医療事務の就職先の種類と特徴について
2021.10.16 医療事務
医療事務として働こうとした時に、具体的にどの施設に就職しようかと迷う人も多いのではないでしょうか。
医療事務が主に働く施設にはいくつかの種類があり、それぞれ仕事内容に違いがあります。今回は医療事務が働く施設の種類とその特徴について紹介します。
2021.10.16 医療事務
医療事務として働こうとした時に、具体的にどの施設に就職しようかと迷う人も多いのではないでしょうか。
医療事務が主に働く施設にはいくつかの種類があり、それぞれ仕事内容に違いがあります。今回は医療事務が働く施設の種類とその特徴について紹介します。
医療事務はその名の通り、医療に関する事務の仕事をするため、勤務先は医療機関が中心となります。医療機関とは、医療行為を提供する機関のことを指し、医療事務の就職先は「病院」「クリニック(診療所)」「薬局」などが挙げられます。
それぞれの施設の特徴についてみていきましょう。
病院とは、医師が医療行為を行う施設で、20人以上の患者を入院させることのできる病床数を有している医療施設をいいます。病院はクリニックに比べて施設の規模も大きく、患者数や医療従事者の数も多いのが特徴です。設備も整っているので、小規模なクリニックでは行うことのできない検査や、治療などを実施できることが強みですが、病院によって若干の違いがあります。
また医療法において病院は、有している機能や対象とする患者によって区別しています。病院の種類とそれぞれの特徴をみていきましょう。
■一般病院
一般病院は、医療法人や社会福祉法人、公営法人などが運営しており、地域に密着した病院です。20床以上の病床数を有しており、小規模な診療所やクリニックでは対応できない検査や入院などが可能です。多くの病院はこの一般病院に分類され、その規模はさまざまですが、一般病院で対応が難しい検査や治療の場合は、一般病院からの紹介を受けて、地域医療支援病院や特定機能病院など、さらに規模の大きな病院で行うことになります。
■地域医療支援病院
地域医療支援病院は、各地域の中核を担っている病院で、各都道府県知事の承認を得ている病院をいいます。かかりつけ医などを支援するような機能を備えて、地域医療の確保を図るのが特徴です。かかりつけ医から紹介を受けた患者への医療提供だけでなく、かかりつけ医への逆紹介なども行っています。また、病院で働くスタッフだけでなく、地域の医療従事者の研修にも力を注いでいます。
主な要件として、紹介患者中心の医療を提供していること(紹介率80%)、地域の医師が建物の設備や機器などを利用できる体制を確保していること、原則として200床以上の病床数を有していることなどが挙げられます。
■特定機能病院
特定機能病院は、高度な先進医療を提供する病院のことを指し、高度な医療に関する研修、高度な医療技術の開発・評価が可能であることなども求められる病院です。一般の病院では受けることのできない、先進医療や診療技術を有している病院とイメージすると分かりやすいでしょう。
また特定機能病院は、必要な要件を満たして国(厚生労働大臣)の承認を得ている病院です。主な要件としては、診療科の数は16以上、集中治療室や無菌室といった高度治療のための設備を備えていること、400床以上の病床数を有していること、といった点が挙げられます。
■精神病院
精神病院は、精神疾患を有する患者を入院させるための病院をいいます。
■結核病院
結核病院は、結核の患者を入院させるための病院をいいます。
クリニックは、入院できる病床を有していない、もしくは病床数が19床以下の医療機関を指します。病院と比べると施設の規模は小さく、患者数やスタッフ数も少ないのが特徴です。例えば、地域にある入院施設がなく規模の小さな整形外科や皮膚科、内科などが挙げられ、主に外来患者を診察します。
クリニックは高度な治療を必要としない人や、比較的軽い症状の人が気軽に受診できる医療施設であることが特徴です。必要があれば、高度な検査や治療が受けられる病院を紹介するという役割も担っています。
保険薬局では、病院やクリニックなどで医師が発行した処方箋をもとに、薬剤師が必要な薬を揃えて患者へ提供し、適正な使用方法などの指導を行う役割を担っています。
最近では、ドラッグストアでも市販薬を販売するだけでなく調剤(処方箋に基づいて医薬品を整え、患者に交付すること)を行うところも増えています。
医療事務の仕事内容は、就職先によって違いがあります。主な就職先における仕事内容の違いについてみていきましょう。
病院といっても、その施設の規模によって仕事内容や忙しさは変わってきます。比較的大規模な病院や診療科目が多くある病院では、一日に来院する患者数が多く、当然その分仕事量が多くなるため、医療事務のスタッフ数も多いことが特徴です。
仕事内容も一人が全ての工程を担当するのではなく、「受付会計業務」「クラーク業務」「レセプト業務」と分業している病院も多いようです。また、診療科目ごとに医療事務が配属されていることも多く、より細かい分業制になっていることも特徴といえるのではないでしょうか。
そのため、病院は医療事務における仕事内容を一つ一つみっちりと経験することができる環境であるといえるでしょう。また医療事務スタッフの数が多い場合は、休みの融通が利きやすかったり、仕事を教えてもらいやすかったりする可能性もあるので、その点でもメリットになると考えられます。
クリニックは、病院と比べると一日の患者数が少なく、医療事務スタッフの人数も少ないというのが特徴です。
医療事務全般の仕事を担当することになる場合が多く、幅広いスキルが求められるといえます。業務が多岐にわたるため、さまざまなことに対応できる力を身につけられるというメリットがあります。それが、やりがいと感じる方も多いでしょう。病院とクリニック、どちらの方が自分に合っている働き方なのか見極めてみましょう。
保険薬局での仕事内容は、一般的な医療事務の仕事に加えて、薬剤師のサポート業務を担うケースがあります。薬剤師の指示のもと、薬剤の管理や発注をしたり、補助を行ったりすることもあるようです。そのため病院やクリニックとは違い、処方箋を読み取るスキルや薬剤の名称・種類に関する知識も身につけておくとよいでしょう。
保険薬局の規模にもよりますが、病院の医療事務と比べると、在籍している人数が少ない傾向にあるので、求人案件があまり多くない可能性があります。そのため、保険薬局で働きたいと考えている方は、こまめに求人案件をチェックしておきましょう。
医療事務の主な就職先の特徴と、仕事内容についてご紹介しました。ここでご紹介した勤務先以外にも、訪問看護ステーションや歯科医院など、活躍の場はさまざまあります。医療事務と一口にいっても、就職先によって求められることや仕事内容に違いがあります。
自分の向き不向きやライフスタイルを考慮し、自分に合った職場を選ぶようにしていきましょう。