家庭も仕事も大切にできる、医療事務と介護事務の資格

2021.07.30 医療事務 介護事務

ライフスタイルに変化が生じた場合の「キャリアの継続」に不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。この記事では、家庭も仕事も大切にできる仕事・スキルとして、医療事務・介護事務について紹介します。

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医療事務の仕事は、ワーク・ライフ・バランスを実現しやすい

働く女性が抱えやすい悩みと言えば、出産・育児・家族の介護などでライフスタイルに変化が生じた場合の「キャリアの継続」ではないでしょうか。日本では2016年に「女性活躍推進法」が施行されて以来、国をあげて働く女性の活躍を後押しする風潮が高まっています。しかし、残業の免除や短時間勤務といったワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取り組みは、業種によってばらつきがあるのが現状です。

厚生労働省の調査(※)によると、女性の産業別雇用者数で最も多い業種は「医療・福祉」の625万人で、女性の全労働力人口の3058万人に対し、23%を占めています。医療・福祉業は、総雇用者数に占める女性の割合も76.8%と半数を上回っていて、女性の働き方の模範=ロールモデルが数多く存在していることが分かります。女性の就業割合が高い業種ほど、産休・育休の取得やその後の復職実績が豊富なことが予想できますから、これから結婚・出産を控えている方や育児でブランクがある方にとって、医療・福祉の仕事は狙い目と言えるでしょう。
もしも今、家庭の事情でキャリアを中断しているのであれば、ブランク期間は自分磨きのチャンス!と、前向きに捉えることが大切。近年、就業ブランクの肯定的な捉え方として、「キャリアブレイク」という新しい言葉も登場し、離職中に積んだ人生経験や将来に向けた資格の勉強などが評価される時代なのです。
(※)参考:厚生労働省HP 令和元年版働く女性の実情参照

実際、家事や育児のすきま時間を勉強にあて、興味のある資格取得を目指す主婦の方はたくさんいらっしゃるでしょう。在宅で取得できる資格の中でも、医療事務は特に人気があります。その背景としては、「女性が主体の職場だから、子どもの病気や学校行事に理解が得やすい」「扶養内のパートからフルタイムの正職員まで、私生活に合った働き方ができる」「医療機関は全国にあり、家族の転勤や引っ越しの際に働き口を見つけやすい」などの魅力があります。

医療事務の資格は独学で取得を目指す方もいますが、復職を希望する時期が決まっていて、限られた時間の中で確実に合格を目指したいのなら、資格試験対策用教材を活用するとスムーズでしょう。専門知識がゼロの方でも、基礎から段階を踏んで学んでいける教材もあり、効率的に勉強に励みたい方におすすめです。

自分や家族の将来のために、介護事務の資格を

今や、介護業界の人材不足は周知の事実ですが、若い人ほど「自分には関係ないこと」と捉えている方も多いのではないでしょうか。老いは避けては通れない道で、私たちは全員が「介護予備軍」であると言えるでしょう。ご自身やご家族の将来を見据えて準備していることはあるでしょうか。
団塊世代が後期高齢者となり、国民の「3人に1人が65歳以上」・「5人に1人が75歳以上」となる「2025年問題」はすぐそこまで迫ってきました。厚生労働省の試算(※)によると、2025年には37.7万人もの介護人材が不足する見込みで、そうなれば当然、介護保険サービスを受けられない高齢者が溢れることが予想できます。私たちは国の対策を待つだけでなく、自ら介護保険制度に関心を寄せ、早い段階から介護に備えることが賢明なのです。
(※)参考:厚生労働省HP 2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について

介護保険サービスとは、受けたいものを全て受けられるわけではありません。身体状態によって受けられるサービスは異なりますし、そもそもサービス利用前に要支援・要介護認定を受ける必要があります。「認定を受けるにはどこへ行けば良いのか」「認定費用は発生するのか」「申請~認定にかかる期間はどのくらいか」「認定結果に有効期間はあるのか」など、正直分からないことだらけの方が大半のはず。そのような疑問の解消に役立つのが、介護保険のスペシャリストである「介護事務」の資格です。

介護事務の資格は就職に活かすだけでなく、家族や身近なきっかけから学び始める方が多いのも特徴です。もちろん、学んだ知識は仕事でも活かせますから、いつか介護福祉業界で働いてみたい気持ちがある方なら、なおさら取っておいて損はないでしょう。現状の介護事務の求人数はそれほど多くないものの、介護サービスを提供する事業所・施設はまだまだ不足していると言われていています。今後しばらくは施設数の増加が見込まれているので、介護事務に精通した人材の需要もあると考えて良さそうです。

介護事務の資格は、通信講座などを利用して自宅で勉強しながら取得する方がほとんどのようです。「仕事が忙しい」「育児で時間が取りにくい」という方でも、すきま時間に効率良く学べる教材はたくさんあります。「将来のために介護保険の勉強がしたい」という気持ちがあるなら、ぜひ前向きに資格取得に向けて動き出しましょう!

医療事務・介護事務のキャリアプラン

医療事務・介護事務の資格はどちらも女性に人気の資格ですが、身に付けるべき専門性は異なります。医療事務は「医療保険制度」や「診療報酬制度」について、介護事務は「介護保険制度」や「介護報酬制度」に精通することが必須です。求められる共通スキルとしては、接遇マナーやパソコンの基本操作です。また、患者様や利用者様、そのご家族との対人コミュニケーションが活発な職種であるため、前職で何らかの接客・営業経験を持つ方を歓迎要件とする求人広告が多く見られます。

仕事内容に目を向けても、両職種ともデスクワークが中心なので年齢を重ねても続けやすく、実務経験が増えれば増えるほど職場で重宝される可能性は大いにあります。勤務時間は職場によって異なりますが、病院の診療時間や介護施設の面会時間は決まっているため、時間外業務は発生しにくい傾向にあるようです。休暇制度は、「完全週休2日制」か「4週8休制」を採用する職場が一般的なようで、夏季・冬季休暇や有給休暇はもちろん家族の「看護休暇」や「介護休暇」など、暮らしと仕事を両立するための体制も備わっていることが多いです。

つづいて、医療事務と介護事務の活躍の場についてですが、代表的な勤務先は下記となります。

医療事務の代表的な勤務先

病院、クリニック、歯科診療所、調剤薬局、訪問看護ステーション、企業内の診療室、保険会社など。

介護事務の代表的な勤務先

特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホーム、デイケア、デイサービス、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所など。 新規オープン以外の職場では、退職者の補充目的の求人が多く、1求人あたりの採用者数は1~2名と少数な場合が多いようです。さらに、女性に魅力的な勤務条件が揃っているため求人倍率も高く、周囲との差別化につながる強みや熱意が伝わる志望動機によって、面接官の印象に残る自己PRが必要になりそうです。
もちろん入職後も、「代替えの利かない事務職」を目指し、自己研鑽を怠らないことが大切なので、事務職の枠を超えて得意な仕事を増やしましょう。例えば、「パソコン教室に通ってITに強くなる」「英会話を通して語学力をつける」など、一見関係のない趣味や特技を磨くことも、職場での評価を高めてくれる場合があります。

母体の規模が大きい医療法人や社会福祉法人が運営する医療機関や介護施設、個人経営など小規模なクリニックや介護事業所など様々な職場がありますが、それぞれ独自のキャリアアップ支援をおこなっている場合も多いようです。 職場内で開催する研修のほか、外部研修の費用援助や資格取得サポート体制を整え、成長を全面的にバックアップしている職場もあるので、事前にチェックしてみましょう。