医療事務の残業時間はどの程度?残業の少ない働き方について
2021.11.20 医療事務
これから医療事務を目指す人のなかには、残業時間が気になる人も多いのではないでしょうか。 できるだけ早くに仕事を終えて帰宅したいと考える人も多いと思いますので、こちらの記事では、医療事務の残業事情についてご紹介します。
2021.11.20 医療事務
これから医療事務を目指す人のなかには、残業時間が気になる人も多いのではないでしょうか。 できるだけ早くに仕事を終えて帰宅したいと考える人も多いと思いますので、こちらの記事では、医療事務の残業事情についてご紹介します。
医療事務の仕事といえば、病院やクリニックの窓口での受付業務を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。確かに、受付業務は医療事務の中心的な業務で、診療時間内の業務の大部分を占めています。通常、病院でもクリニックでも、診療時間が決まっているので、受付時間が終了すれば業務も終了と思われがちですが、実はそうではありません。
急な対応によって業務が重なったり、季節が変わるタイミングは体調を崩す人も多く、来院患者数が増えたりして、どうしても残業せざるを得ないこともあるでしょう。
「医療事務は残業が多い」という声を耳にすることもありますが、それなりの理由が存在するからかもしれません。医療事務は残業が多いといわれることがある、その理由についてみていきましょう。
医療事務は残業が多いという声を耳にする理由として、以下のことが挙げられます。
医療事務の業務のなかには、重要なウエイトを占める「レセプト業務」というものが存在します。レセプト業務とは、患者さん一人に対して、毎月1枚のレセプト(診療報酬明細書)を作成・点検し、保険者に診療報酬を請求する業務のことをいいます。レセプトを作成するのはレセコン(レセプトコンピューター)ですが、作成したレセプトに間違いがないかどうかを点検する必要があります。また、レセプトは診療が行われた翌月の10日までに、審査支払機関に提出をしなければなりません。提出期限に間に合わなかった場合、医療機関は収入が得られないため、非常に重要な業務であるといえます。
レセプト業務は、受付や会計、カルテ整理、患者対応などの通常業務と並行しながら行わなければならず、外来が混んでいればその分残業が増えてしまう可能性があります。医療事務スタッフの在籍数が多い病院では、業務を分担して効率よくレセプト作成・点検を進めていくことができますが、人数の少ないクリニックなどでは一人が担う業務が多く、その分残業が発生する場合も考えられます。
医療事務の業務には、診療を終えた患者さんの会計業務があります。来院患者数が多く混み合った場合、受付時間を過ぎたとしても全患者さんの診療が終わっていないということも想定されます。当然ですが、時間が過ぎていたとしても医療事務は最後に診療を終えた患者さんの会計まで対応しなければなりません。診療科目によっては、季節ごとに流行る病気があるので、患者数が大幅に増えたりすることも考えられます。また、連休明けや、土曜の診療などは混み合う医療機関も多いでしょう。
最後の患者さん対応は全員が残って行うのではなく、当番制で対応する場合が多いようですが、必ず誰かしらは対応しなければならないため、残業となってしまいます。
医療事務の仕事といえば、受付・会計業務とレセプト業務が主となりますが、その他にも幅広い範囲の業務をこなさなければなりません。働く施設の特徴や、医療機関によっても業務の幅は異なりますが、患者さんの質問やトラブル対応、電話対応をはじめ、物品管理、清掃などもこなさなければならないこともあります。
業務の種類が多かったり、一つの業務に時間がかかったりすると、その分他の業務に支障が出て、残業が発生してしまうこともあるでしょう。
医療事務が働くのは主に病院やクリニックですが、これらの就職先による残業時間には違いがあるのでしょうか。それぞれの残業時間に関する特徴についてまとめてみました。
病院は入院設備があり、患者数や診療科目数も多いという特徴があります。そのため、通常業務も多く、レセプトの枚数も増えるため、残業が発生しやすいともいわれます。
しかし、病院によっては在籍する医療事務職員の数が多く、業務を分担して効率よく進められる場合もあります。また、外来の受付終了時間を早めに設定して、時間内に診療を終えられるように対応していることもあります。その他、変則勤務体制を導入し、遅番勤務等を実施している施設もあるので、一概に残業が多いとは言い切れないでしょう。
入院設備のないクリニックの場合、病院と比べると患者数も少なく、通常業務やレセプト業務の負担は少ない傾向にあるようです。しかし、職員数が少ない小規模なクリニックの場合、業務を分担することが困難なため、結果的に残業が発生してしまうことも想定されます。また夏季や年末年始などで長期休診する場合は、その分仕事が溜まってしまい残業が発生することもあるかもしれません。
これまで紹介してきたように、医療事務の仕事には残業が発生することがあります。しかし、働き方や働く施設の選び方によっては、少ない残業で働くことも可能です。そのポイントについてみていきましょう。
医療事務として働く場合、正社員だけでなくパートや派遣社員として働くことも可能です。正社員は、賞与や福利厚生があったり、有給休暇がもらえたりとメリットもありますが、仕事への責任も求められるため、残業をしなければならないこともあるかもしれません。
しかし、派遣やパートの場合は希望の時間内で働くことが可能なので、残業をせずに定時で帰りやすいのが特徴です。
医療事務は主婦や子育て中の女性が多く働いているため、パートや派遣での求人も多く、自分の時間を有効に使える働き方を選択しやすいので、自分に合った雇用形態を選択するとよいでしょう。
病院やクリニックの施設形態による特徴はありますが、実際の残業時間は施設によってさまざまです。施設の院長の方針で残業をできるだけ少なくするということを掲げていたり、職員の人数や配置を工夫して業務を効率よく行っていたりすれば、残業時間も少ない可能性が高いでしょう。また、施設によってはシフト制で勤務を組んでいる場合もあります。シフト制なら早番・遅番と勤務時間が異なるため、拘束時間の変動も少なくなります。
就職する前に、勤務先の特徴や残業の状況などを確認しておくとよいでしょう。
医療事務で残業が発生する大きな原因として挙げられるのは、レセプト業務でしょう。もしレセプト業務に不慣れで作業効率が悪ければ、その分、残業になってしまうかもしれません。医療事務は資格がなくても働くことのできる職種ですが、資格を取得してスキルを磨いておけば業務効率は上がり、残業を減らすことができるでしょう。医療事務の資格・試験にはいくつか種類があり、それぞれの試験団体が設けている条件をクリアすることで取得が可能です。
医療事務としてのスキルアップや、業務の効率化を図るためにも、資格取得はおすすめです。
資格試験についてはこちら
医療事務の残業事情について紹介しました。医療事務に限らず、多くの仕事に残業は発生しがちですが、自分に合った働き方をするためにも、事前に調べておくことは大切です。希望に合った雇用形態の就職先を上手く見つけることができれば、少ない残業で働くことも可能なので、自分のライフスタイルに合った職場を選択するようにしましょう。