですが、医療機関によって職種を分けずに医療事務の業務の1つとして扱われる場合もあります。
クラークの仕事内容
ここからはクラークの仕事内容について具体的に解説します。
患者さんやご家族、面会者の対応
医療機関にかかってくる電話の対応や、患者さんのご案内をします。
入院患者さんの対応を行う病棟クラークは、患者さんの入退院の手続きを行ったり、病室の手配やご家族や面会者の対応も行います。
毎日たくさんの人と接するので、相手に合わせた適切なコミュニケーションができることが大切です。
医療記録(カルテ)入力代行と管理
患者さんの医療記録(カルテ)の入力代行と各種書類の管理などの事務作業を行います。
近年はほとんどの病院が電子カルテを導入しているので基本的なパソコンのスキルが必要です。ネームプレートやリストバンドの作成も行います。
処置や診療の準備・補助
時には医師や看護師が行う処置や診療の準備や補助を行うこともあります。検査器具の準備や片付け、検体・薬品等の運搬などが主な内容です。
医療行為自体はできませんが、責任感を伴う業務の1つです。
クラークの給料(年収・月給・時給)
参考:求人ボックス
参考:求人ボックス
クラークの給料は働く医療機関や勤務地によってばらつきがあります。総合病院など規模の大きな医療機関や都市部では高くなる傾向があるようです。
病棟クラークの正社員の場合、年収は日本の平均年収を下回りますが、時給や月給で換算すると医療事務などと同じくらいの収入が見込めるようです。
クラークになるには資格が必要?
クラークとして働くには、特に資格や免許は必要ありません。未経験や無資格の人でも働き始めやすい職種です。
とはいえ、医療現場での仕事は専門用語や知識が必要になるので、あらかじめ資格を取得してある程度の知識を身につけておくとスムーズに仕事を進められるでしょう。
クラークにおすすめの資格
ここからはクラークにおすすめの資格をご紹介します。
医療事務技能認定試験
医療事務技能認定試験は、日本で初めて医療事務の技能を認定した、老舗の資格試験団体である技能認定振興協会(JSMA)が主催する民間資格です。在宅とインターネットの2つの受験方法があります。
医療保険制度や診療報酬請求の幅広い知識と基礎力があることを証明できる内容で難易度も低いです。この資格を取得後に、さらなるスキルアップとして同じく技能認定振興協会(JSMA)が認定している医療事務管理士®の資格にチャレンジするのもいいでしょう。
医科医療事務技能認定試験|JSMA 技能認定振興協会
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)は、日本医療教育財団が主催する全国最大規模の統一試験です。昭和49年度から実施され、受験者も多いので医療事務の中でも知名度が高い資格です。
内容は、「医科」と「歯科」に分かれ、受付・会計・レセプト作成など医療事務全般について問われます。
医療事務技能審査試験(メディカル クラーク®)|一般財団法人 日本医療教育財団
医療秘書技能検定試験
医療秘書技能検定試験は医療秘書教育全国協議会が主催する資格で、医療秘書として働くために必要な知識と技能を持っていることの証明になります。試験は1級から3級までの4段階あり、級が上がるにつれ難易度も高くなっています。
受付業務や患者さんのカルテ管理だけでなく、医師のスケジュール管理などの秘書業務も行えることを目的としています。
医療秘書技能検定試験 |医療秘書教育全国協議会
クラークの仕事は大変?やりがいはある?
クラークの仕事は、医師や看護師から多くの指示を受けて1人で業務を行うことが多く孤独感を感じやすいかもしれません。
しかし、医師や看護師、患者さんやその家族などさまざまな人たちのパイプ役としてなくてはならない存在です。また、医療スタッフや患者さんから「ありがとう」と感謝してもらえることも多く、みんなの役に立っていると大きなやりがいをもてるでしょう。
まとめ:クラークは医療現場での円滑な業務運営に貢献する必須!
クラークは医療現場での円滑な業務運営に貢献し、医療スタッフや患者さんのサポートができるたいへんやりがいのあるお仕事です。また、高齢化や医師不足などの問題が起こる近年ではより必要とされている将来性の高い職種です。
ぜひ資格をとってみんなから頼られるクラークを目指してみませんか。
資格取得に悩んでいる人は、初心者でも安心のカリキュラム、医療事務のプロ!ソラストの資格教材「スタンダードコース」がおすすめです。