医療事務の働き方による違いとは?

2022.01.20 医療事務

医療機関で受付や会計、レセプト業務などを担っている医療事務は、特に女性から人気のある職種です。勤務時間が安定していることや、プライベートとの両立がしやすいということが人気の理由として挙げられ、働き方としては正社員、パートに大別されます。今回は、医療事務の雇用形態の違いによる特徴や、メリット・デメリットについてお伝えしていきます。

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医療事務の雇用形態について

医療事務の雇用形態は、正社員とパートに大別されます。
正社員は、一般的に労働契約の期間に定めがなく、就業規則に記されている所定労働時間がフルタイムであり、就業場所と直接契約をしている労働者のことをいいます。
パートは「パートタイム労働者」が正式な名称で、場合によっては雇用期間が定められていたり、所定労働時間が正社員よりも少なかったりすることが特徴です。
基本的な仕事内容は大きく変わりませんが、正社員とパートでは働き方に違いがあります。それぞれのメリット・デメリットについてみていきましょう。  

医療事務における正社員の特徴とメリット・デメリット

正社員として医療事務で働くメリット・デメリットには、以下のことが挙げられます。

メリット

・会社が定める健康保険や厚生年金、雇用保険など、社会保険や厚生年金の恩恵を受けることができる
・各種手当や賞与など、給料面での待遇が受けられる
・収入が安定しており、毎月決まった額の収入が見込める
・社会的な信用が得られるため、住宅ローンやクレジットカードなどの審査が通りやすい

デメリット

・パートと比べて勤務時間が長い
・資格を持っていない方は、有資格者に比べて採用のハードルが高くなる場合もある
・労働時間に定めがあるため、急な自己都合が生じた場合などに融通が利きにくい
・大きな法人や複数箇所に拠点がある場合は転勤の可能性もある

正社員の場合は、収入面が安定していること、福利厚生が充実していることなど、待遇面でのメリットが大きいのが特徴ですが、その分重要な仕事も任されることもあり、それなりの責任が問われる立場となります。  

医療事務におけるパートの特徴とメリット・デメリット

パートとして医療事務で働くには以下のメリット・デメリットが挙げられます。

メリット

・休日や終業時間の融通が利きやすく、自分の時間を確保しやすい
・他の仕事と掛け持ちができる
・転職しやすい

デメリット

・働いた分だけ給与に反映されるため、月によって差があり、収入が不安定になりやすい
・場合によっては契約期間が設けられており、就職先の業績によっては契約が更新されないケースもある
・福利厚生に関して、正社員のような待遇は受けられないことがある
・社会保険の加入には「週の所定労働時間、および1ヵ月の所定労働日数が、正社員の4分の3以上であること」などの条件が必要になる
・社会的な信用が得られにくく、住宅ローンやクレジットカードなどの審査が通りにくい

パートの場合は、働く時間や日にちの融通が利きやすく、自分の時間が確保しやすいというのが大きなメリットです。しかし、正社員と比べると収入が安定しないため、月によって波があるというのが特徴でしょう。

正社員とパートはどちらで働くのがオススメ?

前述したように、正社員とパートはメリット、デメリットが対照的です。どちらの雇用形態で働きたいかは、ご自身のライフスタイルに合わせて考えていきましょう。

正社員

安定した収入を得たい、待遇面を重視して仕事をしたいと考えている方は、正社員での採用を目指すことがおすすめです。特に、ローンの支払いなどで毎月まとまった出費がある、賞与や手当などで年収を増やしたいという場合は、不安定なパートよりも正社員ならではの待遇を受けたいと思う方も多いでしょう。
しかしその分、子育てや家事をされている方は両立が大変になることも想定されます。周りにサポートを頼んだり、時間を有効活用できるように工夫するなど、環境を整えることが必要になるでしょう。

パート

収入を得たいけれど自分の時間を優先させたい、子育てや家事の時間をしっかりと確保したいと考えている場合は、パートで働くことがおすすめです。正社員に比べて、働く時間や日にちの融通が利きやすい傾向にあるため、プライベートを充実させやすいでしょう。
もし扶養に入れるのであれば、社会保険の恩恵も受けることができます。しかし、定められた年収を超えてしまうと扶養を外れなければならないため、注意が必要です。

医療事務が正社員として働く際の選択肢

正社員の医療事務として働きたい場合、その方法として2つの選択肢があります。
まずは、働きたいと思った医療機関の求人に応募をして、採用面接を受けてから入職するシンプルな方法です。採用を行っている医療機関を探し、自分の希望条件と合ったものを選ぼうとすると、なかなか思ったように見つからないケースもあるでしょう。
タイミングよく、自分の希望条件とマッチした就職先を見つけることができれば、理想の職場で働くことも夢ではないでしょう。

もう一つは、直接医療機関に就職をするのではなく、医療事務に関連するサービスを提供している会社に就職する方法です。医療機関の事務部門は、その医療機関が直接運営するのではなく、医療関連サービス・専門会社に業務委託のかたちで、運営されていることが多いです。医療関連サービス会社は、全国各地に契約先医療機関があることが多いので、エリアや勤務形態など希望にあった就業先を見つけやすいというメリットがあります。また、資格取得のサポート体制が整っていることも多いようなので、未経験者や資格を持っていない方は、医療事務関連サービス会社を活用したほうがスムーズに就職やスキルアップにつなげることができるかもしれません。

正社員での採用を目指すためのポイント

正社員での採用を希望する人は多いと思いますが、実際には正社員での採用はされにくくなっており、パートや契約社員として働くことが一般的だという意見もあります。 では、正社員での採用を目指すためにはどうしたらよいのか、おさえておきたいポイントを紹介します。

資格の有無

医療事務の場合、必ずしも資格が必要ではなく、未経験者でも働くことができます。しかし、当然ながら経験者や資格保有者のほうが就職や転職に有利な傾向があります。資格を取得していれば、取得していない場合と比べて正社員として採用される可能性も高くなるでしょう。
また、既に知識スキルを証明されている状態のため、実際の医療現場で即戦力になりやすく、教育する側の負担も減らすことができるので、現場のスタッフにとってはメリットであるといえます。
さらに、資格を取得したことそのものが、医療事務として働くことへの熱意をアピールすることにもつながるでしょう。

面接対策

雇用形態を問わず、採用面接の際にはなぜ医療事務として働きたいのか、明確に伝える必要があります。そのためには、面接対策として自己分析をしておくことが大切です。
特に正社員としての採用を希望する場合は、自分の現状やライフプランなどから、なぜ正社員であることにこだわる必要があるのかしっかりと伝えましょう。
また、医療事務はコミュニケーション力やある程度のパソコンスキルが求められるため、その点を自分の強みとしてアピールすることができるとよりよいでしょう。
もちろん医療事務は受付業務も担うため、身だしなみや清潔感にも気をつけて面接に挑みましょう。

まとめ

医療事務の働き方の形態について、正社員とパートの特徴を中心に紹介しました。それぞれメリット、デメリットがあり、待遇面や勤務時間も異なります。今のライフスタイルや将来を見据えて、自分に合った働き方を選択するようにしましょう。